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Dead End ■■■■■儀式 D●y ●日目 (8)
しおりを挟むしこりが解消されてから、会議が開始されたので、静かに作戦の概要に耳を傾ける。
今後の作戦がどのような展開になるのか私達の街に頼らずとも勝つための策があるのだろうと会議の内容に真剣に耳を傾けてみれば作戦とは?っと言う具合だった…
他の派閥にいる誰々を取り込むのが先だとか、賄賂はどれ程、用意できるのかとか、交渉材料が弱いとか、派閥に与していない人をあぶりだせそうだとか、会話の内容が完全に政の内容だけれど、机上の空論にも満たないレベルで具体性が殆ど無かった。
他の派閥にいる重要人物を取り込むという考えは間違いではないけれど、取り込み方がわからないって意味が無いと思わない?調査もしていない?何を考えての発案よ?
賄賂で攻める?相手側からしたら微々たる賄賂でなびく程度の人物が重要人物の席に座れると思っているの?考えが甘すぎないかしら?
交渉材料が弱い?そりゃ、弱いでしょ?私達の陣営に力が無いからこうなったのではなくて?そんな陣営が用意できる交渉材料なんて夢物語しかないじゃない。
その夢物語を実現できるほどの求心力がピーカ王子には無いから、勢力が拡大できないのではなくて?
…この会議って時間の無駄じゃないかしら?裏事情を知らないからそう感じるだけなのかしら?
全ての事情や状況を知りえているわけではないので、会議の内容に口を挟むわけにはいかない、いかないのだけれど、このままの流れで勝ち筋を見出すことはできるの?何も決まらず、どれだけ話し合っても勝ち筋を見出す事も無く、酒場で管を巻く様に愚痴を永遠と垂れ流して生産性のない会議となるのでは?このままだと、無駄に時間が消えるだけじゃないかしら?
私達の街もそういう会議がかなりの頻度で行われていたから苦い経験のうえ、感じるのよね、無策に終わるのだと…それを回避するために必要なのは何なのか私は、何度も経験し理解している。
そういう状況を打破してくれたのは姫様や、騎士様が会議の流れをコントロールしてくれたからなのよね、つまりは会話を纏めて全員が見えてそうで、見えていない具体性を捻り出してわかりやすく噛み砕き、共有する事よね。
つまりは!話し合いが盛り上がって熱を帯びる前に、冷静に場の空気を乱さず流れを整える司会進行が必要になってくるってわけね、っとなると、今の現状を打破するために何とかして会話に入る方がいいわね。
騎士様が議論や討論が盛り上がって場の収拾がつかなくなる前に、場の空気をコントールするためにしていた行動を参考にしましょう。
机をトントンっと叩いて、音を用いて注目を此方に向けさせて、何事かと全員が注視するのをまつ。
これによって、熱を帯びそうになっている相手が冷静になるために一呼吸おいてから、気になったことがあると強めの口調で宣言する。
静かに冷静に告げることによって、全員が何かあるのだと私の言葉を待つ、これが大事、熱くなった心を落ち着かせるために必要なちょっとした時間を作る。
こういった手法で場の空気を一度、掌握する。
熱を帯びてしまった会議の流れを変えるのは大事なのよ、このまま放置していたら意味のない罵倒に繋がりそう程の熱が生まれつつあったのよね、そういった熱に身を任せてしまっている人達に割って入るのはより一層、難しくなってしまうのよ。
全員が一度、冷静に慣れたであろう頃合いを見て、昼間に教会で活動していた間に知りえた情報を伝えるが、私が知りえたような情報や、今の状況については、全員が把握しているみたい。把握しているのに、見て見ぬふりをし続けてきたってことになるのかしら?あのエリアを救うのは根本的に不可能だとはなから諦めているのね、知らないのであればと、救う手段が無きにしても考える事すらなく頭から諦めるのは、立場ある人達がしていいことではないのではないかしら?
場の空気を掴んでおいてそんなことを言われても、意味がないだろう、今は関係ないっと突き放す素振りによりいっそう…苛立ちを覚える。
その様な態度を見せる人物が隣に居るというのに、教会を導く階級迄、研鑽して成れたというのに何もしない?…貴方は何をしているのですか?という見て見ぬふりをする人物に怒りという感情だけじゃなく悲しみも湧いてくる
諦めるというのが常識であると言わんばかりの無慈悲な答えが染みついてしまった、愚かなる人物に子供を叱るように自分が感じた感情を言葉にのせてしまう
「聖書には書かれていますよね?誰しもが人生の中、何処かで困窮を極める時が来る、その時こそ互いに手を取り合い支えあう、己の宿業を背負いながらも魂を削り傷ついた人々を癒し心の支えとなってきた教会の始まりを否定するのですか?司祭とは肩書だけなのですか?救いを求める人達の声が届いてこないなんて言い訳はだめよ?先ほどの態度から見ても貴方の耳には助けを求める声が届いていたのでしょう?それなのに、貴方は、何もしてこなかったのですか?その様な貴方を先人たちはどう思いますか?貴方を導いてきた先人たちの願いや想いは貴方の中には宿っていないのですか?」
良い大人が集まるこの様な場所で耳が痛くなるように𠮟りつけると、怒られた子供は助けを求めるように視線を彷徨わせながら困惑し、逃げたいがために愚かな言葉を口にしようとする。
「で、ですが、その聖女様、具体的に、解決策がその」逃げる為の口上なんて、怒りという感情を昂らせるだけです!
