賊を狩り続ける冒険者~近代技術で魔法を凌駕する~

作間 直矢 

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3話 挑発と挑戦

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 「―――これで残るはお前だけだ」

 「っは……不意を突いたとはいえ、この人数を一瞬で仕留めるか」


 長髪の男は冷や汗を流し、身の危険を感じながら後ずさる。

 じりじりと距離を詰められ、苦し紛れの言葉を絞り出す。


 「お前、やっぱり正気じゃねぇよ……狂っている、
  こんな街中で襲い掛かるなんて、正常な人間ならできねぇよ」

 「ならお前は正常だと言うのか、冒険者の立場を利用して賊に加担しているお前が」

 「っへ……それとこれとは話が違う、お前はリスクの考え方が異常なんだよ、
  俺が奴隷を捌く事に大きな危険は無いが、お前は俺達を殺すことで危険がつく、
  それを同等に考えている時点で根本的に分かり合えねぇよ」

 「―――御託はいい、さっさと武器を捨てて地面に伏せろ」


 緊張感が走る対面。

 周囲の市民は恐怖し、逃げ惑い避難してゆく。
 街は閑散として、広場の噴水で二人は武器を握って構えを取る。


 ―――ジャララッ……


 そこに、鎖の音がこだまする。

 不気味な鉄の擦れる音と共に、黒い影から一人の傭兵が姿を現す。


 「随分楽しそうだなぁ?俺も混ぜてくれよ」

 「あっ……!ランスさんっ…どうしてここにっ!?」

 「お前が様子を見てくると離れて長かったからな、
  一応、雇われた身としては貰った金額分ぐらいは働こうと思ったわけよ」

 「助かりましたっ!この通り仲間はのされちまったので援護お願いします」


 不敵な笑みで槍を取り出す傭兵。

 彼は倒れた冒険者を眺めると、感心したように頷いて騎士を視界に捉える。


 「で、アンタが噂の賊狩りって奴か……思っていたよりか細いな、
  だが、雰囲気は確かに聞いていた通りだ、殺気が鋭い」

 「べらべらとよく喋る、黙っていられないのか」

 「なぁに、これから殺し合うんだ、せめて楽しくしてないとやってけねぇのよ、
  それにだ、お前は裏の社会では馬鹿げた懸賞金が掛かっている、
  臨時ボーナスを貰えると思えば気分だって浮かれる、そうだろう?」

 「お前はここで殺す、先の事など意味は無い」

 「そうかい、それは残念だ」


 傭兵は槍を独特の構えで持つと、腕に絡まる鎖を鳴らして槍に繋げる。


 「おい、お前は屋敷に戻って警戒しておけ、
  襲撃が賊狩り一人とも限らねぇ、ここは俺が受け持つ」

 「わ、わかりました」

 「さぁて、やろうぜ賊狩り!!
  “鎖槍の蛇”が相手してやる!!」


 裏稼業で名の知れた彼の二つ名。
 変幻自在の槍捌きが特徴である傭兵は、裏世界では名の知れた人物である。

 まごう事無き強者であり、その実力は賊とは比べ物にならない。

 今、アルバートは覚悟を決めて両手に武器を握った。


 「誰であろうと関係ない、賊に与する人間全てを殺す」


 連射型と散弾型のクロスボウを構え、戦いの火蓋が切って落とされた―――

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