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一章
六話 採取
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私が住んでいるパップ村から南に徒歩5分。採取場『マッカランの森』が見えてくる。
「ラベルさんいいですかっ、マッカランの森には蜜のように甘いハニースライムがいるんですよ。生きたまま吸って食べると美味ですからね☆」
「え、ええ……」
生きたまま吸うなんて、なんかシラスの踊り食いを連想させるわ。
私は素材屋の婆さんから借りてきたスライム捕獲機を肩から担いでいる。
本来雇われているモズが荷物を持つべきだと思うのだけれど、モン食の話題に夢中で全く持ってくれる気配がない。
「いいですか、ラベルさん、ツルッと吸ったら噛む前にまず口の中で舐めるんですよ、最初はうにょうにょ口の中で動き回りますから。ハァハァハァ、そうすると甘さが口に広がってくるんでそこで一気にガブガブガブッてかみ砕くんです。ハァハァ、そうするとコリコリした触感と甘さが絶妙なハーモニーを奏で――」
「あ、いた!」
興奮気味にモン食について語るモズの言葉を遮る。
目の前の泉の付近に青い塊がうねうねと不規則に移動している。
「あれは普通のブルースライムですね、味はしょっぱいですが、まず手始めにはいいでしょう! さっ食べますよ!」
モズがスライムに駆け寄ってかぶりつく。
「ふわっ、しょっぱいれす」
身体の一部をかみ砕かれたスライムが泉に逃げ込もうとしている。それをモズが阻止して更に喰らいつく。
「逃がしませんよ! ガブッ、くちゃくちゃ。なかなかのお味」
こう見るとスライムがちょっと気の毒になってくるわね……。
その時、背後に気配を感じ振り向く。
ブルースライムが3匹仲良さげにうねうねしている。
その様子を平和だなーと思って眺めていると、ピピッと効果音が鳴って文字が浮かび上がる。
――ブルースライム 創薬可能。『スライムジェル』の素材となる。ジェルにする前にスライムのコアは取り出しておきましょう臭みが出ます。
スライムジェル! 創薬スキルの追加効果『モンスターの心得』が発動したのね。私はスライムジェルの文字横の?マークをタッチする。
ヘルプ――スライムジェル。スライムを鍋で煮出す事で出来上がる、青いゲル状の物質。お肌に浸透しやすく、蒸発しにくい。
なるほど、これは使えるわ。
「確保ー!」
ブルースライムを網状の捕獲機に詰めていく。
「あ、その子達はおやつですか!」
とブルースライムを食べ終わったモズに聞かれたけれど私は首を振る。
「違うわ。創薬に使う子達。さっ、他のスライムの元へいくわよ!」
))
「いました! ハニースライムです。この子が甘くって、おやつには最適で」
草の上をうねうねと這いまわる黄色いスライムにモズが飛びついて食べ始める。
私は気にせず、創薬出来るか素材鑑定で確認する。
――ハニースライム 創薬可能。蜂蜜のように甘いスライム。保湿効果がある『スライム保湿液』の素材となる。
ヘルプ――スライム保湿液。ハニースライムを鍋で煮出す事で出来上がる極上の保湿液。うるおいがないお肌に優しく浸透、お肌の内側からうるおしてくれます。
ああ、素晴らしいわハニースライム。保湿成分大事よ。
「確保ー!」
私はハニースライムもスライム捕獲機に収納していく。
「ラベルさん、あっちに、レッドスライムが! こいつが酸味があって酒が進むんですよヒヒヒ。つまみに最適なスライムですね」
そう言って、モズがレッドスライムにかぶりつく。
私はレッドスライムを凝視する。
――レッドスライム 創薬可能。体内に酸を蓄える習性がある。引き締め効果のある『スライムクリーム』の素材となる。
引き締め効果! 必須成分よ!
