感情喪失少女

紗霧 鈴

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君と僕の再会

幼き頃の思い出

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~幼稚園の時~
「おはよぉーっ!」
元気な菓子餅夢李(かしもちゆい)の挨拶に皆はおはよっと言葉を返す。
「ねぇ~夢李~?早く外に遊びに行こぉよぉー!」
「うんっ!荷物置いてくるから待ってて~!」
騒がしい女子達の話を聞き流しながら僕近くの席で絵を書いていた。
「……うるさいな。」
「ん~?迷惑だった~?ごめ~ん。」
夢李はそう言うと僕、悠崎飴彩(ゆうざきいさい)にニコニコと笑いかけた。
「…別に?」
「そっか~?ん?わぁ!絵上手だね!将来はイラストレーターにでもなるの??」
「…それ、本気で言ってんの?」
「うん!天変地異ぐらい高い確率でなると思ってる!!」
「……天変地異って天と地がひっくり返るぐらい有り得ない確率って意味だぞ?」
「えっ?知らなかったわぁ~。」
「勉強しろよ」
「そうだねぇー。」
彼女はそう言うとはぁ。と息を吐いてさぁてと!と声を上げた。
「みんなぁ!?待たせてごめんねぇ!待たせたお詫びに夢李が鬼してあげるー♪」
「えぇ!?ちょっ、待って、夢李は反則ぅ!!」
逃げ回る女子達をあっという間に捕まえてく彼女に少し苦笑を零した。
「全くさ…変わんねぇーな。本当に…」
僕はそう思いながら再び、絵を書き出すのだった。
~卒園式~
僕と彼女は違う小学校になった。
なぜなら、彼女がお受験をしたからだ。
生まれた時から運動神経も良く頭のいい彼女がお受験したところで余裕綽々だったらしく、無事合格との事らしい。
「飴彩くんっ!夢李合格だったよ!」
「へぇー。凄いじゃん」
「えへへぇ~でしょ?」
「うん。偉い偉い」
そんな風な会話をしながら笑い合っていたその時。
??「夢李。さっさと乗りなさい。帰ってお勉強するわよ」
僕らの幸せを邪魔するように1人の女の人が現れた。
恐らく夢李の母親という事だろう。
「……はい…お母様…」
いつになく夢李の元気さが吹き飛んだ。
「んじゃあ!行くから!また会おうね!」
「あぁ、またな。」
「…………じゃあね。」
「??またな??」
そう言って彼女は去って行った。
……気のせいなのかもしれない。
彼女の顔が哀しそうだったのも。
彼女の綺麗な目が濁って見えたのも。
ホントに単なる僕の勘違いかもしれないがどうしても、聞けなかった。
「なんでそんな哀しそうな顔するの?」なんて…

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