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想定外
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「…そのような事が…」
話を聞いたローゼさんは、少しの間考えてから、視線を上げる。
「おかしいですね…。本来ならば案内役は転移者に付き添い、ゲームの進行を助け続けるはずなのです。案内役が導くべき転移者を置いて姿を消すなど有ってはならない事です。不測の事態であったとはいえ…いいえ、不測の事態であるなら尚更です」
あれ、ただの映像じゃなかったのか…。
時々会話が成立していたりして、変だな、とは思っていたけれど…。
やたら3秒、3秒って煩くて…。さっさと終わらせて行きたい所でもあったのか…?
…にしても、職務放棄良くないっ。
あの時、ひとりで置き去りにされて、スライムに襲われたりして、すっげー怖かったっつーのっ。
「因みに、わたくしの時の案内役は、シグニドだったのです」
ええっ?!
おれの案内役とえらい違いだなっ?!
「案内役が人間な場合もあるんですね…」
職務放棄のせっかち妖精と比べて落ち着いた雰囲気のシグニドさんなら、色々丁寧に教えてくれたに違いない。
「私は人間ではなく精霊です。光栄にも女神より案内役を拝命し、人の姿を纏うこととなりました」
見た目を裏切らない柔らかな落ち着いた声でシグニド さんが答えてくれる。
んんっ? 人間じゃない? 精霊って?
話を聞くと、精霊は本来は姿形を持たない自然の中に溶け込んでいる霊力のようなものであるらしい。
少し驚きはするものの、なんだかもう、異世界の魔法やら魔物やらの、不思議な存在に慣れてきたせいで、「なるほどー、人間でも妖精でもなく精霊なのか~」とか普通に受け入れてしまっている自分が怖い。
シグニド さんは、女神に案内役を任されていて…。
代理補佐とはいえ、おれにも女神関係者の加護があるくらいだから、やっぱり『どきサバ』は女神公認の乙女ゲームってことなんだろう。
どうしてそんな物を作ったりしたのか理由は全く理解できないけれども。
「ローゼさんも転移者ってことだよな? 前作の『どきサバ』で転移してきたってこと?」
「かつて転移者だった…と、言った方が正確でしょうが、『どきサバ』を媒体として転移してきた経験があることは間違いありません」
かつて?
「…今は違う…?」
はい、と頷いて、衝撃の発言を口にした。
「わたくしは、一度死んで、この世界に生まれ変わったのです。故に今は転移者ではありません」
はっ? 死んだ?!
「そっ…それって、やっぱ、クエストに失敗したから?! 期限までに間に合わなかったってこと?!」
ぶわっと不安が湧き上がってきて、心臓がドッドッと激しく脈打つ。
ギュッと手を握られて、隣を見ると、ファリが真剣な眼差しを向けていた。
ゴクッと唾を飲み込み、大きく息をひとつ吸い込んでから、握られた手の向きを変えて、おれからもギュッと手を握り返す。
「…期限…ですか?」
ローゼさんにクエストの期限についての説明を求められ、不安な気持ちを押さえ込みつつ説明すると、ローゼさんはまた何かを考えた後、口を開く。
「わたくしの時は、クエストにクリア期限などありませんでした。クエストは、レベルを上げる為のアドバイス的な役割のものでしたので、必ずクリアしなければならない物でもなく、クリア出来なければ死、などという取り返しのつかない罰則も科せられてはおりませんでした」
はっ?!
「2作目になって仕様が変わったってこと?」
「ということになるのでしょうか…。そもそも、仕様変更以前に、2作目のゲームが存在すること自体が疑問なのです」
ど…どういうことだ?
「何故なら…『ハーレム学園 どきどき♡サバイバル 』通称『どきサバ』は、この世界の女神が作製した乙女ゲームなのですが…」
うんうん、薄々そうかもな、とは思っていたよ。
「その製作者である女神が、もうこの世界に存在していないからです」
………へっ? 女神が居ない?
はぁぁああ?!
いやいや、女神関係者の加護とか付いてんじゃん!
なのに当の女神が居ねーってどーゆーこと?
「ちよっ、意味わかんないんだけどっ?!」
「そうですね。分かりません。なので、女神不在の今、誰が何の目的で乙女ゲームを使い、異世界人を転移させたのかを調査していたのですが、有益な情報は得られておりません。そこで、『聖女候補』を保護し、情報の御提供と、あわよくば、この世界の救済の為に御助力頂ければと思い、弟達をレニンの森へ向かわせたのですが…」
ギルオレさん達は誘拐されるし、転移していたのは巻き込まれたおれだし、案内役は居ないし、ゲームの仕様は変わっているし…のイレギュラーだらけだったってことか。
ん? 『聖女候補』?
