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47.リスペクトⅠ
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朝から二年生だけ集合させられた体育館。お決まりの体育座りがダルい。
ただでさえ眠いし床は固いのに、学年の進路指導主任である直村先生の話は終わらない。
「今年は上位大学を目指す生徒が例年に比べて明らかに少ない。こんな事は今までありませんでした。皆さんはなんのために高校に来ているんですか」
体育館の畏まった壇上で懇々と続けられる大演説。ついさっきまでは前回実施されたテスト結果のお説教だった。
このままでは模擬試験に間に合わない。三年で受験勉強を始めても遅いのだから今すぐ気を引き締めろ。とかなんとか。ちなみにこれと同じ説教は一年の時にもされた。
直村は絵に描いたような学歴至上主義者だ。しかもその辺の大学を卒業しただけだと落ちこぼれとみなされる。
名のある大学以外は大学と認めない。進路希望調書の第一志望欄にFランを記入した生徒には二時間説教した伝説がある。高偏差値で知られるいくつかの国立大学と有名私立を目指さない生徒は出来損ないだと思っているようで、この高校の進学実績を優秀なものにする事だけを考えながら生きている。
「これを見れば分かる通り、大卒者と高卒者とでは生涯年収にここまで差が出ます」
プロジェクターに繋いだパソコンを操作した直村。スクリーンにはグラフが表示されている。最終学歴による年収格差をデカデカと棒グラフで示し、熱がこもったのか高卒の平均年収を指示棒でビシバシと叩いた。
ペラペラのスクリーンが歪に揺れる。これを俺達に見せつけるためにわざわざあんな図とか表とか無駄にいっぱい作ってきたんだ。
「ここにいる皆さんは将来のことをよく考えて行動しなければなりません」
おっしゃる通りですが。
「なのになぜ勉強しないのですか」
なぜと聞かれても。
「高校生の今こそ勉強する時ではないのですか」
高校の先生はそう言うだろうな。
「親のお金で学校に行かせてもらっているという自覚を少しは持ちなさい」
それは子供側がありがたがるもので大人側が言っちゃうとただただ恩着せがましい。
「高卒で低賃金の社会人というのはあまりにも悲惨なものですよ」
急にものすごい決めつけが来た。
「性能の悪い人間になりたいんですか」
何を言ってる。
「そうならないためにあなた方にはもっと上を目指してほしい。偏差値の低い大学に行っても就職活動では役に立ちません。それどころか不利になります。性能の悪い生徒でないなら将来を見越して計画を立てるために上位大学を狙うのが普通です」
この人はどの時代のどの国の普通を話しているのだろう。最近のニュースとか見てないのかもな。学校以外の面接なんて受けた事もないだろうしな。
目を付けられると絶対に面倒くさいから聞いている風をみんな装ってはいる。こんな場所で怒られるなんてただの公開処刑だ。なので俺も体育座りのままなるべく動かず、変な体勢の石像として生まれた気分になっておく。
でも話は凄くつまらない。飽きた。もういい。お経のがまだマシ。
体育館の壁際にそれとなく視線だけを向けた。二年を担当している他の先生達がまばらに並んで立っている。生徒の様子を監視している風の先生とか、直村図表を熱心に見ている風の先生とか。
手元の資料らしき紙を確認している気弱そうな眼鏡の先生は、たぶん直村先生の後にお知らせか何かをするのだろう。
この場で話す役割を特に与えられていない先生方は大体ちょっと暇そう。白衣のまま来ちゃったらしい化学担当の多小田先生は、重心を右足から左足へとフラッと変えながら下を向いた。その隙に、くあっと小さく欠伸を。
もうちょっと分かんないようにやったらどうだろう。直村に見られていたら後でガミガミ怒られると思う。
まだ二十代の多小田先生は古株の直村先生から時たま説教を食らっている。あれこれとやかく言われているのをたまに廊下とかで見かける。
いかにも話聞いてません風のダルそうな多小田を見ている間に、大演説の内容は元の話題に戻っていた。
共通テストに関する云々かんぬん。心構えとか。うんぬんかんぬん。
