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29 スチリア国の騎士団へ到着
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スオウはゆっくりと降下し王宮の広場らしい場所へ降り立った。どうやらその場所は騎士団の鍛錬場だったようだ。
獣人の騎士様たちがコチラに手を振ったりペコリと会釈をしている。凄く礼儀正しい方々だ。
「ここは騎士団の鍛錬場か?」
「設備が凄ェ!」
ドルバルとレイブンは騎士団の鍛錬場の設備に目が離せないようだ。
(そんなことより。耳、ケモ耳! それに動くシッポ!
触りたい、可愛いよぉぉぉ!!)
そんなふうに考えていると、1人の男性がコチラへと足を運び、ペコリと会釈をし挨拶をしてくれる声が心地いいトーンだった。
「お初にお目にかかります。
私はスチリア国騎士団の参謀を務めている、レンルーク・ノワールと申します。
以後お見知りおきを。
ところで、お嬢様方はローバル国からおいでになられた方々とお見受けしますが?」
私はスカートの裾をつまみ、膝をかがめ挨拶をした。
「はい、わたくしたちはローバル国から参りました。
理由は……」
ノワール公爵様は手で制して、丁寧に言葉を口にした。
「エメルロ嬢、私は騎士でございます。
私には気さくな言葉で大丈夫ですよ?」
「は、はい。ありがとうございます。
ノワール公爵さ……ま……。
い、い、い」
「い?」
ノワール公爵様は顔を少し傾け、こちらを見ていた。
そんな私はノワール公爵様に、我を忘れて見つめてしまっていた。ようは、見惚れてしまっていたのだ!
仕方ないじゃない、すっごくイケメンで……服の上からでも分かる筋肉、これは絶対に細マッチョよ!!
ドルバルは間に入り、レイブンと名乗りを上げた。
「俺は冒険者ギルドのドルバルだ。
まぁ、きっとお2人さんの邪魔を……っと、なんでもねぇ。とにかく今日からよろしく頼む」
「同じく冒険者ギルドのレイブンだ。
ルナは俺達にとって大切な妹みてぇなもんなんで、俺たち共々よろしく頼む!」
ドルバルとレイブンは深々く頭を下げた。ノワール公爵様は手をブンブンと振り。
「いえ、丁寧な挨拶をありがとうございます。
私の方こそよろしくお願いいたします」
私は気を取り直して。
「コホン、失礼いたしました。
ノワール公爵様があまりにもお美しくて……直視できませんでした!!」
ニッコリ微笑むノワール公爵様、そんなイケメンな顔で微笑まないでぇぇぇ!
「いぇいぇ、大丈夫ですよ。
よろしければ謁見の間までご案内いたしましょうか?」
微笑むノワール公爵様に、私もニッコリ微笑み。
「よろしいのですか?
お忙しいのに、ご迷惑ではないでしょうか?」
「ははは、そこは大丈夫ですよ。
ちょうど休憩に入ろうと思っていたところでしたので」
程よい肌色にプラチナブロンドに日が当たりより一層サラサラな髪を目立たせた。
(サラサラで綺麗な髪だわ)
こちらを見つめる淡い水色の瞳はまるでスカイブルーのような色合いで、その瞳の中に私が写っている。
(見惚れてしまう美しい瞳が綺麗で、ずっと見ていたい)
はぁぁぁ、眼福だわ!
「クスクス。では、お言葉に甘えさせていただきます」
「神獣様とマロン様、ドルバル様とレイブン様もこちらへどうぞ」
丁寧な対応にスオウは満足しているようだ。マロンはというと、ノワール公爵様の肩の上に乗って『ピュルル』と機嫌よく鳴いていた。
それにしても、王宮の騎士団の鍛錬場は凄く広いし設備も整ってる。そのうえ衛生面もしっかりしている。
「エメルロ嬢は騎士の鍛錬場にご興味があるのですか?」
「はい! 凄く興味があります!!
皆様方がどのような鍛錬をするのかも気になりますし、仲間同士の鍛錬姿を見るのが好きなんです!
女が何を馬鹿なこと仰ってるんだとお思いになるでしょうが、ご自分の愛用する武器で打ち合う姿はまるで話をしているように見えるのです」
スカイブルーのように綺麗な瞳が見開き、私を見つめていた。そして、口を開いたノワール公爵様は言葉を発した。
「それはエメルロ嬢の本音だと受け取っても?」
ノワール公爵様の瞳に私を写し、微笑んで「はい」と答えていた。
そこから私たちの距離が近付いてることに気付いてるのは、どうやらスオウとマロンだけのようだ。
「歩く速度は大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
(こんな小さな気遣いが出来るなんて優しすぎでしょ!)
「……(これは惚れたな、ルルナの方はまだ恋の花が咲いてない状態だが)」
「(あぁ、開花するには時間がかかるだろう。それよりよぉ、ギルマスが知ったら……面白くなりそうだなぁ)」
小声で話す2人、微かに聞こえてるんですけど!
