倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第１章 古代イト国女王【日輪の御子】崩御・昇天して、【日輪の女神】となる！！

〔６〕女王の【言霊交信神技】と【鋼鉄剣】

　　チヨヒコは突然の【言霊交信神技テレパシー】に驚き、声も出なかった。

『先王陛下の【御形見】の心配をしてくれるとは、思いやりのある優しい子じゃ！』
『じゃが、心配には及ばぬ。』
『【御剣ミツルギ】は【王家守護霊】が宿っておられる【御神剣】ではある。』
『我らの住む家とて。古くなれば、建て替えねばならぬ』
『【御剣ミツルギ】とて、同様じゃ！』
『今から４０年後、そなたの孫の手によって、この【折れる鉄剣】は【最新鋭の鋼鉄剣】に生まれ変わる！』
『その時まで【王家守護霊】をこの【鋼鉄剣】に移封する、その儀式なのじゃよ！』
『そなたは【本家イト国王家の嫡男】。』
『この２本の剣はそなたに相続させる。』



　　
　　女王が チヨヒコに【言霊交信神技テレパシー】で語りかけている間、女王自身と空中の２本の剣は微動だにしなかった。


その間、周囲のざわめきは徐々に大きくなっていった。


まさに、その時、

｢カキーン｣「カキーン｣「カキーン｣
という金属音が響き渡り、ざわめきを完全に消してしまった。

２本の剣は、３合、激しく交えた後、共に静止した。


「皆の者！！｣
「先程は、皆の意見が、真っ二つにわれておったのォー！？｣
「一方の意見を代表して、キヨヒコ！　言うてみよ。｣


「ハハーッ！｣
「先王陛下の【御神剣】は、絶対に折れませぬ。｣
「また、そんな不敬を許す陛下でもありますまい！｣