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一休みと湧き水

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 高級肉を全部食べ終えた私を木の隙間から見ている者がいる。

 振り向くと、声にならない声が出た。

「ひぃっ!」

 ルシアに「ミオに近付けないようにするから大丈夫よ」

 私は頷く事しか出来なかった。

「そろそろ行きましょう?」

 ルシアの声と共に立ち上がり、私はまだ慣れない森を歩いている。

 木の根や幹がいろんなところに伸びているので歩きにくい、ガッ! ズザザッ!!

「いったぁ~~! うぅっ」

 痛すぎで泣いている、三十路すぎた私です。

 バッと振り向き、走って来てくれたルシアに「ヒール」傷を治してもらった後

 手を繋いでくれて何とか砂利道まで来れた。

 目的地である『アビーネス』へ向かっていると後ろから、距離を保ちながら着いて来るウルフおじさんがいる。

 ダンが「ミオ、背後からアイツに尾けられてるから、アビーネスに着くまでは魔法は使うんじゃねえぞ!
 使う時は俺らの許可を得てからにするんだぞ」

 ルシアとゼクスを見ると頷いている。

「うん、分かった!」

 頷きながら、前を向いて歩いた。

 道中、湧き水を見つけたので一時休憩する事に。

 私は湧き水に触れ

「きゃぁ! 冷たくて気持ち良い!」

「お前でも、そんな声出すんだな」

 ゼクスが驚いたように言うので、カチーンッ! ときた私は復讐してやるっと考え、行動に出た。


「くらえ、水かけ攻撃~~!!」

 両手ですくった冷水をゼクスに向かって、かける!!

 パシャッ!


「うおぉ~~っ!!
    冷てぇ~~!
    よくもやってくれたなぁ!
 くらえ、ゼクス必殺冷水攻撃~~!!」

 バシャンッ! ビシャンッ!!

 
 私も負けないんだから!

「ミオ必殺冷水ビーーム!!」

 バッシャン! バッシャン!


 遊びまくった私とゼクスはびしょ濡れになっていた。


 冷たくなった手を、ダンの首に当ててみた。

「ぅおっ! ミオ!!」

    叫びながら飛び上がってるし。

「ププッ!」

 面白いリアクション!!


 ルシアは怖いけど、せ~~ので行く。

 冷水につけて、今だ~~!

「ル~~シア!」と言いながら鎖骨を触った。

「ひゃぁんっ!!」

 えっ、ルシアがこんな声出すなんて知らなかった。

 色っぽくて、女性らしい悲鳴だったな。


「全く、これだから目が離せねぇんだ!
 乾かさねぇとな、今だけなら魔法使って良いぞ」

 許可が出たので『エリアクリーン』

 私だけではなく、ルシア・ダン・ゼクスも乾かした。

 こういう遊びは久しぶりだったので凄く楽しかったな。

「あははははっ! 凄く楽しかった!」

 私の満面な笑顔を見た、ルシア・ダン・ゼクスは怒る気が失せたみたい。


 美味しい冷水を飲んだ。

「この冷水、凄く美味しいね!」

 冷水を飲んだ後に、ダンにサーチする事を告げ頷いてくれたので、こっそりと『探知! サーチ!!』

 いたけど敵なのかな、赤い点滅?

 何だろ、4人で囲んで見てる時に点滅に触れると【トレント】の表示が出ていた。

 トレント?


 ゼクスと目が合ったので聞いてみた。

「ゼクス、この赤い点滅【トレント】になってるの。
 大丈夫かな?」

 ゼクスは真顔になり、ダンとルシアに【トレント】が近くにいる事を知らせると焦ってる?

 強い魔獣かモンスターなのかな?

「ルシア、敵は強いの?」

 ダンが真剣な顔で教えてくれた。

「トレントは俺でも倒すのに苦労するくらい強いし、換金すれば家が買える」

 そんな敵がサーチに表示されるなんて!
 
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