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決断の時
しおりを挟む私は泣きながら後ろ姿のルシアに抱きついた。
「えっ! ミオ? どうしたの……ねえ、何があったの!」
レオはギルドに親しい者と、こちらの味方の者を集めて緊急会議という名の、王宮で起こった事を話した。
第2王子は厳重注意をされていたにもかかわらず、ドラゴンに近付き攻撃されようとしたのを、私が庇ったのに王子は私を牢屋に吊るし上げにした挙句、背中を死にかけるまで鞭打ちをし流血は酷く、それでもずっと鞭を打たれ続けて、あと少しで死んでいたと聞いた時にギルドのテーブルを『ダアァァンッ!!』 と殴り「クソ王子が!」 ゼクスが激怒ですよ!
「まだ続きがあるんだ。これを話したら俺達とは会えなくなる!」
との言葉に皆、固唾を呑んだ。
私は何とか助かったが後が悪かった!
クソ国王はクソ王子を庇うように『自室謹慎』 で、鞭打ちをした兵士と被害者であり殺されかけた私を『国外追放!!』 だとぬかしやがった!
私は、あの光景を思い出し。
「……うぅっ……ゔああぁぁぁーーーーん!!」
号泣して、膝から崩れてしまった私を、ダンが抱きしめている。
「ツラかったな、ミオがアビーネスを出るなら俺も一緒に行くからな」
アールはミオの頭を撫でてくれ、ダンは抱きしめたまま背中を撫でてくれていた。
皆が私に、自分達も家族を連れて行くと言ってくれた。
勿論、貴族であるゼクスとルシアまでも、親に言って新しい場所で一緒に暮らす! と言ってくれたのが凄く嬉しい。
この世界で開拓されてない場所がある。
そこに自分達の王国を作ろうと思っていると、皆に話すと『行く!!』 の言葉だけ言い、それぞれ持ち出す物を、私のアイテムボックスに入れ準備は1日で終わった。
実はね、私とアリアが行ったイーベルとジースアンの民に話すと、自分達も行く! と言って準備をして町の広場に住民全員が集まって、私達が来るのを待ってくれている。
王都からアビーネスまでは早くて5日間はかかる距離なので、新しく王国を作る開拓地に行くと言う者だけを連れて『フライ』 で行くことになっている。
お年寄りや子供・妊婦・高い場所が怖い方向けに作った、コンテナ風の大きな箱型の家? 見たいなのに入ってもらって移動します。
空が平気な方は一緒に『フライ』 で飛んで、新しい未開拓地へ行きます!
ゼクスさんのお家は伯爵なのに、王国のやり方に不満があったらしくて、一緒に来てくれる事になりました。
気になるルシアは侯爵家だから無理かもって思ってたのは杞憂だったよ。
喜んで一族総出で来てくれるとか。
皆、ありがとう。
私は提案をした! 私のお金を開拓資金に使って欲しいと。
開拓を王都より完璧にしたとしても、私のお金は王宮が何百も建つくらい余るらしいです。
さあ、いよいよ出発だよ。
私はアリアとルシアと手を繋ぎ、これぞ両手に花です! 男が例える言葉だけど、美人と可愛いだから私が女でも、両手に花よ!
応援ありがとうございます!
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