チラリとノワール公爵様のお顔を横目で覗くと、聞こえてるのかどうか分からない。聞こえてたとしても顔に出さないのかも。
うわぁ、王宮の広くて長い廊下を歩く音が鳴り響く。スオウとマロンはいるけど、なんだかノワール公爵様と2人きりの空間を歩いてる気分になって落ち着かない。
この気持ちはなんなんだろ? って思ったのもつかの間、ドカドカドカと音を立てて歩く後ろの2人。ドルバルとレイブンもいたんだった。
「結構歩きましたが、あと少しで着きますので」
「お気遣いありがとうございます」
「俺達は毎日鍛錬で慣れていますが、エメルロ嬢は汗水流すようなことはいたしませんでしょ?」
ドルバルとレイブンは顔を見合わせて小声で話し。
(ルナは……なんというか、汗を流さなくても強ぇよな)
(あぁ、俺もそれに同感だ)
聞こえてるっつぅの!!
(いえ、私……汗を流さなくても強いですよ? とは言えない……)
話してる間に大きな扉の前に立っていた。
楽しい時ってあっという間に終わっちゃうのよね。幸せな夢を見てるのと同じだわ。
もう少しノワール公爵様とお話がしたかったなぁ。
「着いてしまいましたね。
楽しい一時とはこうゆうことをいうのですね。
もう少しお話がしたかったのですが……また今度お話してもいいでしょうか?」
(わぁ、わわゎゎあ!
お誘いきたぁぁ!)
お腹に力を込めて声を出したため、廊下に響いてしまった。
「はい! ぜひっっ!!」
うっわぁ、やってしまった。令嬢として恥ずべき行動だわ。チラリとノワール公爵様のお顔を見ると、笑顔でうなずいてくれていた。
「嬉しいお言葉をありがとうございます。
扉が閉まるまでここで見守っていますので、ご安心を」
「わたくしの方こそ、嬉しいお言葉をいただき感謝しておりますわ。
またお会いできるのを楽しみにしてます」
「デートの申し込みしてたな、ギルマス……ご愁傷さま……ぶふっ!」
「これを知らせたら、ククッ……面白ぇな!!」
おぃおぃ、2人とも笑い事じゃないから!
『うむ、2人とも良い関係になれそうだな。
ワレもいるが、2人の邪魔はしないから安心していろ。
マロンもそう思うだろ?』
『ピュピュゥ!』
私はノワール公爵様と顔を見合わせて笑ってしまった。
「くすくすくす」
「はははは」
ノワール公爵様にとびきりの笑顔を向け「またお会いしましょう」と言って手を振ると、どこからか大きな音が?
【ズッッッキュゥゥゥゥゥンッッ!!】
「っっ!!」
ここにも1人、あの笑顔に落ちた者が増えたようだ。
獣人の騎士様たちがコチラに手を振ったりペコリと会釈をしている。凄く礼儀正しい方々だ。
「ここは騎士団の鍛錬場か?」
「設備が凄ェ!」
ドルバルとレイブンは騎士団の鍛錬場の設備に目が離せないようだ。
(そんなことより。耳、ケモ耳! それに動くシッポ!
触りたい、可愛いよぉぉぉ!!)
そんなふうに考えていると、1人の男性がコチラへと足を運び、ペコリと会釈をし挨拶をしてくれる声が心地いいトーンだった。
「お初にお目にかかります。
私はスチリア国騎士団の参謀を務めている、レンルーク・ノワールと申します。
以後お見知りおきを。
ところで、お嬢様方はローバル国からおいでになられた方々とお見受けしますが?」
私はスカートの裾をつまみ、膝をかがめ挨拶をした。
「はい、わたくしたちはローバル国から参りました。
理由は……」
ノワール公爵様は手で制して、丁寧に言葉を口にした。
「エメルロ嬢、私は騎士でございます。
私には気さくな言葉で大丈夫ですよ?」
「は、はい。ありがとうございます。
ノワール公爵さ……ま……。
い、い、い」
「い?」
ノワール公爵様は顔を少し傾け、こちらを見ていた。
そんな私はノワール公爵様に、我を忘れて見つめてしまっていた。ようは、見惚れてしまっていたのだ!
仕方ないじゃない、すっごくイケメンで……服の上からでも分かる筋肉、これは絶対に細マッチョよ!!
ドルバルは間に入り、レイブンと名乗りを上げた。
「俺は冒険者ギルドのドルバルだ。
まぁ、きっとお2人さんの邪魔を……っと、なんでもねぇ。とにかく今日からよろしく頼む」
「同じく冒険者ギルドのレイブンだ。
ルナは俺達にとって大切な妹みてぇなもんなんで、俺たち共々よろしく頼む!」
ドルバルとレイブンは深々く頭を下げた。ノワール公爵様は手をブンブンと振り。
「いえ、丁寧な挨拶をありがとうございます。
私の方こそよろしくお願いいたします」
私は気を取り直して。
「コホン、失礼いたしました。
ノワール公爵様があまりにもお美しくて……直視できませんでした!!」
ニッコリ微笑むノワール公爵様、そんなイケメンな顔で微笑まないでぇぇぇ!
