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初めての街アビーネス

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 ダン・バズ・ルシア・ゼクスはギルドカードを見せて入って行った。

 私はドキドキして、どうしたら良いのか分からなくて止まっていたが、足が後ろに一本下がったのを見たダンが、私を抱き上げて水晶の方へ歩いて行く。

「お嬢さん、これに触れてくれるだけで良いから」

 バズさんも頷いてくれたので、触れてみようと思い右手で水晶に触ると。


 パアアアァァァァーーーーーーッ!!


「えっ! 何、何なの?」

 いきなり水晶から眩しい光が出た。

「ダン早く、ミオを連れて走れ!!」

 バズの声と共に、私は知らない人に腕を掴まれていたが、ダンがいち早く私を引き寄せてくれ。

 門番さんも早く拠点に連れて行け!

 皆が何で騒いでるのか不安になった私は、この状況すら分からなくて『オロオロ』状態だ。

 私を気づかってくれてるのが凄く伝わって来る。

 でも、ルシアとゼクスも今だけは真剣な表情になっている。

 ダンは私を荷物のように担ぎ、拠点まで猛ダッシュです。

 後ろではバズと門番さんが強欲な連中を取り押さえていた。

 門番さん、バズ「ありがとう」

 タッタッタッタッタッタッタッタッ!!

 何処かのドアを勢いよく開けて乱暴に閉めた!

 ガチャッ! バアァァーーーーンッ!!

 ドアが閉まる音で耳の奥まで響き、鼓膜が裂けるかと思ったよ。
 
 ダンは私を椅子に座らせて、あの光の事を話した。

「ミオ、今から言う事をよーーーーく聞いとけよ!」

 な、なんか怖いな。

 顔もドアップだし、それ以上近付かないで~~【ビッグベアー!】


「水晶が光るのは特別な能力の持ち主を探知し、周りに分るように反応して知らせるんだ。
 今日それが実際に光ったんだ、俺は初めて見たぜ。
 俺はバズと話して来ねぇとならねぇ、悪いが今日は絶対に此処から出るなよ?
 分かったな? ゼクス、ルシア、ミオを頼んだぞ」

「あぁ、分かってるって!」

「えぇ、私が付きっきりでミオの側にいるわ」

「ミオ、2人から離れるなよ」

 ダンに念押しされたのもあるが、これからの事を考え、誘拐や暗殺されたらって思ったら怖くなり頷いた。

「私ここから出ない。
 ルシアとゼクスの側にいる!」

「良い子だ」ダンが優しく頭を撫でてくれた。


 外に出ようとしたダンに

「ダンは大丈夫なの?」ダンは笑いながら
「大丈夫だ!」

 私は頷き、ダンの言葉を信じようと思った。


「ミオ、こっちよ。
 今日から私と同じ部屋で寝るのよ」

 ルシアの腕に『ぎゅっ』と抱きついた。


 コンコンコンッ!

 ゼクスが部屋に入り。

「ミオ、明日は皆で冒険者ギルドに行ってギルドカードを作っておくぞ!
 今日は大人しくルシアと早く寝ろよ。
 ルシア、あとは頼むな!」

 それだけ言いながら、乱暴な手つきで私の頭を撫で、部屋から出て行った。

 今日も歩き疲れてヘトヘトだよ。

「ねむ……い……ルシ……ア、おや、す……」

 眠すぎて、ルシアに最後まで話せなかった。

 ルシアはそんな私の頭を優しく撫でてくれ、隣で一緒に寝てくれた。

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