それに、どうして誰かが異世界から転移して来たって分かったんだろう?
「おれの称号、『聖女候補』じゃなくて『聖女』なんだけど……あと…誰かが異世界からレニンの森に転移してきているってどうして分かったんですか?」
「わたくしが転移してきた時は、何人かの『聖女候補』の中から『聖女』をひとり選ぶこともゲームの目的のひとつでしたので、転移したての時は皆『聖女候補』だったのです。円谷くんの称号が『聖女』だと分かったのは、鑑定後のことです」
鑑定後ってことは、ついさっきだな…
「チュートリアルでも言ってたし、ブックレットにも『聖女』ってはっきり書いてあるってことは、これも仕様変更のひとつってことなのかな…?」
アイテムボックスからブックレットを取り出して該当ページを開いてローゼさんに渡す。
ローゼさんは、該当ページを読んでから感想を述べる。
「確かに『聖女』と明記されていますね。案内役が『歴戦の乙女だけが来られる』と言っていたと伺いましたが、そのことからも、過去にこちらに来たことがあり、『聖女』としての資格を有している人物を呼ぼうとしている意図が見えます」
もう一度視線をブックレットに戻して他のページもパラパラとめくっていく。
「記載の文章が所々変わってはおりますが…登場人物を挿げ替えて少々手を加えただけの物に見えます。ストーリーの大筋も同じ。商品として考えるなら、これを2作目として販売するなど到底考えられません。…こちら、後ほど精査する機会をいただきたいです」
ブックレットを閉じ、一旦おれに返却したローゼさんが次の疑問にも答えてくれる。
「転移者の存在を知っていた件についてですが、わたくしと弟のステータスに『悪役令嬢』および『攻略対象』の称号が唐突に増えたことによる事実と、レニンの森の状態好転の情報を精霊から受けたことによる推測です」
「レニンの森の状態好転?」
「それについてご理解いただく為に、まずはレニンの森がこの世界にとってどのような役割を果たしているかを説明いたします」
話を聞いたローゼさんは、少しの間考えてから、視線を上げる。
「おかしいですね…。本来ならば案内役は転移者に付き添い、ゲームの進行を助け続けるはずなのです。案内役が導くべき転移者を置いて姿を消すなど有ってはならない事です。不測の事態であったとはいえ…いいえ、不測の事態であるなら尚更です」
あれ、ただの映像じゃなかったのか…。
時々会話が成立していたりして、変だな、とは思っていたけれど…。
やたら3秒、3秒って煩くて…。さっさと終わらせて行きたい所でもあったのか…?
…にしても、職務放棄良くないっ。
あの時、ひとりで置き去りにされて、スライムに襲われたりして、すっげー怖かったっつーのっ。
「因みに、わたくしの時の案内役は、シグニドだったのです」
ええっ?!
おれの案内役とえらい違いだなっ?!
「案内役が人間な場合もあるんですね…」
職務放棄のせっかち妖精と比べて落ち着いた雰囲気のシグニドさんなら、色々丁寧に教えてくれたに違いない。
「私は人間ではなく精霊です。光栄にも女神より案内役を拝命し、人の姿を纏うこととなりました」
見た目を裏切らない柔らかな落ち着いた声でシグニド さんが答えてくれる。
んんっ? 人間じゃない? 精霊って?
話を聞くと、精霊は本来は姿形を持たない自然の中に溶け込んでいる霊力のようなものであるらしい。
少し驚きはするものの、なんだかもう、異世界の魔法やら魔物やらの、不思議な存在に慣れてきたせいで、「なるほどー、人間でも妖精でもなく精霊なのか~」とか普通に受け入れてしまっている自分が怖い。
シグニド さんは、女神に案内役を任されていて…。
代理補佐とはいえ、おれにも女神関係者の加護があるくらいだから、やっぱり『どきサバ』は女神公認の乙女ゲームってことなんだろう。
どうしてそんな物を作ったりしたのか理由は全く理解できないけれども。
「ローゼさんも転移者ってことだよな? 前作の『どきサバ』で転移してきたってこと?」
「かつて転移者だった…と、言った方が正確でしょうが、『どきサバ』を媒体として転移してきた経験があることは間違いありません」
かつて?
