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「なんでアクヤあなた、生きてるのよっ!  いっ、いやっ、こないでっ。」

 ゆっくりと距離をつめるアクヤを見て、金髪ツインテールの美少女が後ずさる。しかしながら、四肢を拘束する触手が、それを許さなかった。

「私は、魔執事そのあくまに脅されて従っただけよっ!  
 ちょっと、魔執事アナタも、跪いていないで何とか言いなさいよっ!」

 アクヤの脇に控えた魔執事バトラーデーモンは、何も答えない。

「ふざけないでっ!  裏切るなんて許さないっ!
 魔執事アナタに従えば、妖精蜂私たちは助けるって約束したじゃないっ!  」

 ビーナが狂ったように、叫び始めた。

「あら?   騙される方が悪くってよ?
  どこかの親切な妖精さんも、そう、教えてくれたわよね?」

 意地悪く笑うアクヤに、青ざめるビーナ。

「どうする気?  」

「さぁ?  どうしようかしら?  
 未遂とは言え、貴女は私を1回殺したのよ?  」

「お願いっ!  妖精蜂かぞくのことは見逃してっ!
 今回の事に、妖精蜂かぞくは関係ないっ!全部私が一人でやったことよっ!
 私の命で、妖精蜂かぞくを……」

「ダメっ!  ビーナねぇがいなくなったら、私達は迷宮ここではやっていけないっ!
 お願いっ!  出来ることはなんでもするから」

 それまで黙り込んでいたアピスが、地面に突っ伏した。
 アクヤが上層階を平定したとはいえ、迷宮内を生き抜く上で女王蜂クイーンビー不在というのは、それ程過酷なことなのだろう。

「ふざけんじゃねえっ!  俺たちだって女王アクヤを失いかけたんだっ!  それにお前らのせいで、俺たちは全員消される所だったんだぞっ!  」

 オニオーが叫んだ。

「そうね。お咎めなしという訳にはいかないわね。でも、命を頂いても……ねぇ」

「まさか、コイツらを許すのかっ!?  」

「貴女達、何でもするのよね?  出来ることは」

 アクヤの問いに、顔を見合わせたビーナとアピスがこくりと頷く。

「それでは、私に忠誠を誓って頂きましょう。そして、蜜と、ご自慢の毒を未来永劫献上しなさい」

「ちょっと、待って。
 蜜は兎も角、毒はそんなに簡単にホイホイ出せるものではな……」

「何っ?  やるのやらないの?  」

 アクヤの一喝に、空気がピリリと震えた。

「ヤります」

 ビーナが、慌てて言う。

「宜しい。
 一応言っておくけど、次は無いわ。
 魔執事あなたも、一肌脱ぎなさい。妖精蜂フェアリービーを護ると約束したのでしょう。力になって上げなさい」

「はっ」

 魔執事バトラーデーモンが恭しく、頭をさげた。




 こうして魔執事バトラーデーモンによる下層騒動は、取り敢えず、平定されたのであった。


 ◇  ◇  ◇


「ふふっ、ココが感じるのか。いっぱい出てきた」

「ひゃっ、やぁ、んっ、ぁあん」

「やらしいなぁ」

「やっ…///、いやぁ、だっ、だめぇ」

「 なにがダメなんだ?  ほら、正直になれよ。アクヤ様の為に、体はこんなに喜んでるじゃないか」

「はぅっ、あっ、ひゃあぁん」

「ふふっ、かわいいなぁ。……もっと、感じさせてやるよ」




 その夜?  迷宮の下層秘部では、悪魔の囁きと妖精の喘ぎ声が、まじわり結ばれたという。

 もちろん、ソレを聞いたモノは、ダレモイナイ。
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