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第十一章 帝国(お祖父ちゃん)の逆襲
回復薬事情ー⑤
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温室のあった場所は義兄が譲り受けた公爵領内にある湖畔近くの別荘だ。近場に森林もあって実験を隠すのに持って来いの土地だと言う。だが、今はその地も封鎖されている。まぁ既に研究に関する資料一切はライムフォードの手にある。別荘を探られても痛くも痒くもないと鼻で笑う。
‥‥あっ、レティエルを拉致って閉じ込めた義兄の別荘か。
その温室に一度ライムフォードも訪れたことがあると言う。多分、俺と面会したあの日だろう。成程納得。そうだよね、変だと思ったんだよね。俺の生存確認ってふざけた事言ってたけど、本来の目的は温室だったわけだ。すっかり騙されたよ。
いつぞやの再会の目的が今、わかったけど‥‥あの時、ライムフォード殿下はレティエルのチョーカーを見せろと要求して、アレが魔封じだと判断した。実際は魔封じじゃないけどね。
ちょっと思い出したライムフォードの変な行動。若干、セクハラ臭漂わせた要求だった。女性の装飾品を外させて手に取る行為はちょっとアレだよね?
義兄曰く、ライムフォード殿下は魔力感知の指輪型魔道具を着けているのでチョーカーに込められた魔力を指輪が感知したのだろうと教えてくれた。
‥‥ええ?! マジか!
王族に直接魔力を測られたのかと背筋にヒヤッと冷たいものが流れる。
あれは憶測で答えたわけじゃなかったのか。
‥‥うぇ、じゃあ、バレてたのか。
母さんが俺との面会を許可した以上、此方の味方と思ってたけど…味方だよね?
義兄曰く、レティエルが鬼籍となり帝国籍を取得した今、王家はもう手出しできない。この言葉がめちゃくちゃ頼もしく感じる。
そうか、ライムフォードの言った母さんが手を打ったってのはそのこと?
じゃないのかな?
ライムフォードが『チョーカーを調べたのは確信を得るためだろう。だが、レティエルが肌身に付けていた装飾品を手に取るとは! 不届き者だ』と憤る義兄に正直引いた。聞かなかったことでいいね。
…‥話が逸れちゃったね。それでそれで?
黙って聞いていたガザだが、わからない事があったのか、首を傾げ(ガザがしても可愛くない)ちょい口出した。
何でも『温室』が何なのかわからないと言うのだ。
ええ? 温室栽培ってやらないの? 俺はそっちに驚いたわ。
帝国は火の系統から派生した魔力保持者が農作業‥‥もとい、植物の育成に従事するのが一般的で人工的に温度(この場合、魔素か)を管理するって概念がない。それを義兄が、温度ではなく魔素濃度を管理する魔道具を拵え、人工的な魔素発生を可能にしたと言う。
ええ?! 何それ?! それ凄くない?!
ちょっと義兄のチートっぷりが羨まし過ぎる。
でも、ちょいDIYしました~って感じで軽い。ガザは目を剥いてるし。それが普通の反応だよね? ジェフリーは‥‥あっ、見なかったことでいいわ。
義兄の技術は秘匿すべきことで、これにはファーレン家も了承済み。
勿論、皇帝の耳に入ってる。帝国サイドは喉から手が出る程、欲しい逸材なわけね。
だけど、義兄はまだ王国に…レティエルの側にいる。
‥‥あ、これってもしかして帝国が痺れを切らした? そう勘ぐっちゃう。
それにしても、王国で足止めしたのはお祖父ちゃんだよね。何で?
‥‥あっ、レティエルを拉致って閉じ込めた義兄の別荘か。
その温室に一度ライムフォードも訪れたことがあると言う。多分、俺と面会したあの日だろう。成程納得。そうだよね、変だと思ったんだよね。俺の生存確認ってふざけた事言ってたけど、本来の目的は温室だったわけだ。すっかり騙されたよ。
いつぞやの再会の目的が今、わかったけど‥‥あの時、ライムフォード殿下はレティエルのチョーカーを見せろと要求して、アレが魔封じだと判断した。実際は魔封じじゃないけどね。
ちょっと思い出したライムフォードの変な行動。若干、セクハラ臭漂わせた要求だった。女性の装飾品を外させて手に取る行為はちょっとアレだよね?
義兄曰く、ライムフォード殿下は魔力感知の指輪型魔道具を着けているのでチョーカーに込められた魔力を指輪が感知したのだろうと教えてくれた。
‥‥ええ?! マジか!
王族に直接魔力を測られたのかと背筋にヒヤッと冷たいものが流れる。
あれは憶測で答えたわけじゃなかったのか。
‥‥うぇ、じゃあ、バレてたのか。
母さんが俺との面会を許可した以上、此方の味方と思ってたけど…味方だよね?
義兄曰く、レティエルが鬼籍となり帝国籍を取得した今、王家はもう手出しできない。この言葉がめちゃくちゃ頼もしく感じる。
そうか、ライムフォードの言った母さんが手を打ったってのはそのこと?
じゃないのかな?
ライムフォードが『チョーカーを調べたのは確信を得るためだろう。だが、レティエルが肌身に付けていた装飾品を手に取るとは! 不届き者だ』と憤る義兄に正直引いた。聞かなかったことでいいね。
…‥話が逸れちゃったね。それでそれで?
黙って聞いていたガザだが、わからない事があったのか、首を傾げ(ガザがしても可愛くない)ちょい口出した。
何でも『温室』が何なのかわからないと言うのだ。
ええ? 温室栽培ってやらないの? 俺はそっちに驚いたわ。
帝国は火の系統から派生した魔力保持者が農作業‥‥もとい、植物の育成に従事するのが一般的で人工的に温度(この場合、魔素か)を管理するって概念がない。それを義兄が、温度ではなく魔素濃度を管理する魔道具を拵え、人工的な魔素発生を可能にしたと言う。
ええ?! 何それ?! それ凄くない?!
ちょっと義兄のチートっぷりが羨まし過ぎる。
でも、ちょいDIYしました~って感じで軽い。ガザは目を剥いてるし。それが普通の反応だよね? ジェフリーは‥‥あっ、見なかったことでいいわ。
義兄の技術は秘匿すべきことで、これにはファーレン家も了承済み。
勿論、皇帝の耳に入ってる。帝国サイドは喉から手が出る程、欲しい逸材なわけね。
だけど、義兄はまだ王国に…レティエルの側にいる。
‥‥あ、これってもしかして帝国が痺れを切らした? そう勘ぐっちゃう。
それにしても、王国で足止めしたのはお祖父ちゃんだよね。何で?
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