「いいわけなんて聞きたくありません!教えに背く様な悪い子の悪だくみなんて聞きたくありません!グダグダと考えはしたけれど、行動できていない愚かなりし若芽はまだまだ救いを求める人達を支えれるほどの大樹として、芽吹くことすらかなわないんですね!」
この状況から逃げる事だけを考えた愚かな人物から、ぷいっと頬を膨らめながらそっぽを向き、視線の向きを変えると、口をパクパクと動かして、視線を合わせようとしない人の姿を見て、こっちもこっちで逃げ口上を考えているのだと感じると更に怒りが湧き上がってくる。
「王子も王子です!反省してください!」
流れ的に嫌な予感がするのか、極力こちらと目を合わせないようにしていた人物が、突然の矛先にビクっとしている。
そのまま間髪入れずに言葉という暴力の渦へと、愚かな人物を引きずり込む
「いいですか?王族として成長なされたので、あらせられるのでしたら!大人として、王族として、貴方には責任や責務がありますよね?王族というのは肩書だけではないでしょう?貴方の中に流れる高貴なる血は、どうやっても輝く日は訪れないのですか?教会と共に歩み、受け継下れてきた名前を背負いながらも育ってきた歴史がありますよね?その歴史を一度振り返ってみてはいかがですか?自分自身が正しいと想った事、願ったことはなかったのですか?王族が守るべき民が助けを求めて手を伸ばしているのに何も感じなかったのですか?愚者だと見下し、振り払う事しか出来なかったのですか?初めてお会いした、あの時…貴方の目には優しさと共に生命の息吹が溢れていました!あの頃の純真なる眼差しはもう無いのですか?貴方の瞳に純真たる心は宿ってないのですか?善という御心は何処に追いやったのですか?尽きの裏側にでも、お隠れになられたのですか?」
反論の余地を与えないように相手が委縮するレベルで詰めるが王子の目には困惑した表情が宿っているがこのまま言いくるめられるのは心外みたいで直ぐに口を挟もうとしてくる
「そ、そんなことありませんよ、聖女様、お、俺だって」相手の言い分を聞くのが言い訳だと分かっていても、言葉の流れを止めるのは良くないのはわかっている、けれど、反省の色なし!言い訳なんて聞きたくありませんと言わんばかりに言葉を遮る
「俺だって?何ですか?いいわけですか?王族とも在ろうお方が言い訳ですか?王国の秘宝は己の発言に責任が無いとでも思いですか?現状を見ましたよね?共に歩きましたよね?あの惨状を見て何も思わなかったのですか?感じるものは無かったのですか?過去に何度も何度もあの状況を何代も何代も見て見ぬふりをしてきた王族としての責務を果たさなかった結果ですよね?それをどうして…どうして貴方は自分があの民を救う、と宣言されないのですか?今の今まで、教会という善を尊きと唱えてきた人達から多大な支援を一身に受けておきながら、どうして、どうして!名乗りを上げないのですか?今一度、貴方の名前が意味するものを思い出しなさい、自分の運命はどこにあるのですか?浮受け継がれてきた想いを、思い出しなさい、先人達から受け継がれてきた名前の意味は貴方にとっては軽く尊重すべきモノではないのですか?」
コンコンと言われたくない聞きたくない言葉、それも一番聞かされたくない人物から詰められてしまった王子の顔は、真っ青になって俯いてしまい、何も言わなくなってしまう。
王子の事を想えば、こういったタイミングで徹底的にお小言を言うのが王子の為になるとわかっていても、言葉の暴力で殴りつけるのは悲しいですね。
歯に衣を着せることなく耳を閉じたくなるような内容を叩きつけたことにより目を覚ましていただけるとよいのですが。
真っ青になって何か言葉を返そうとしているけれど、言葉が出てこないのか何度か口を動かしてはキュっと口を閉じ、今にも泣きそうな表情になってしまっている。
言われた言葉が心に刺さって苦しいのですね、優しい貴方が行動を起こせなかった理由も何となくですが、察しているつもりです、王族の周囲にはよくない思想の持ち主もいるでしょう、その周りからの重圧で思うように動けなかったのでしょう、苦しかったのでしょう、辛かったのでしょうね。
今にも泣きだしそうな弱き存在の頭を撫でながら
「己の中にある正義を信じなさい、明日を願うのは大事です、明日を保証するのも大事です、ですが、今この瞬間も助けを求めている人達は居ます、そのような状況の彼らに少なからず恩を感じているのでしょう?シンパシーを感じているのでしょう?自分を重ねているのでしょう?謀殺されそうになった貴方だからこそ、彼らと寄り添えるのではありませんか?」
言われた言葉に感じるものがあるのでしょうね、うっすらと涙を浮かべている。
「王に成れなくてもいいじゃないですか、王族として出来ることがあるのであれば、誰に感謝されなくても、己の運命を嘆くことなく進みなさい、貴方は守ることに関しては上手でしょう?」
曇った瞳が輝きを取り戻しつつある、もう、大丈夫ですね?迷わず進みなさい、貴方の想った未来を選択していくのですよ?私のように選択肢すらなく死を待つだけの命になってはいけませんよ?
これ以上、ここで語るべきことはないでしょう、後は賢い貴方達なら善なる答えに辿り着けるでしょう。
すっと、席を立ちあがると、頭が響く様に痛い、強引に思考を乗っ取ってしまった影響ですね、今の私に力はありません、癒す時間が欲しいですね。
「ごめんなさいね、頭痛がするの、これ以上は表に立てない、横にならせてもらいますね」
私の状況を見て直ぐに司祭様が立ち上がって支えようとしてくれるが手で制止する
「お気持ちだけで嬉しいわ、大丈夫、一人で動けるから、気にしないで」
頭痛が酷い、頭が割れそうな程、痛い、自然とポケットの中に手を入れる、薬が入っているであろう瓶に触れる、だけど、取り出すことはできない。
お薬なんてどれを飲んだらいいのかわからないから飲めない
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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