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17 背中の傷
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寝ている時に誰かに頭を撫でられた様な気がした。
それもそのはずだ、丸一日も寝ていたのだから。
ふと目を覚ますと、丁度ティンキーが帰ろうとしていた。
私の口から声が漏れ。
ティンキーを引き止めてしまった。
「ティンキー?」
「あっ!
ココネ大丈夫?」
「なんか、心配させせたみたいでごめんね。
私ね……元の世界で暴力を振るわれていたのは話したよね?」
「えぇ、聞いたわ」
「エルに言ってない事がいっぱいあるの。
一つは……これよ……」
ゆっくりと起き上がった私は服を脱ぎ、ティンキーに背中を見せた。
傷物の私はティンキーにも嫌われるんだろうなぁと思っていた。
でも違ったの。
ティンキーもお姉ちゃんと同じで、そっと傷に触れて泣いてくれた。
「汚い物を見せてごめんね。
あと、嫌わずに泣いてくれてありがとう」
「汚くないよ!
これはココネが頑張って生きた証、私は汚いなんて思わないよ」
「こんな物が体にあったらエルに嫌われちゃうね。
治癒では消えなかったの、時々痛むんだ」
「ココネの治癒魔法でも治せなかったの?
この事をエルクレイ様に伝えても良い?
ココネが嫌なら秘密にするわ」
「…………。
嫌われるのは怖いけど、いずれバレる事だし。
言っても大丈夫だよ」
「あっ、急いで戻らないとだったことをすっかり忘れてた。
もしかしたらエルクレイ様が来ちゃうかもだけど、一応待機しておいて」
「うん、分かった。
気を付けて帰ってね」
ティンキーは一瞬で見えなくなった。
あっ、早く着替えておかなきゃ、後ろにファスナーが付いてるワンピースに着替えた。
もし傷を見せてほしいと頼まれたら、ファスナーを下ろすだけだからだ。
下に降りて皆に知らせとかないと。
「あの……こ、こんばんは……」
私は恐る恐る皆の顔色を伺いながら小さな声で挨拶をした。
お姉ちゃんが真っ先に両手を広げて私を抱き締め、ある事を言ってくれた。
「ココネが傷付いたり辛いなら隣国のアリーシオンへ引っ越ししても良いんだからね?」
「お姉ちゃん……うぅぅ、ありがとう」
数分後の事だった。
食堂の真ん中に魔法陣が浮かび上がり、会いたかったエルが来訪したが顔もだが、怒りで体から威圧感が凄かった。
エルの剣吞な雰囲気で声をまともな出せない。
「いつまで拗ねているのですか?
全く、ティンキーに嫉妬するとは何事ですか!
ココネ様が怖がってしまいますよ?」
「あぁ、そうだな」
「そうでなくてもココネ様が一番お辛いんですから支えて差し上げるのが婚約者であるエルクレイ様でしょうに!
お早く話を済ませて下さい!」
「はい、すみません。
って、おい!
王である俺がなぜ説教されなければならないんだ」
「皆様の就寝の時間がなくなってしまいます!」
「……」
今日は何故か首を付けたまま会いに来てくれた。
凄く嬉しくて、私でも驚いたのだけれど。
私自ら走ってエルに抱きついていたの。
エルは機嫌が直ったのか、私に背中の事を聞いてきたのでスズラン宿にいる皆にも見える様に前に行き、ゆっくりとワンピースのファスナーを下した。
服が落ちないように持っていた手に力がこもる。
みんなの反応を聞くのも怖いからだ。
初めはみんな驚いていたが背中の酷い傷を見て、その場の空気は一変した。
傷は古くなったものから最近のものまである。
赤紫から赤黒、青紫から黒に近い紫色まであった。
それらは全て物で流血するまで殴られ、デコボコとした打撲痕だ。
背中には火傷のような傷まで無数にある。
煙草を押し付けられた痕だ。
私は小刻みに震えながら、太腿とお腹には刃物で切られた傷があることも話した。
親類は警察沙汰を避ける為に病院へは行かせてくれず、処置は自分でしたのもあり傷痕が残ってしまった。
「背中だけではないんです。
太腿とお腹には、布団叩きで殴られた傷が沢山あります」
「こんなになるまで……」
「こんな……酷い、サーシャじゃなくても私も泣きたくなるよ!」
「冒険者の俺らより酷い傷じゃねえか!!」
「なんと嘆かわしい……女性にこのようなことを」
「女の敵だわ、いいえ人間の敵よ!!」
「ココネの世界に行けるなら八つ裂きにしてやりたい!」
「なっ!
女の子は守るもんだろ!」
パパ、ママ、ドーラン、アルナン、ミミリー、ドリー、マルクありがとう。
私は泣きながらファスナーを戻そうとしたのだが、エルがいつの間にか移動していて後ろから抱きしめてくれいた。
「ココ、辛いのに背中を見せながら話してくれてありがとう。
俺はこんなことで嫌いになったりはしないから安心してほしい」
「エル、ありがとう」
みんな、こんな私を受け入れてくれて本当にありがとう。
感謝しても足りないよ。
この恩は必ず返すから。
「ココ、明日話がしたい。
とても大事な話なんだ。午前中に来るよ」
「はい、お待ちしております」
それもそのはずだ、丸一日も寝ていたのだから。
ふと目を覚ますと、丁度ティンキーが帰ろうとしていた。
私の口から声が漏れ。
ティンキーを引き止めてしまった。
「ティンキー?」
「あっ!
