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第1章
ストーカー、懐かれる。
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「なんで、ヴィオラさんがいるんですか…」
あからさまに嫌そうなヒロインちゃん。なんでだろうってその言葉、そのまま綺麗に折り畳んで封筒に入れて切手貼って返したいよね。郵便屋さんよろしく。
「なんでって、俺が招待したんだ!」
しかもカイル、このギスギスした雰囲気を全く読もうとしない!そんな嬉しそうにしないで!
「あの、私、遠慮した方が?」
というか、頼むからなんの気兼ねもなく美味しく昼ごはんを食べさせてほしい。お腹空いたし。
「いや!俺がお礼をしたいと思ってるのは、ヴ、ヴィオラだから!」
あ~!この人、愛すべき馬鹿属性だった~!空気を読むなんて繊細なこと出来ないね!ごめん!
「カイル君を助けたのは私だよ?ヴィオラさん、嘘ついてるんじゃない?」
そして、こいつ!もうヒロインちゃんなんて呼ばん。アンナ・ダリル!なんで、そんなに敵対心を持つかな。失礼っていう概念知ってる!?
「だって言いたくないけどヴィオラさんは、意地悪なんだよ?」
言いたくないなら言うなよ!てか、どの判断基準?私なんかした?でも、この際別々で食べれたらいいか。私にもカイルを助けた記憶なんてないし。勘違いか?
「なっ!そんなはずはない!」
どうしてお前が言い返す!?私のこと言われて、なんでカイル怒ってんの?
彼は胸元から、リボンを取り出して掲げた。
「模擬訓練で血だらけになりながらも助けてくれたのはこのリボンの持ち主であるヴィオラだ!」
模擬訓練って、あの怪我人カイルだったの!?あの時は必死だったから全然覚えてなかった。そうすると私が治療というか、応急処置を行ったのは間違いない。リボンも間違いなく私のものだ。というのも、女子は制服のリボンに、男子はネクタイに、各々の家紋を刺繍してあるので、リボンの刺繍を見れば一目瞭然という訳だ。
「でもっ!治癒魔法を使ったのは私で、ヴィオラさんはなんの役にも立ってないでしょう!?」
なんでそんなに必死なんだよ、アンナ・ダリル。私はその熱意がこわいよ!止血ぐらいしかできなくて、役に立たなくてどうもすいませんでしたよ!
「もういい!アンナ、お前は来るな。」
えぇー、今日はやめにしといたらいいんじゃないかな。それが得策だよ?うん、そうしようよー。
怒ってしまったカイルは、何故かアンナをおいて私を引っ張る。その場に残ってもカオスだし、私もあまり抵抗しなかったけど、私の意見は!?
あぁ、もうツッコミがおいつかない!
「さっきは悪かったな。あいつがあんなこと言うなんて思わなかった。」
連れられるがまま、テラスに座る。カイルは申し訳なさそうにしょんぼりしている。こっちが悪いみたいな気分だ。
「別に気にしていませんわ。」
カイルは良かったぁと顔にでる。わかりやすいのはいいことだな。彼は先程のリボンを取り出した。
「これを、返そうと思って。ヴィオラが助けてくれていなかったら、俺は危なかったと聞いた。感謝している。俺にできることがあればお礼になんでもしよう!」
わざわざ返してくれるのか捨ててもらって良かったのに、ありがとう。そういえば、カイルの苗字聞いてないな。あまりにドタバタとしているから聞くのを忘れていた。お礼なんて、場合によっちゃ貰えない。
「大丈夫そうで良かったですわ。それに私が勝手にしたことですし、お礼なんて結構ですわ。」
やんわりと遠慮すると、カイルは立ち上がって私の手を取った。
「なんて慎ましいんだ!でも、俺が言えばだいたいのことはどうにかなるぞ、ほら何が欲しい?なんでも贈ろう。いや、贈らせてほしい!」
とりあえずこの距離なのに声がでかい!いい声だから許してるけどな!ここまで傲慢になれるのは本当に財があるか、馬鹿なだけか。まぁ、欲しいものなんてないんだけど。
「でしたら、カイル様の苗字をお聞きしても?」
聞いときたいよね。もし、自分より上の立場なら無礼働いちゃだめだし。
「そんなものでいいのか?俺の苗字はメルカッツだ。この国は苗字なんぞがそんなに大事なんだな。」
メルカッツ…王国ってあったよなー。隣の国だったなー。あれ?もしかしてこの人王族とかいう、そうゆうパターン?
「俺はメルカッツ王国の第2王子だぞ。あ!だからと言って、様などつけるなよ、寂しいだろ…」
うわぁ。やっぱり!第2王子!王族!
この人顔に全部でちゃうけどそんなんで王族って大丈夫なの?
今もめちゃくちゃ子犬感出ちゃってるけど、私にすっごい懐いちゃってるけど、どうしたらいいの!?
