感情喪失少女

紗霧 鈴

文字の大きさ
8 / 17
彼女の未来が消えてく。

僕に出来る事は何も無い。

しおりを挟む
「あっ……いった……ううっ………すぅ……すぅ……んぅ…」
……寝たのだろうか?
彼女はさっきまで起きていたが、突然物凄い頭痛に襲われたようで眠ってしまった。
何故彼女がこんな事になっているかと言うと、彼女はいじめっ子の女子に階段から突き落とされたのだ。
血も流れていたし、大丈夫かなとは思っていた。
医者が言うには「命に別状は無い」んだとか…
ただ一つ言われていた事がある。それは…
“脳に障害があるかもしれない”との事。
恐らく、彼女は記憶障害に陥っている。
つまりだ。僕に出来る事は何も無いのだ。
だって、彼女は感情を喪失している上に記憶喪失に陥っているのだ。
もはやどうすることも出来ないだろう。
だけど、僕はある公園の存在を思い出した。
あそこへ行けば彼女…夢李も何か思い出してくれるかもしれない。
ただ、外出許可が出ない今どうする事も出来ないでいた。
……どうすればいいのだろう。
この方法以外彼女にしてあげられる事が思いつかないのだ。
彼女を解放してあげられる手段が今は無いのだ。
今もこうやって苦しみ続けている夢李を救ってやれないのだ…。
僕はゆっくりと目を瞑って考えをまとめる。
僕は夢李を公園に連れて行きたい。
でも、それには外出許可が必要。
外出許可が降りる可能性はほぼ0に等しいだろう。
つまり、この状況では何も出来ませんってことだぁね。
うん。まとめた事をこれ程後悔したのは今日で初めてだな。
そんな嬉しくもない初めては道路に投げ捨てて歩き出す。
「……さて、これから僕に出来る事……」
考えた結果まだ答えは出ないけど。
今すぐ答えが出なくても良いと僕は思う。
だって、答えと言うのは
“自問自答を続けて試行錯誤した上で導き出すものだから”
僕はそんな少しかっこつけたような言葉で全てを丸め込んだ。
こんなの一時の逃げにしか過ぎないのに。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...