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それは、きっと五月雨のせい
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しおりを挟むその日も、私はいつも通り、自宅から二駅程離れた、海辺の公園を訪れていた。
天気は、相変わらずの雨模様。
いくら傘を差した所で、この時期のしつこい雨を凌ぎ切る事など出来るはずもなく、服も、靴も、随分と水気を含んでしまった。
私は、タオルで出来る限り水分を拭き取りながら、公園内の小さな軒下で、雨をやり過ごす。
濡れる苦労を冒してまで、わざわざ外へ出かける必要があるのか、と疑問に思う人もいるかもしれないが、この、海辺の公園には、その苦労を買ってでるだけの、価値があるのだ。
それは、梅雨の時期にだけ咲き乱れる、色とりどりな紫陽花を拝む事が出来る、という事。
この辺りで、これ程までに鮮やかで、豊富な紫陽花を見る事が出来る場所は、残念ながら他には無い。
赤、青、紫の花々が、雨で艶やかに濡れる事で、その発色をより強くしている。
晴れた日では、この紫陽花達の魅力を、十全に引き出すことは出来ないだろう。
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