「…今は違う…?」
はい、と頷いて、衝撃の発言を口にした。
「わたくしは、一度死んで、この世界に生まれ変わったのです。故に今は転移者ではありません」
はっ? 死んだ?!
「そっ…それって、やっぱ、クエストに失敗したから?! 期限までに間に合わなかったってこと?!」
ぶわっと不安が湧き上がってきて、心臓がドッドッと激しく脈打つ。
ギュッと手を握られて、隣を見ると、ファリが真剣な眼差しを向けていた。
ゴクッと唾を飲み込み、大きく息をひとつ吸い込んでから、握られた手の向きを変えて、おれからもギュッと手を握り返す。
「…期限…ですか?」
ローゼさんにクエストの期限についての説明を求められ、不安な気持ちを押さえ込みつつ説明すると、ローゼさんはまた何かを考えた後、口を開く。
「わたくしの時は、クエストにクリア期限などありませんでした。クエストは、レベルを上げる為のアドバイス的な役割のものでしたので、必ずクリアしなければならない物でもなく、クリア出来なければ死、などという取り返しのつかない罰則も科せられてはおりませんでした」
はっ?!
「2作目になって仕様が変わったってこと?」
「ということになるのでしょうか…。そもそも、仕様変更以前に、2作目のゲームが存在すること自体が疑問なのです」
ど…どういうことだ?
「何故なら…『ハーレム学園 どきどき♡サバイバル 』通称『どきサバ』は、この世界の女神が作製した乙女ゲームなのですが…」
うんうん、薄々そうかもな、とは思っていたよ。
「その製作者である女神が、もうこの世界に存在していないからです」
………へっ? 女神が居ない?
はぁぁああ?!
いやいや、女神関係者の加護とか付いてんじゃん!
なのに当の女神が居ねーってどーゆーこと?
「ちよっ、意味わかんないんだけどっ?!」
「そうですね。分かりません。なので、女神不在の今、誰が何の目的で乙女ゲームを使い、異世界人を転移させたのかを調査していたのですが、有益な情報は得られておりません。そこで、『聖女候補』を保護し、情報の御提供と、あわよくば、この世界の救済の為に御助力頂ければと思い、弟達をレニンの森へ向かわせたのですが…」
ギルオレさん達は誘拐されるし、転移していたのは巻き込まれたおれだし、案内役は居ないし、ゲームの仕様は変わっているし…のイレギュラーだらけだったってことか。
ん? 『聖女候補』?
それに、どうして誰かが異世界から転移して来たって分かったんだろう?
「おれの称号、『聖女候補』じゃなくて『聖女』なんだけど……あと…誰かが異世界からレニンの森に転移してきているってどうして分かったんですか?」
「わたくしが転移してきた時は、何人かの『聖女候補』の中から『聖女』をひとり選ぶこともゲームの目的のひとつでしたので、転移したての時は皆『聖女候補』だったのです。円谷くんの称号が『聖女』だと分かったのは、鑑定後のことです」
鑑定後ってことは、ついさっきだな…
「チュートリアルでも言ってたし、ブックレットにも『聖女』ってはっきり書いてあるってことは、これも仕様変更のひとつってことなのかな…?」
アイテムボックスからブックレットを取り出して該当ページを開いてローゼさんに渡す。
ローゼさんは、該当ページを読んでから感想を述べる。
「確かに『聖女』と明記されていますね。案内役が『歴戦の乙女だけが来られる』と言っていたと伺いましたが、そのことからも、過去にこちらに来たことがあり、『聖女』としての資格を有している人物を呼ぼうとしている意図が見えます」
もう一度視線をブックレットに戻して他のページもパラパラとめくっていく。
「記載の文章が所々変わってはおりますが…登場人物を挿げ替えて少々手を加えただけの物に見えます。ストーリーの大筋も同じ。商品として考えるなら、これを2作目として販売するなど到底考えられません。…こちら、後ほど精査する機会をいただきたいです」
ブックレットを閉じ、一旦おれに返却したローゼさんが次の疑問にも答えてくれる。
「転移者の存在を知っていた件についてですが、わたくしと弟のステータスに『悪役令嬢』および『攻略対象』の称号が唐突に増えたことによる事実と、レニンの森の状態好転の情報を精霊から受けたことによる推測です」
「レニンの森の状態好転?」
「それについてご理解いただく為に、まずはレニンの森がこの世界にとってどのような役割を果たしているかを説明いたします」
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