ここから始まる俺の冒険!

まさ

文字の大きさ
12 / 32
第二章、憧れの冒険者に!そして~

第1話、城塞都市ダイタロス!

しおりを挟む
俺達の村『エンドラ』を出てからニ日後、俺達は予定通りに何事もなくダイタロスに着いた。


俺達が歩いて来た道は、冒険者や兵士が定期的に見回りをしてモンスターや盗賊を討伐しているから危険はほとんど無い。


二日間の旅で一番危険だったのは、夜寝込みを襲おうとする例のあの人レイナだけだった。



そんなこんなで俺達は今、村の何倍も大きな城壁を見上げている。

元々、大森林から出て来るモンスターから国を守ってきた要塞都市なだけあって、その城壁は見ていて圧倒される。


それよりも目につくのは巨大な門だ。

巨人でも通るのか?ってくらい大きい。


今は町の中に扉が開かれてるけど、その門の厚さも最近鍛えて筋肉が付いてきた自慢の身体の厚さよりも厚い。

木と鉄を合わせて造られていて、相当頑丈だろうとは簡単に想像できる。


まぁ、いつまでも門の所で立ち止まっても仕方無いし門をくぐる。




特に門番に止められる事もなく町に入った瞬間に固まってしまった。


どこを見ても人、人、人。

ドワーフ族とか獣人族の姿も見える。

ドワーフ族は、身長が子供くらいの高さしか無いけど、筋肉と髭が凄い。

見た目の通り、力が強い上に手先が器用で鍛冶や細工なんかが得意らしい。


んで獣人族は、基本的に見た目は殆んど俺達と変わらない。

ただし、耳が頭の方にあって、その耳が動物の耳になっている。

犬や猫みたいな耳、他にもウサギや馬の耳の人なんかもいる。

獣人は魔法が苦手な人が多くて、逆に身体能力が高く戦闘に向いてるんだって。


他にも、魔法が得意なエルフ族や同じく魔法が得意な妖精族、水が多い所に住んでいる魚人族なんかもいるって神父様が教えてくれた。

他にも色んな種族がいるらしいけど、それは自分で会って確かめろって言われた。



「スゲーな。人が多すぎて酔いそうだぜ」

「アン~」

「私も人が多いの苦手」


門から入って周りを見ると、大きい道が前と左右に伸びているし、見た範囲だけで村の建物の数を遥かにこえている。

そのどの道も沢山の人が忙しそうに歩いているし馬車や騎士なのか鎧を着て、馬に乗って移動している人達もいる。

道の先は城壁と同じく遠くまで続いていた。


「ここで立ってても邪魔になるだけだし、とりあえず宿を探して、その後に冒険者ギルドに行こうぜ」

「アン!」

「わかった」


初めて来た町だし、どこに何があるのかも分からないから門の所にいた門番のおっちゃんに宿屋とギルドの場所を聞いて、まずは宿屋に向かった。


門から見て、真正面の道を進んで行く。

良く見ると危なくない様に人と馬車や馬が通る道が分かれているから馬車や馬に轢かれる心配は無いみたいだな。


「え~と……『安らぎの止り木亭』、お?ここだな」

兵士のおっちゃんに聞いた宿屋の看板を見つけた。


少し古そうだけど、きちんと掃除や手入れがされていて清潔感がある。

1泊の値段もそんなに高く無くて、しかも料理が美味しいらしい。

宿屋の扉を開けると、扉に付いていたベルが鳴って宿屋の一階に響く。


「は~い。今、行きます~」


中に入ると、左にテーブル席が六つ程あって右にカウンター席、それとカウンターの右の横、道路側には階段が見えた。

声は、そのカウンターがある右奥の入口から聞こえる。


カウンターの方に歩いて、人が出てくるのを待っていると、奥から20代後半くらいの女の人が出てきた。


「お客さんですか~?」

「あ、はい。宿泊で」

「え~と、全部で~いち、にい……ワンちゃん?」


「あ、俺の仲間のレイナと従魔のコボルトのシバです」

「アン!」