ココネ大丈夫?」
「なんか、心配させせたみたいでごめんね。
私ね……元の世界で暴力を振るわれていたのは話したよね?」
「えぇ、聞いたわ」
「エルに言ってない事がいっぱいあるの。
一つは……これよ……」
ゆっくりと起き上がった私は服を脱ぎ、ティンキーに背中を見せた。
傷物の私はティンキーにも嫌われるんだろうなぁと思っていた。
でも違ったの。
ティンキーもお姉ちゃんと同じで、そっと傷に触れて泣いてくれた。
「汚い物を見せてごめんね。
あと、嫌わずに泣いてくれてありがとう」
「汚くないよ!
これはココネが頑張って生きた証、私は汚いなんて思わないよ」
「こんな物が体にあったらエルに嫌われちゃうね。
治癒では消えなかったの、時々痛むんだ」
「ココネの治癒魔法でも治せなかったの?
この事をエルクレイ様に伝えても良い?
ココネが嫌なら秘密にするわ」
「…………。
嫌われるのは怖いけど、いずれバレる事だし。
言っても大丈夫だよ」
「あっ、急いで戻らないとだったことをすっかり忘れてた。
もしかしたらエルクレイ様が来ちゃうかもだけど、一応待機しておいて」
「うん、分かった。
気を付けて帰ってね」
ティンキーは一瞬で見えなくなった。
あっ、早く着替えておかなきゃ、後ろにファスナーが付いてるワンピースに着替えた。
もし傷を見せてほしいと頼まれたら、ファスナーを下ろすだけだからだ。
下に降りて皆に知らせとかないと。
「あの……こ、こんばんは……」
私は恐る恐る皆の顔色を伺いながら小さな声で挨拶をした。
お姉ちゃんが真っ先に両手を広げて私を抱き締め、ある事を言ってくれた。
「ココネが傷付いたり辛いなら隣国のアリーシオンへ引っ越ししても良いんだからね?」
「お姉ちゃん……うぅぅ、ありがとう」
数分後の事だった。
食堂の真ん中に魔法陣が浮かび上がり、会いたかったエルが来訪したが顔もだが、怒りで体から威圧感が凄かった。
エルの剣吞な雰囲気で声をまともな出せない。
「いつまで拗ねているのですか?
全く、ティンキーに嫉妬するとは何事ですか!
ココネ様が怖がってしまいますよ?」
「あぁ、そうだな」
「そうでなくてもココネ様が一番お辛いんですから支えて差し上げるのが婚約者であるエルクレイ様でしょうに!
お早く話を済ませて下さい!」
「はい、すみません。
って、おい!
王である俺がなぜ説教されなければならないんだ」
「皆様の就寝の時間がなくなってしまいます!」
「……」
今日は何故か首を付けたまま会いに来てくれた。
凄く嬉しくて、私でも驚いたのだけれど。
私自ら走ってエルに抱きついていたの。
エルは機嫌が直ったのか、私に背中の事を聞いてきたのでスズラン宿にいる皆にも見える様に前に行き、ゆっくりとワンピースのファスナーを下した。
服が落ちないように持っていた手に力がこもる。
みんなの反応を聞くのも怖いからだ。
初めはみんな驚いていたが背中の酷い傷を見て、その場の空気は一変した。
傷は古くなったものから最近のものまである。
赤紫から赤黒、青紫から黒に近い紫色まであった。
それらは全て物で流血するまで殴られ、デコボコとした打撲痕だ。
背中には火傷のような傷まで無数にある。
煙草を押し付けられた痕だ。
私は小刻みに震えながら、太腿とお腹には刃物で切られた傷があることも話した。
親類は警察沙汰を避ける為に病院へは行かせてくれず、処置は自分でしたのもあり傷痕が残ってしまった。
「背中だけではないんです。
太腿とお腹には、布団叩きで殴られた傷が沢山あります」
「こんなになるまで……」
「こんな……酷い、サーシャじゃなくても私も泣きたくなるよ!」
「冒険者の俺らより酷い傷じゃねえか!!」
「なんと嘆かわしい……女性にこのようなことを」
「女の敵だわ、いいえ人間の敵よ!!」
「ココネの世界に行けるなら八つ裂きにしてやりたい!」
「なっ!
女の子は守るもんだろ!」
パパ、ママ、ドーラン、アルナン、ミミリー、ドリー、マルクありがとう。
私は泣きながらファスナーを戻そうとしたのだが、エルがいつの間にか移動していて後ろから抱きしめてくれいた。
「ココ、辛いのに背中を見せながら話してくれてありがとう。
俺はこんなことで嫌いになったりはしないから安心してほしい」
「エル、ありがとう」
みんな、こんな私を受け入れてくれて本当にありがとう。
感謝しても足りないよ。
この恩は必ず返すから。
「ココ、明日話がしたい。
とても大事な話なんだ。午前中に来るよ」
「はい、お待ちしております」
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