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第2章、破滅に向かう世界。
第7話、圧倒。
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魔族は全身から黒いオーラを放出していく。
まるで黒い炎が全身を燃やしている様にも見える。
それはどんどん大きくなっていき、そして……………
黒いオーラが消えた。
見た目からは殆んど変わっている様には見えないが体の底から冷えて行く様な何もかもが凍りつきそうな感覚が。
俺達の体を支配していく、それと共に全身から汗が吹き出し剣を落としそうになる程に体が震え出す。
それは一言で言うなら『圧倒的』だった。
今までに感じた事の無い恐怖、そして絶望が俺達の立ち向かう気持ちをを蝕んでいく。
絶対に言ってはいけない言葉が頭に浮かんでくる。
「勝てない」………と。
その時、魔族がおもむろに右手を横に振る。
その直後、俺達を凄まじい風が襲い全員が500メートル位離れていた防壁に向けて体を吹っ飛ばされた。
ハクヨウは何とか羽を使い体勢を整えた。
リリムは、レツガが咄嗟に体で受け止め無事だ。
レツガもそれほどダメージを受けてはいない。
俺とコウは何とか体を回転させ防壁に着地する様な格好で止まる。
ただの腕を振った風圧だけで俺達は吹き飛ばされた。
退くことも出来ず、そして攻めることも出来ず、俺達の心に『絶望』と『恐怖』の言葉が支配していく。
「皆フルパワーだ!出せるだけの力を振り絞ってヤツに撃ち込むぞ!」
俺は折れそうな心を無理やり奮い立たせ、皆に激を飛ばす!
「わ、分かったでござる!」
「うぅぅ……分かりました」
『こ、怖くないもん!!』
『グルアアァァ!』(負けない!)
皆の顔を見回し全員で頷き合うと俺は声を上げた。
「撃てーーーー!!!」
「「『ハァーー!!!』」」
『グルアアー!』(僕達は負けないんだー!)
ズズズンと辺りに腹の底に響くような鈍い音が振動と爆風と共に広がって行く。
全員での全力の魔法攻撃、小さい山一つを消し去る程の威力を魔族に放った。
これではいくら魔族だろうと無傷では済まないハズだ………フラグをたてたかな?何て思いつつ目を魔族のいる所から外さない。
そしてその嫌な予感は見事に当たる。
風で土煙等が飛ばされて視界が開けてくる。
そのには何事も無かった様に無傷で存在する魔族が、その口角を上げ寒気を感じさせる笑みを浮かべていた。
『どうした?それで終わりか?』
俺達を見下した様に見る魔族、胸の前に腕を組み、カスリ傷すらついていない。
俺達の出来る最大火力の攻撃をかわす事無く耐えきった事に心が折れそうになる。
他の皆を見ると俺と同じく力を無くし呆然と立つメンバーが見えた。
俺はそれを見て我に帰り無くなりかけた『勇気』を振り絞る。
そして1つだけ魔族から町をそして仲間を守る事の出来る方法を思い付く。
俺はハクヨウをコウをレツガを、そしてリリムを、これまでのしてきた旅を思い浮かべ一人一人の顔を見ていく。
そして何故だか不意に笑みが浮かんでくる。
それを見ていたリリムは何故か分からないがマサムネと二度と会えない予感が走る。
「マサムネさ………」リリムが、俺に声をかけ様とした時、俺は魔族に向い走り出していた。
自分で命をかける覚悟を決めたと思っていたけど、皆の顔を見ると少し寂しくなる。
思わず「皆、じゃあな」と小さい声で呟いていた。
自分で言った言葉に笑みが出てくる。
お陰で恐怖で固まっていた身体の動きが少し良くなった気がする。
その時、俺が何をしようとしているのかを感じとったメンバー達は、俺を止めようと走り出す。
だけど、既にコウすら追い付けない程の距離がある。
俺がいなくても、皆なら何とかなるだろう……コウ、後は頼む。
俺は、微動だにしない魔族に迫る。
俺には何も出来ないと言う油断なのか余裕なのかは知らんが、俺に付き合ってもらうぞ?