「すでにもう受験は始まっていると考えてください。いいですか、私はあなた方のために言っているんですよ。大学受験で成果を上げなければ一生を棒に振ると考えなさい」
受験で死ぬと人生も詰むそうだ。
「皆さんの先輩達にも浮ついた生徒は何人かいました。これは当時の、いわゆるセンター試験での出来事です」
今度はなんか語り出した。
「当日の試験会場ではまず出席を確認します。担任の先生方もいらっしゃいますので、皆さんも今からよく覚えておいてください。受験生を揃って送り出すのは我が校の伝統です」
私大など希望する進路によっては共通テストが必要ない場合もある。しかしこの学校では志望校にかかわらず共通テストの受験が全員に義務付けられているので、会場にちゃんと来ているか出欠の確認まで取るそうだ。
朝の受験会場で待ち構えているのは各クラスの担任教師たち。先生の周りにここの生徒がゾロゾロとペンギンみたいに集まる。無事に集合したことを確認してからいよいよ受験に臨む生徒は、これまでの努力を出し切ってこいとエールを送られるのが恒例。
という話だけならば、二年になってからクラスの奴に聞いたことがあったため知っている。
「二十年ほど前になりますが、その年の生徒の中に私服でやって来た男子がいました」
私服可の高校もあるようだが、ここでは受験時の服装は高校の制服に指定されている。試験実施上のルールとしてテスト運営側が禁止している私服の種類なんかもあるし、結局のところ制服が最も無難な格好なのだろう。
それでも一人くらいは時々いるかもしれない。私服の方がいいなって思う生徒が。制服で来てトイレで着替える受験生なんかも中にはいるらしいから、正々堂々と私服で集合したその先輩はまだ潔い。
そんなかつての受験生の話を唐突に持ち出した直村先生は、どこか誇らしげに言った。
「もちろん見つけた瞬間に大声で怒鳴りつけました」
受験当日に受験会場に私服でやって来た自校の生徒を、直村先生は怒鳴り飛ばしてやったそうだ。
「他校の生徒も驚いて一斉にこちらを見ていました。ですが教師ならその場で叱りつける義務がある。ルールを破って私服で来た生徒は震え上がっていましたが、私はセンター試験の前に何度も注意していたんです。必ず制服で受験するように散々指導してきました。その話を一切聞かずに、他の生徒は全員制服なのに一人だけ私服を着てきたんです。浮ついた顔でやって来た彼を見た時、我が校の生徒としてあまりにも恥ずかしかった。なぜ和を乱すのか。なぜ教師の言いつけを守れないのか。センター本番だからといって許しておけるはずがない」
何言ってんだろうなこの人。分からない。分かるっちゃ分かるが分かりたくない。
受験でコケたら人生終わりみたいにさっきまで力説してたの誰だ。
この話を二十年後に聞かされている目の前の生徒がドン引いている事に本人だけはきっと気づいていない。
その後もペラペラと昔話は続いた。公衆の面前でいきなり怒鳴りつけられた先輩は怒られ損というのかなんというのか、結局私服のまま受験したそうだ。当然ながら一度帰宅する時間はなく、センター試験の規定に反する服装ではなかったらしい。そのためなんの問題もなく予定通り試験は受けられたようだが、実力は発揮できなかったに違いない。
意味のあるルールに違反するのは良くない。規則を破ったその人にも責任はある。
でもそうじゃない。教師の仕事はそれじゃないだろ。高校生相手にそこまでして権力を誇示したいのか。
生徒に好かれる事になんてこだわらない俺。みたいな感じが嫌でも透けて見えてくる。これを晃に言わせると、自分の教師理念に酔っているそうだ。
高校生なんてサルの進化系くらいにしか思っていないのだろう。猿回しはもちろん教師だから、先生様のおっしゃる事は絶対に正しいと信じ込んでいる。
間違いを認める必要はない。なぜならそもそも教師は間違わない。正解を全て知っている。だから無知で愚かな生徒は全能な教師に従って当然。自分の理想から少しでも外れている生徒がいたら、一刻も早く調教しなければならない。
そんな思想がありありと浮き出た気味の悪い演説はまだまだ続いた。
多小田は相変わらず見るからにダルそう。気の弱そうな眼鏡の先生は体育館のデカい時計を気にし始めた。チャイム鳴る前にあの先生がお知らせちゃんとできるといいな。
