感情喪失少女

紗霧 鈴

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君と僕の再会

高校生になった君と僕

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「ふわぁぁ。」
僕は欠伸を何度も繰り返しながら学校への道を辿っていた。
高校生になったけれど大して変わらない生活に段々緊張が消えて無くなっていた。
「おはよー。飴彩ー。」
「おうっ。」
僕は相槌を返して親友の神童零(しんどうれい)の席の後ろに座る。
言っておくがこいつは神童でも何でもない。
一般人以下の馬鹿である。
たまに、「あれっ?割り算ってなんだっけ?」と言い出すくらいの馬鹿度である。
そんな彼とぶつぶつ会話をしていると一人の少女が入ってくる。
ヘッドホンを耳にし、手には本を持っている。
髪の色は紫色であり、髪を二つに結っているようなそんな少女。
そう。コレが、本当の神童である。
幼稚園の頃に出会った、夢李だ。
昔の彼女の明るいイメージとはかけ離れた冷酷なイメージが漂っている。
「やっぱ、なーんか気味悪いよな」
「……そうか?」
彼の言葉に僕はそう疑問系で返す。
彼女は感情を無くしているのだ。
それはどうにもならない事で仕方ない事なのだ。
「あっれっ??夢李ちゃーん?机にごみがのってるよぉー」
そんな僕の思考を断ち切るように一人の少女が夢李に話しかける。
「もう、しょうがないから夢李ちゃん机の中をゴミ箱にしよっか?ねぇ?w」
「……」
「…なんか言えよ。言えっつってんだよ!!」
「……」
ドンッ!
大きな音がしたのは夢李が思い切り押し倒された音だった。
「ねぇ?ウチらに勝てると思ってんの?」
「……うるさいんだけど。」
「あっ?なんだよっ!」
「うるさいなぁ、ぎゃあぎゃあしか言えないの?貴方は猿なの?」
「なっ!?さ、猿なんて!!」
「どうしたのお猿さん。バナナでも欲しいの?」
「うっ……くっ!あんた許さないからっ!」
「はいはい、さいなら。」
そんな感じで彼女は適当に話を終わらすと
ささっと、ゴミ箱を持ってきてゴミを放り込む。最後に雑巾でしっかり拭くと椅子に座って、ヘッドホンを付けて本を読み始める。
そんな様子を僕が見ていると、
「なぁ?菓子餅って冷静だし冷たいし、まさに冷酷な感じだよな。」
「そんな事ねーよ。あいつあれでも本当は優しいんだから。」
「へぇー。そういや、飴彩って、幼稚園から一緒なんだよな。」
「いや、小中学校は違うぞ。」
「じゃあ、そうは言い切れねーんじゃね?」
「……中学生の時に1回会ったんだよ。」
「えっ……?」
「ちょっと話聞いてもらおうか」
「え、あぁまぁ、良いけど。」
僕は中学生の時1度だけ会った彼女の話を始めた……。
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