俺は時空魔法『ストップ』を発動、そしてそのまま魔族に触れストップの効果が切れると同時に『テレポート』を発動した。
そして俺と魔族は、その場所から消えた。
「マサムネさん………イヤァアアアアア!」
後にはリリムの叫ぶ声だけが響いていた。
その後、残されたメンバーは何時間もその場で待っていたがマサムネが戻ってくる事は無かった。
まるで黒い炎が全身を燃やしている様にも見える。
それはどんどん大きくなっていき、そして……………
黒いオーラが消えた。
見た目からは殆んど変わっている様には見えないが体の底から冷えて行く様な何もかもが凍りつきそうな感覚が。
俺達の体を支配していく、それと共に全身から汗が吹き出し剣を落としそうになる程に体が震え出す。
それは一言で言うなら『圧倒的』だった。
今までに感じた事の無い恐怖、そして絶望が俺達の立ち向かう気持ちをを蝕んでいく。
絶対に言ってはいけない言葉が頭に浮かんでくる。
「勝てない」………と。
その時、魔族がおもむろに右手を横に振る。
その直後、俺達を凄まじい風が襲い全員が500メートル位離れていた防壁に向けて体を吹っ飛ばされた。
ハクヨウは何とか羽を使い体勢を整えた。
リリムは、レツガが咄嗟に体で受け止め無事だ。
レツガもそれほどダメージを受けてはいない。
俺とコウは何とか体を回転させ防壁に着地する様な格好で止まる。
ただの腕を振った風圧だけで俺達は吹き飛ばされた。
退くことも出来ず、そして攻めることも出来ず、俺達の心に『絶望』と『恐怖』の言葉が支配していく。
「皆フルパワーだ!出せるだけの力を振り絞ってヤツに撃ち込むぞ!」
俺は折れそうな心を無理やり奮い立たせ、皆に激を飛ばす!
「わ、分かったでござる!」
「うぅぅ……分かりました」
『こ、怖くないもん!!』
『グルアアァァ!』(負けない!)
皆の顔を見回し全員で頷き合うと俺は声を上げた。
「撃てーーーー!!!」
「「『ハァーー!!!』」」
『グルアアー!』(僕達は負けないんだー!)
ズズズンと辺りに腹の底に響くような鈍い音が振動と爆風と共に広がって行く。
全員での全力の魔法攻撃、小さい山一つを消し去る程の威力を魔族に放った。
これではいくら魔族だろうと無傷では済まないハズだ………フラグをたてたかな?何て思いつつ目を魔族のいる所から外さない。
そしてその嫌な予感は見事に当たる。
風で土煙等が飛ばされて視界が開けてくる。
そのには何事も無かった様に無傷で存在する魔族が、その口角を上げ寒気を感じさせる笑みを浮かべていた。
『どうした?それで終わりか?』
俺達を見下した様に見る魔族、胸の前に腕を組み、カスリ傷すらついていない。
俺達の出来る最大火力の攻撃をかわす事無く耐えきった事に心が折れそうになる。
他の皆を見ると俺と同じく力を無くし呆然と立つメンバーが見えた。
俺はそれを見て我に帰り無くなりかけた『勇気』を振り絞る。
そして1つだけ魔族から町をそして仲間を守る事の出来る方法を思い付く。
俺はハクヨウをコウをレツガを、そしてリリムを、これまでのしてきた旅を思い浮かべ一人一人の顔を見ていく。
そして何故だか不意に笑みが浮かんでくる。
それを見ていたリリムは何故か分からないがマサムネと二度と会えない予感が走る。
「マサムネさ………」リリムが、俺に声をかけ様とした時、俺は魔族に向い走り出していた。
自分で命をかける覚悟を決めたと思っていたけど、皆の顔を見ると少し寂しくなる。
思わず「皆、じゃあな」と小さい声で呟いていた。
自分で言った言葉に笑みが出てくる。
お陰で恐怖で固まっていた身体の動きが少し良くなった気がする。
その時、俺が何をしようとしているのかを感じとったメンバー達は、俺を止めようと走り出す。
だけど、既にコウすら追い付けない程の距離がある。
俺がいなくても、皆なら何とかなるだろう……コウ、後は頼む。
俺は、微動だにしない魔族に迫る。
俺には何も出来ないと言う油断なのか余裕なのかは知らんが、俺に付き合ってもらうぞ?
俺は時空魔法『ストップ』を発動、そしてそのまま魔族に触れストップの効果が切れると同時に『テレポート』を発動した。
そして俺と魔族は、その場所から消えた。
「マサムネさん………イヤァアアアアア!」
後にはリリムの叫ぶ声だけが響いていた。
その後、残されたメンバーは何時間もその場で待っていたがマサムネが戻ってくる事は無かった。
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