どんな大学に行ってどんな仕事に就いてどんな人生を送ることになろうと、調教師気取りの大人にだけはならないように気を付けよう。
ただでさえ眠いし床は固いのに、学年の進路指導主任である直村先生の話は終わらない。
「今年は上位大学を目指す生徒が例年に比べて明らかに少ない。こんな事は今までありませんでした。皆さんはなんのために高校に来ているんですか」
体育館の畏まった壇上で懇々と続けられる大演説。ついさっきまでは前回実施されたテスト結果のお説教だった。
このままでは模擬試験に間に合わない。三年で受験勉強を始めても遅いのだから今すぐ気を引き締めろ。とかなんとか。ちなみにこれと同じ説教は一年の時にもされた。
直村は絵に描いたような学歴至上主義者だ。しかもその辺の大学を卒業しただけだと落ちこぼれとみなされる。
名のある大学以外は大学と認めない。進路希望調書の第一志望欄にFランを記入した生徒には二時間説教した伝説がある。高偏差値で知られるいくつかの国立大学と有名私立を目指さない生徒は出来損ないだと思っているようで、この高校の進学実績を優秀なものにする事だけを考えながら生きている。
「これを見れば分かる通り、大卒者と高卒者とでは生涯年収にここまで差が出ます」
プロジェクターに繋いだパソコンを操作した直村。スクリーンにはグラフが表示されている。最終学歴による年収格差をデカデカと棒グラフで示し、熱がこもったのか高卒の平均年収を指示棒でビシバシと叩いた。
ペラペラのスクリーンが歪に揺れる。これを俺達に見せつけるためにわざわざあんな図とか表とか無駄にいっぱい作ってきたんだ。
「ここにいる皆さんは将来のことをよく考えて行動しなければなりません」
おっしゃる通りですが。
「なのになぜ勉強しないのですか」
なぜと聞かれても。
「高校生の今こそ勉強する時ではないのですか」
高校の先生はそう言うだろうな。
「親のお金で学校に行かせてもらっているという自覚を少しは持ちなさい」
それは子供側がありがたがるもので大人側が言っちゃうとただただ恩着せがましい。
「高卒で低賃金の社会人というのはあまりにも悲惨なものですよ」
急にものすごい決めつけが来た。
「性能の悪い人間になりたいんですか」
何を言ってる。
「そうならないためにあなた方にはもっと上を目指してほしい。偏差値の低い大学に行っても就職活動では役に立ちません。それどころか不利になります。性能の悪い生徒でないなら将来を見越して計画を立てるために上位大学を狙うのが普通です」
この人はどの時代のどの国の普通を話しているのだろう。最近のニュースとか見てないのかもな。学校以外の面接なんて受けた事もないだろうしな。
目を付けられると絶対に面倒くさいから聞いている風をみんな装ってはいる。こんな場所で怒られるなんてただの公開処刑だ。なので俺も体育座りのままなるべく動かず、変な体勢の石像として生まれた気分になっておく。
でも話は凄くつまらない。飽きた。もういい。お経のがまだマシ。
体育館の壁際にそれとなく視線だけを向けた。二年を担当している他の先生達がまばらに並んで立っている。生徒の様子を監視している風の先生とか、直村図表を熱心に見ている風の先生とか。
手元の資料らしき紙を確認している気弱そうな眼鏡の先生は、たぶん直村先生の後にお知らせか何かをするのだろう。
この場で話す役割を特に与えられていない先生方は大体ちょっと暇そう。白衣のまま来ちゃったらしい化学担当の多小田先生は、重心を右足から左足へとフラッと変えながら下を向いた。その隙に、くあっと小さく欠伸を。
もうちょっと分かんないようにやったらどうだろう。直村に見られていたら後でガミガミ怒られると思う。
まだ二十代の多小田先生は古株の直村先生から時たま説教を食らっている。あれこれとやかく言われているのをたまに廊下とかで見かける。
いかにも話聞いてません風のダルそうな多小田を見ている間に、大演説の内容は元の話題に戻っていた。
共通テストに関する云々かんぬん。心構えとか。うんぬんかんぬん。
「すでにもう受験は始まっていると考えてください。いいですか、私はあなた方のために言っているんですよ。大学受験で成果を上げなければ一生を棒に振ると考えなさい」
