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3話 挑発と挑戦
激闘 3
しおりを挟む「さぁて……殺ろうか、賊狩り」
「―――来い、蛇」
満身創痍の狂人達は、動き出す。
先ほどまでの距離を測っての戦いではなく、短期決戦を狙った接近戦。
血を流し、肩口を撃ち抜かれた傭兵は若干の精彩を欠きつつも速さを上げる。
対する騎士は分の悪い接近戦を補うため、薬による身体能力の強化で対抗した。
一進一退の攻防を繰り広げ、状況は均衡してゆく。
「いいねぇ!!戦い方をわかってるなぁ!!賊狩りッ!!」
無駄を排した実戦的な動き。
騎士は的確に急所を狙った打撃を振りつつ、槍を小さく避けて確実に躱す。
それは歴戦の戦士にも並ぶ戦い方であり、今、この瞬間だけは鎖槍の蛇と戦えた。
この事実に、出血の多い傭兵は焦りを覚える。
(なんだ、こいつは……単純な力と速さだけじゃねぇ、
こっちの攻撃を予想して回避をするにしても予備動作が少な過ぎる、
癖やパターンが読まれたのなら、少し変えねぇとな)
ここで、槍による突きや薙ぎから搦め手に変えてゆく傭兵。
体術を駆使した幅を拡げた戦術で、少しずつ騎士を追い詰めていった。
ゴッ……ガギッ……
鎧ごと貫く衝撃の掌底と、肘と膝を多用した打撃。
加えて、リーチを活かした槍による攻撃で接近戦を有利に持ち込む。
なのに、その瞳に諦めは無く、戦いの意思が蒼黒の光と共に宿っていた。
「オラァ!!動きが鈍くなってんぞッ!!」
「ごほっ……」
「そろそろトドメ刺してやるよぉ!!」
度重なる打撃の応酬に、ついに体勢を崩して隙を見せてしまう騎士。
それを見逃さず、必殺の一撃となる槍を貫く。
ギィンィィィン……
が、鈍い金属音だけが響き、必殺だった槍が防御された。
試作品であるライフルの銃身を軸に、槍を逸らす。
貴重な武器を惜しみなく防御に使い、銃は軋んで音を立てる。
「ああ、確かにそろそろ終わりにしようか」
「―――なにッ!?」
防御に使った試作ライフル。
それを反転させ流れで弾を装填、そのまま銃口を傭兵に向けた。
「弾け飛べ」
未だライフルは放熱中であり、再度の射撃は暴発を伴う可能性がある。
だが、ここまで不利な接近戦で時間を稼ぎ、二度目の射撃を狙っていた。
―――正真正銘、お互いの体力的に最後の攻防。
壊れかけた銃身の魔術回路から魔力が漏れつつも、その一撃が放たれる。
「ぁあぁぁぁッッッ!!!!賊狩りッッッ!!!!!!」
最初ほどの威力は無いが、拡散した光が傭兵に打ち込まれた。
淡く、美しさすら覚える一射。
それは、翡翠色をした蛍の光の様な儚さを伴い、傭兵の右腕を焼き切って落とす
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