「いぇいぇ、大丈夫ですよ。
よろしければ謁見の間までご案内いたしましょうか?」
微笑むノワール公爵様に、私もニッコリ微笑み。
「よろしいのですか?
お忙しいのに、ご迷惑ではないでしょうか?」
「ははは、そこは大丈夫ですよ。
ちょうど休憩に入ろうと思っていたところでしたので」
程よい肌色にプラチナブロンドに日が当たりより一層サラサラな髪を目立たせた。
(サラサラで綺麗な髪だわ)
こちらを見つめる淡い水色の瞳はまるでスカイブルーのような色合いで、その瞳の中に私が写っている。
(見惚れてしまう美しい瞳が綺麗で、ずっと見ていたい)
はぁぁぁ、眼福だわ!
「クスクス。では、お言葉に甘えさせていただきます」
「神獣様とマロン様、ドルバル様とレイブン様もこちらへどうぞ」
丁寧な対応にスオウは満足しているようだ。マロンはというと、ノワール公爵様の肩の上に乗って『ピュルル』と機嫌よく鳴いていた。
それにしても、王宮の騎士団の鍛錬場は凄く広いし設備も整ってる。そのうえ衛生面もしっかりしている。
「エメルロ嬢は騎士の鍛錬場にご興味があるのですか?」
「はい! 凄く興味があります!!
皆様方がどのような鍛錬をするのかも気になりますし、仲間同士の鍛錬姿を見るのが好きなんです!
女が何を馬鹿なこと仰ってるんだとお思いになるでしょうが、ご自分の愛用する武器で打ち合う姿はまるで話をしているように見えるのです」
スカイブルーのように綺麗な瞳が見開き、私を見つめていた。そして、口を開いたノワール公爵様は言葉を発した。
「それはエメルロ嬢の本音だと受け取っても?」
ノワール公爵様の瞳に私を写し、微笑んで「はい」と答えていた。
そこから私たちの距離が近付いてることに気付いてるのは、どうやらスオウとマロンだけのようだ。
「歩く速度は大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
(こんな小さな気遣いが出来るなんて優しすぎでしょ!)
「……(これは惚れたな、ルルナの方はまだ恋の花が咲いてない状態だが)」
「(あぁ、開花するには時間がかかるだろう。それよりよぉ、ギルマスが知ったら……面白くなりそうだなぁ)」
小声で話す2人、微かに聞こえてるんですけど!
チラリとノワール公爵様のお顔を横目で覗くと、聞こえてるのかどうか分からない。聞こえてたとしても顔に出さないのかも。
うわぁ、王宮の広くて長い廊下を歩く音が鳴り響く。スオウとマロンはいるけど、なんだかノワール公爵様と2人きりの空間を歩いてる気分になって落ち着かない。
この気持ちはなんなんだろ? って思ったのもつかの間、ドカドカドカと音を立てて歩く後ろの2人。ドルバルとレイブンもいたんだった。
「結構歩きましたが、あと少しで着きますので」
「お気遣いありがとうございます」
「俺達は毎日鍛錬で慣れていますが、エメルロ嬢は汗水流すようなことはいたしませんでしょ?」
ドルバルとレイブンは顔を見合わせて小声で話し。
(ルナは……なんというか、汗を流さなくても強ぇよな)
(あぁ、俺もそれに同感だ)
聞こえてるっつぅの!!
(いえ、私……汗を流さなくても強いですよ? とは言えない……)
話してる間に大きな扉の前に立っていた。
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もう少しノワール公爵様とお話がしたかったなぁ。
「着いてしまいましたね。
楽しい一時とはこうゆうことをいうのですね。
もう少しお話がしたかったのですが……また今度お話してもいいでしょうか?」
(わぁ、わわゎゎあ!
お誘いきたぁぁ!)
お腹に力を込めて声を出したため、廊下に響いてしまった。
「はい! ぜひっっ!!」
うっわぁ、やってしまった。令嬢として恥ずべき行動だわ。チラリとノワール公爵様のお顔を見ると、笑顔でうなずいてくれていた。
「嬉しいお言葉をありがとうございます。
扉が閉まるまでここで見守っていますので、ご安心を」
「わたくしの方こそ、嬉しいお言葉をいただき感謝しておりますわ。
またお会いできるのを楽しみにしてます」
「デートの申し込みしてたな、ギルマス……ご愁傷さま……ぶふっ!」
「これを知らせたら、ククッ……面白ぇな!!」
おぃおぃ、2人とも笑い事じゃないから!
『うむ、2人とも良い関係になれそうだな。
ワレもいるが、2人の邪魔はしないから安心していろ。
マロンもそう思うだろ?』
『ピュピュゥ!』
私はノワール公爵様と顔を見合わせて笑ってしまった。
「くすくすくす」
「はははは」
ノワール公爵様にとびきりの笑顔を向け「またお会いしましょう」と言って手を振ると、どこからか大きな音が?
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