「確保ー!」
レッドスライムをスライム捕獲機にブチ込む。
「あ、ラベルさん! あれが本日最高の珍味、グリーンスライムです! 少し粘りけがあるんですよ、それが癖になるんですよヒヒヒ。」
鮮やかなグリーンのスライムがうねうねと、草の周りを這いまわっている。草と色が同化していて少し見ずらいけど……。
私はグリーンスライムに視線を向ける。
――グリーンスライム 創薬可能。ネバネバとしているグリーンスライム、腐っている訳ではありません。その粘着性を活かして『スライム糊』の素材となります。
ヘルプ――スライム接着液。グリーンスライムを鍋で煮出す事で出来上がるネバネバとした粘り気のある糊。何かくっつけたいものがある人にはいいかもですね。
「粘り気、超重要! 確保ー!!」
私はスライム捕獲機にグリーンスライムを放り込むと、三種の神器を手に入れたような気持ちになる。実際には四個体だけれど……。
これで私の望んでいた成分を全て手に入れる事が出来た。
あとは、実行あるのみだ。
「ラベルさんいいですかっ、マッカランの森には蜜のように甘いハニースライムがいるんですよ。生きたまま吸って食べると美味ですからね☆」
「え、ええ……」
生きたまま吸うなんて、なんかシラスの踊り食いを連想させるわ。
私は素材屋の婆さんから借りてきたスライム捕獲機を肩から担いでいる。
本来雇われているモズが荷物を持つべきだと思うのだけれど、モン食の話題に夢中で全く持ってくれる気配がない。
「いいですか、ラベルさん、ツルッと吸ったら噛む前にまず口の中で舐めるんですよ、最初はうにょうにょ口の中で動き回りますから。ハァハァハァ、そうすると甘さが口に広がってくるんでそこで一気にガブガブガブッてかみ砕くんです。ハァハァ、そうするとコリコリした触感と甘さが絶妙なハーモニーを奏で――」
「あ、いた!」
興奮気味にモン食について語るモズの言葉を遮る。
目の前の泉の付近に青い塊がうねうねと不規則に移動している。
「あれは普通のブルースライムですね、味はしょっぱいですが、まず手始めにはいいでしょう! さっ食べますよ!」
モズがスライムに駆け寄ってかぶりつく。
「ふわっ、しょっぱいれす」
身体の一部をかみ砕かれたスライムが泉に逃げ込もうとしている。それをモズが阻止して更に喰らいつく。
「逃がしませんよ! ガブッ、くちゃくちゃ。なかなかのお味」
こう見るとスライムがちょっと気の毒になってくるわね……。
その時、背後に気配を感じ振り向く。
ブルースライムが3匹仲良さげにうねうねしている。
その様子を平和だなーと思って眺めていると、ピピッと効果音が鳴って文字が浮かび上がる。
――ブルースライム 創薬可能。『スライムジェル』の素材となる。ジェルにする前にスライムのコアは取り出しておきましょう臭みが出ます。
スライムジェル! 創薬スキルの追加効果『モンスターの心得』が発動したのね。私はスライムジェルの文字横の?マークをタッチする。
ヘルプ――スライムジェル。スライムを鍋で煮出す事で出来上がる、青いゲル状の物質。お肌に浸透しやすく、蒸発しにくい。
なるほど、これは使えるわ。
「確保ー!」
ブルースライムを網状の捕獲機に詰めていく。
「あ、その子達はおやつですか!」
とブルースライムを食べ終わったモズに聞かれたけれど私は首を振る。
「違うわ。創薬に使う子達。さっ、他のスライムの元へいくわよ!」
))
「いました! ハニースライムです。この子が甘くって、おやつには最適で」
草の上をうねうねと這いまわる黄色いスライムにモズが飛びついて食べ始める。
私は気にせず、創薬出来るか素材鑑定で確認する。
――ハニースライム 創薬可能。蜂蜜のように甘いスライム。保湿効果がある『スライム保湿液』の素材となる。
ヘルプ――スライム保湿液。ハニースライムを鍋で煮出す事で出来上がる極上の保湿液。うるおいがないお肌に優しく浸透、お肌の内側からうるおしてくれます。
ああ、素晴らしいわハニースライム。保湿成分大事よ。
「確保ー!」
私はハニースライムもスライム捕獲機に収納していく。
「ラベルさん、あっちに、レッドスライムが! こいつが酸味があって酒が進むんですよヒヒヒ。つまみに最適なスライムですね」
そう言って、モズがレッドスライムにかぶりつく。
私はレッドスライムを凝視する。
――レッドスライム 創薬可能。体内に酸を蓄える習性がある。引き締め効果のある『スライムクリーム』の素材となる。
引き締め効果! 必須成分よ!
「確保ー!」
レッドスライムをスライム捕獲機にブチ込む。
「あ、ラベルさん! あれが本日最高の珍味、グリーンスライムです! 少し粘りけがあるんですよ、それが癖になるんですよヒヒヒ。」
鮮やかなグリーンのスライムがうねうねと、草の周りを這いまわっている。草と色が同化していて少し見ずらいけど……。
私はグリーンスライムに視線を向ける。
――グリーンスライム 創薬可能。ネバネバとしているグリーンスライム、腐っている訳ではありません。その粘着性を活かして『スライム糊』の素材となります。
ヘルプ――スライム接着液。グリーンスライムを鍋で煮出す事で出来上がるネバネバとした粘り気のある糊。何かくっつけたいものがある人にはいいかもですね。
「粘り気、超重要! 確保ー!!」
私はスライム捕獲機にグリーンスライムを放り込むと、三種の神器を手に入れたような気持ちになる。実際には四個体だけれど……。
これで私の望んでいた成分を全て手に入れる事が出来た。
あとは、実行あるのみだ。
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