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私の選択

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 ふと目が覚めると、朝日が登るところだった。

 私は部屋を飛び出し、レオがいる部屋へ来ていた。

 良かった『玲央兄ちゃん』は消えてない、一緒に寝ても良いよね。

 小さい頃はよく一緒に寝てたし「玲央兄ちゃん」後ろから抱きついて、二度寝をした。

「今日は背中が暖かいなぁ……って、ミオ!
 こらこらこらっ! っとに何やってんだよ。
 ミオ、起きろ……起きねえな」

 私は寝たふりをしてスルー中。

「起きてるのバレバレだからな」

「バレてた?」

「いつから居たんだ?
 怖くてベッドに入って来てたのか?」

「また玲央兄ちゃんが消えてたらって思ったら、怖くて」

「ミオ、俺は絶対に消えない。
 あと、親父とお袋がミオに会いたがっていたぞ、俺の事はアーサーでもレオでも良いから好きに呼んでくれ」

「うん、じゃあ『レオ』で!」

 レオの背中に抱きついて離れない。

 私を背負ったまま仕事をするレオ、アイリスさんに見られて「クスクス」と笑われても離れない私。

 食堂ではエリックさん、クリスさん、サムさん、ポーラさんに見られ、冷やかされるレオ。

「ミオ、また会えて良かった」

 またって? まあここはギルドだし人の出入りもあるから私の事を知っている人がいてもおかしくないよね。

 ギルマスの部屋へ行き、政務をしながら私に話しかけて来た。

「なあ、ミオは……俺達がアメリカ行きの飛行機事故からずっと1人だったのか?」

 レオは悲しそうな顔で私を見ていた。

「1人だったよ。
 お父さんはずっと書斎に入り浸りで会話なんて無い、お母さんは殆ど家に居なくて家族と呼べる関係じゃなくなってて、私がこの世界に来る23年間会話なんて無かったし、してもくれなかったよ?
 私が話しかけても『無視』か『静かにしていろ!!』の言葉だけ、亡くなる時も同じだった。
 お父さんが亡くなる時に言われたよ!」

 私は泣くのを我慢していたのもあり、少し震えていた。

「また邪魔だとか言われたのか?
 ミオの叔父さんと叔母さんは忙しかっただけ……」

 レオが話している途中で、言われた言葉を吐き出した。

「『お前さえいなければ、生まれて来なければ良かったのに!』睨みながら息を引き取ったよ!
 お母さんは『お前さえいなければ結婚なんかしなかったのに』『子供はお金がかかる悪魔!』『話しかけるな死神! 魔物!!』だって言われ続けて、もう死にたかった!!
 私ね、両親が亡くなるより叔父さん、叔母さん、レオに愛犬のアールがいなくなった方が凄くツラかった!!」

 レオを後ろからギュウッと抱きしめたまま時間だけが経過し、いつの間にか夕方になっていた。

「ミオ、ダンが心配するぞ?」

「分かってるけど、私……何も考えたくない!」

 今度は甘えっ子のように、レオの膝に乗って、ずっと抱きついたまま、いつの間にか眠っていた。


 コンコンコンッ!!

「俺だ、入るぜ!
 やっぱりそこにいたのか、また泣いてたのか?」

「ミオは昔から泣き虫で俺の後ばかりついて来てたよ。
 育った環境が悪くてな、ミオの両親は『居なければ良かった』や『生まれて来なければ良かったのに』『悪魔、死神、魔物』って言われて育ったんだ。
 ミオは今いろいろとあって情緒不安定になってるから、気をつけてやってほしい」

「ミオをベッドまで運んで来るからな」

「あぁ、頼んだ。
 俺がもし不在の時はアールにも頼むつもりだが、ミオの事を頼む!」

「分かってるよ!」

 暖かいお布団? 起き上がって欠伸をしながら下に降りると、なんか騒がしい?

 ギルドの外を見ると黒いドラゴンがいる。

「わあぁっ、ドラゴンだ! カッコイイ!!」

 独り言を喋っていたら、2匹のドラゴンが私をスンスンと匂いを嗅いで頬を舐めてくれた。

「ドラゴンは好きかい、小さなお姫様」

「もう、貴方ったら、私のミーちゃんがビックリするじゃないの」

 その呼び方、忘れた事なんてない、私の大好きな叔父さんと叔母さんだ!

 私は号泣しているので、歩く事しか出来なくて、やっと2人に抱きつく事が出来た。

「叔父さん、叔母さん!
 ゔあああぁぁぁぁーーーーんっっっ!!
 もう1人になるのは嫌だよーーッ! わああぁぁぁーーんっっ!!」

「ミオの泣き虫は健在だな、今までツラかったな。
 もう大丈夫だからな、小さなお姫様」

「レオの婚約者って事は、私達は親子になるのね!
 そうなると、ダンとも家族じゃないの。
 ミーちゃん、もう非道な親はいないから大丈夫よ」

 叔父さんは私を抱っこして、ギルドへ入ろうとした時だった。

「おい! 何をしに来たんだ!!」

 バズは怖い顔で怒鳴ったが、いつもと変わらない顔で私に近づこうとしたが、ギルドの皆が前に出て私の方へ行かせない様にしてくれていた。

 あのキモ悪変態2人組は、私を見て『ニヤニヤ』や『ヘラヘラ』して領主に続いて再度近づこうとしたが、ガードが固くて押し問答になっている。

 「(来ないで)」

 微かな声で言ったが、あの3人の顔が気持ち悪くて怖いしで、叔父さんの首にしがみついて泣く事しか出来なかった。

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