【完結】マーガレット・アン・バルクレーの涙

高城蓉理

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神は僕を取り巻く環境を複雑にした

神は僕を取り巻く環境を複雑にした

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神は僕を取り巻く環境を複雑にした。
僕は、そう思った。 





僕にとって彼女の存在は、原動力であり弱点だ。
彼女のためなら多少の犠牲を払ってでも、物事を成し遂げたくなるし、自分が形振り構わなくなることも自覚はしている。

でも、僕は手段を選ばないことを是としない。
それでは意味がないからだ。
何かの犠牲の上に彼女に施しをしたところで、それは受け入れてはもらえない。そんなことをされても、嬉しくはない。僕が彼女の立場ならそう思う。わかりきったことだ。

その人のためになりたい。その人の力になりたい。
この気持ちは、人間の脳が構成する感情の中でも極めて単純で、決して難しいことではない。
それなのに何故、誠意を行動で示そうとすると、話が複雑怪奇になるのだろう。
僕は僕の周りに取り巻くものを、大切にしたいだけだ。それなのに、何故一つを選んで他を排除することが、この世界では正当化されてしまうのか。
僕はその社会の定石を、認めたくはない。

何故、人は自分の一番を見つけたときに、他の大切を簡単に手放してしまうのか。
それを仕方ないと、許してしまうのか。
一番を守るためには、他はどうなってもいいと考えてしまうのか。

好きの対局は、嫌い、どうでもいい、自分には関係ない……
果たして、本当にそうなのだろうか。
それは貞節という意味を、都合良く解釈しているだけであって、本当に世界にはその選択肢しかないのだろうか?

僕はまだ十年とちょっとしか人間ではないから、若造の癖にとか、経験不足だからとか言われたらそれまでではある。けれども、どうしても理解が出来ないのだ。

僕は彼女のことが好きだ。
でも、僕を取り巻く人のことも同じくらいに好きだから、大切にしたい。

だから僕がこれから直面する目下のピンチは、自業自得と言えばそれまでだ。
だけど、僕は天地天命に誓いたい。
それは全くもって、僕の本望ではないのだと。





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