その後は無心で彼の話を聞きながら昼食を取り続け、お開きとなった。が、もう友達スタンスになってるカイルは頻繁に話に来るようになった。解せぬ。
あからさまに嫌そうなヒロインちゃん。なんでだろうってその言葉、そのまま綺麗に折り畳んで封筒に入れて切手貼って返したいよね。郵便屋さんよろしく。
「なんでって、俺が招待したんだ!」
しかもカイル、このギスギスした雰囲気を全く読もうとしない!そんな嬉しそうにしないで!
「あの、私、遠慮した方が?」
というか、頼むからなんの気兼ねもなく美味しく昼ごはんを食べさせてほしい。お腹空いたし。
「いや!俺がお礼をしたいと思ってるのは、ヴ、ヴィオラだから!」
あ~!この人、愛すべき馬鹿属性だった~!空気を読むなんて繊細なこと出来ないね!ごめん!
「カイル君を助けたのは私だよ?ヴィオラさん、嘘ついてるんじゃない?」
そして、こいつ!もうヒロインちゃんなんて呼ばん。アンナ・ダリル!なんで、そんなに敵対心を持つかな。失礼っていう概念知ってる!?
「だって言いたくないけどヴィオラさんは、意地悪なんだよ?」
言いたくないなら言うなよ!てか、どの判断基準?私なんかした?でも、この際別々で食べれたらいいか。私にもカイルを助けた記憶なんてないし。勘違いか?
「なっ!そんなはずはない!」
どうしてお前が言い返す!?私のこと言われて、なんでカイル怒ってんの?
彼は胸元から、リボンを取り出して掲げた。
「模擬訓練で血だらけになりながらも助けてくれたのはこのリボンの持ち主であるヴィオラだ!」
模擬訓練って、あの怪我人カイルだったの!?あの時は必死だったから全然覚えてなかった。そうすると私が治療というか、応急処置を行ったのは間違いない。リボンも間違いなく私のものだ。というのも、女子は制服のリボンに、男子はネクタイに、各々の家紋を刺繍してあるので、リボンの刺繍を見れば一目瞭然という訳だ。
「でもっ!治癒魔法を使ったのは私で、ヴィオラさんはなんの役にも立ってないでしょう!?」
なんでそんなに必死なんだよ、アンナ・ダリル。私はその熱意がこわいよ!止血ぐらいしかできなくて、役に立たなくてどうもすいませんでしたよ!
「もういい!アンナ、お前は来るな。」
えぇー、今日はやめにしといたらいいんじゃないかな。それが得策だよ?うん、そうしようよー。
怒ってしまったカイルは、何故かアンナをおいて私を引っ張る。その場に残ってもカオスだし、私もあまり抵抗しなかったけど、私の意見は!?
あぁ、もうツッコミがおいつかない!
「さっきは悪かったな。あいつがあんなこと言うなんて思わなかった。」
連れられるがまま、テラスに座る。カイルは申し訳なさそうにしょんぼりしている。こっちが悪いみたいな気分だ。
「別に気にしていませんわ。」
カイルは良かったぁと顔にでる。わかりやすいのはいいことだな。彼は先程のリボンを取り出した。
「これを、返そうと思って。ヴィオラが助けてくれていなかったら、俺は危なかったと聞いた。感謝している。俺にできることがあればお礼になんでもしよう!」
わざわざ返してくれるのか捨ててもらって良かったのに、ありがとう。そういえば、カイルの苗字聞いてないな。あまりにドタバタとしているから聞くのを忘れていた。お礼なんて、場合によっちゃ貰えない。
「大丈夫そうで良かったですわ。それに私が勝手にしたことですし、お礼なんて結構ですわ。」
やんわりと遠慮すると、カイルは立ち上がって私の手を取った。
「なんて慎ましいんだ!でも、俺が言えばだいたいのことはどうにかなるぞ、ほら何が欲しい?なんでも贈ろう。いや、贈らせてほしい!」
とりあえずこの距離なのに声がでかい!いい声だから許してるけどな!ここまで傲慢になれるのは本当に財があるか、馬鹿なだけか。まぁ、欲しいものなんてないんだけど。
「でしたら、カイル様の苗字をお聞きしても?」
聞いときたいよね。もし、自分より上の立場なら無礼働いちゃだめだし。
「そんなものでいいのか?俺の苗字はメルカッツだ。この国は苗字なんぞがそんなに大事なんだな。」
メルカッツ…王国ってあったよなー。隣の国だったなー。あれ?もしかしてこの人王族とかいう、そうゆうパターン?
「俺はメルカッツ王国の第2王子だぞ。あ!だからと言って、様などつけるなよ、寂しいだろ…」
うわぁ。やっぱり!第2王子!王族!
この人顔に全部でちゃうけどそんなんで王族って大丈夫なの?
今もめちゃくちゃ子犬感出ちゃってるけど、私にすっごい懐いちゃってるけど、どうしたらいいの!?
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