「どうも」

ちなみに『従魔』とは、魔物使いが仲間にしたモンスターの事を言うらしい。

だから、人に聞かれたら『従魔』って事を教えるのが魔物使いの義務なんだって。

従魔は、冒険者ギルドで登録して、ギルドから渡された従魔の証のスカーフを巻いている。

他にも首輪型やネックレス型もあった。


「従魔、一緒に泊まっても大丈夫ですよね?」

「あ、大人しくしてくれるなら大丈夫ですよ~」


一応、兵士のおっちゃんに従魔が泊まれる宿屋ってのを条件に聞いたから、分かってたけどね。

てか、良く考えると俺達よりシバの登録の方が早いって………

ま、まぁ、登録して従魔の証を付けないと、町に自由に出入り出来ないからね。

仕方ないのだ。



話を戻すけど、宿屋の人……何かノンビリした人だな。


良く見ると美人だし……ヒィ!?何か背中がゾワッとした!


下手に他の女の人を意識するとヤバい気がするから無心になろう。

主に俺の命の為に。


「それじゃあ、二人部屋と一人部屋の二部屋で良いですか~?」

「はい、それでおねが「二人部屋、一つで良いです」………それでお願いします」


レイナに押しきられてしまった。

ヤバい……レイナに襲われるのが目に見える。

何とかシバを使って阻止しないと!


一応、成人前だし!そこは貞操を守らないとね!


……普通、男が襲う側なんじゃないかな?

まぁ……アイツレイナは普通じゃないけどさ。


案内されたニ階の奥の部屋に荷物を置くと、俺達はすぐに宿屋を出た。

次は冒険者ギルドだ。

決して、危険な気配を感じてシバが怯えていたし、俺も身の危険を感じて逃げた訳ではない……。


普通にしていれば、すごい美少女なのに、俺の後で「フーフー」って鼻息荒くして目を光らせていて、マジで恐いのも気のせいのハズだ。





「ここか」


宿屋の通りを門とは反対の方向に進む。

暫く進むと物凄い広い円形の広場が見えた。

広場の真ん中には丸い道に囲まれた公園になっていてベンチが何個も置かれて座って休める様になってるし実際に沢山の人が座っている。

んで、公園の真ん中には大きな噴水もある。


公園の周りの丸い道路の外側には、色んな色の店が沢山ならび、多くの人が買い物をしていた。


広い道も公園を中心として十字型に延びている。

ちなみに俺達が来た村の方向が南だな。


その中でも目立つ大きな建物が何件かあって、その中の一つに冒険者ギルドが見えた。


良く見ると、冒険者ギルドの周りには『商人ギルド』『鍛冶ギルド』『農家ギルド』の看板も見える。


「色んなギルドがあるんだな」

「そうだね」

「アンアン」


俺達は少し放心して眺めていたけど、周りの人の視線に気が付き、恥ずかしさもあって、慌てて冒険者ギルドに入った。


入口は大人が4人くらい横並びで入れる位に広く、高さも3メートル位かな?

両開きで頑丈そうな扉が開いていた。


中に入ると、そこは村とは比較にならない位に広い室内で、向かって左はテーブルが沢山あるから食堂とか酒場なのかな?

真正面には掲示板が見える。

あそこに依頼書とかが、はられてるんだな多分。


んで、右を見るとカウンターがいち、にぃ……全部で十個あった。


登録はカウンターなのは、村にある冒険者ギルドで聞いてたし、依頼書の受理とかモンスターの素材の買い取りとかもカウンターでする事になる。


中の人は、数人がテーブルで食事したり酒を飲んでいるだけで、カウンターは誰もいないから登録はすぐに出来そうだな。

時間的にほとんどの人が依頼を受けてるんだろうと思う。



そんな事を考えながら、俺達はカウンターに向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...