受験で死ぬと人生も詰むそうだ。
「皆さんの先輩達にも浮ついた生徒は何人かいました。これは当時の、いわゆるセンター試験での出来事です」
今度はなんか語り出した。
「当日の試験会場ではまず出席を確認します。担任の先生方もいらっしゃいますので、皆さんも今からよく覚えておいてください。受験生を揃って送り出すのは我が校の伝統です」
私大など希望する進路によっては共通テストが必要ない場合もある。しかしこの学校では志望校にかかわらず共通テストの受験が全員に義務付けられているので、会場にちゃんと来ているか出欠の確認まで取るそうだ。
朝の受験会場で待ち構えているのは各クラスの担任教師たち。先生の周りにここの生徒がゾロゾロとペンギンみたいに集まる。無事に集合したことを確認してからいよいよ受験に臨む生徒は、これまでの努力を出し切ってこいとエールを送られるのが恒例。
という話だけならば、二年になってからクラスの奴に聞いたことがあったため知っている。
「二十年ほど前になりますが、その年の生徒の中に私服でやって来た男子がいました」
私服可の高校もあるようだが、ここでは受験時の服装は高校の制服に指定されている。試験実施上のルールとしてテスト運営側が禁止している私服の種類なんかもあるし、結局のところ制服が最も無難な格好なのだろう。
それでも一人くらいは時々いるかもしれない。私服の方がいいなって思う生徒が。制服で来てトイレで着替える受験生なんかも中にはいるらしいから、正々堂々と私服で集合したその先輩はまだ潔い。
そんなかつての受験生の話を唐突に持ち出した直村先生は、どこか誇らしげに言った。
「もちろん見つけた瞬間に大声で怒鳴りつけました」
受験当日に受験会場に私服でやって来た自校の生徒を、直村先生は怒鳴り飛ばしてやったそうだ。
「他校の生徒も驚いて一斉にこちらを見ていました。ですが教師ならその場で叱りつける義務がある。ルールを破って私服で来た生徒は震え上がっていましたが、私はセンター試験の前に何度も注意していたんです。必ず制服で受験するように散々指導してきました。その話を一切聞かずに、他の生徒は全員制服なのに一人だけ私服を着てきたんです。浮ついた顔でやって来た彼を見た時、我が校の生徒としてあまりにも恥ずかしかった。なぜ和を乱すのか。なぜ教師の言いつけを守れないのか。センター本番だからといって許しておけるはずがない」
何言ってんだろうなこの人。分からない。分かるっちゃ分かるが分かりたくない。
受験でコケたら人生終わりみたいにさっきまで力説してたの誰だ。
この話を二十年後に聞かされている目の前の生徒がドン引いている事に本人だけはきっと気づいていない。
その後もペラペラと昔話は続いた。公衆の面前でいきなり怒鳴りつけられた先輩は怒られ損というのかなんというのか、結局私服のまま受験したそうだ。当然ながら一度帰宅する時間はなく、センター試験の規定に反する服装ではなかったらしい。そのためなんの問題もなく予定通り試験は受けられたようだが、実力は発揮できなかったに違いない。
意味のあるルールに違反するのは良くない。規則を破ったその人にも責任はある。
でもそうじゃない。教師の仕事はそれじゃないだろ。高校生相手にそこまでして権力を誇示したいのか。
生徒に好かれる事になんてこだわらない俺。みたいな感じが嫌でも透けて見えてくる。これを晃に言わせると、自分の教師理念に酔っているそうだ。
高校生なんてサルの進化系くらいにしか思っていないのだろう。猿回しはもちろん教師だから、先生様のおっしゃる事は絶対に正しいと信じ込んでいる。
間違いを認める必要はない。なぜならそもそも教師は間違わない。正解を全て知っている。だから無知で愚かな生徒は全能な教師に従って当然。自分の理想から少しでも外れている生徒がいたら、一刻も早く調教しなければならない。
そんな思想がありありと浮き出た気味の悪い演説はまだまだ続いた。
多小田は相変わらず見るからにダルそう。気の弱そうな眼鏡の先生は体育館のデカい時計を気にし始めた。チャイム鳴る前にあの先生がお知らせちゃんとできるといいな。
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