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第2章
誘拐4
しおりを挟むオークションまであと1日
ボクは一体どこの貴族さまにせりおとされるのかなんて考えてた
毎日毎日香油だトリートメントだと体から髪から顔まで丁寧に磨かれた結果
女性より女性なんじゃないかってなるくらい
服もそこそこいいものだし
でも実際オークションに出されるときどんな格好をさせられるのか前世の記憶を頼ったら実に絶望的なのはわかる
ふとドクッと大きく心臓がはねた
発作かもと身構えたのだけどまだ大丈夫みたいだ
薬の瓶だけはいつも手元にあるけど
明日......いよいよ明日オークションに出される
きっと慰みものとして......
長谷川裕二ですら経験したことがない所詮は漫画知識
ユーリは今どこにいるだろう
「ユーリ」
名前を呼んだ唇に手を当てた
トムさんでもない同居人
ボクの大事な人
ねぇユーリ早く迎えにきて
ボク............他人に触れられたくないよ
まだ馴染まないボクと俺
俺の気持ちもユーリに傾きつつあった
大事な同居人
もうすぐ残り半年......
「バカだなぁ......ボクって」
そばにいたいよ
ねぇ君のそばにいさせて
こんなぼくでも役に立てたかな
俺がいて迷惑じゃなかった?
涙が零れながら
想うのは君の事ばかり
たった半年一緒にいただけなのに
どうしてこんなにも君の事ばかり
「言えたらよかったなぁ」
薬の瓶を抱え込むようにぼくは無理やり眠りについた
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