96 / 101
決闘! 王子対ポルフェ
しおりを挟む
地下牢には国王に王子。それからお父様が。
私を人質にポルフェ逃亡。
そこにマッギとコーコと謎の男の三人が乱入。
逃亡者・ポルフェは取り囲まれてしまう。
「いいのか? この女がどうなっても知らんぞ! 」
未だに私を人質に逃走を図ろうともがく。
「だから早くしろって! 俺はどっちでも構わない」
マッギは本気らしい。
「裏切り者! 一番弟子でしょう? 」
「おいおい興奮するなよ。俺はどっちでも良いと言っただけだろ?
やるかやらないかは二分の一。この男次第だ。そうだろ爺さん? 」
下手な言い訳に終始するマッギ。結局裏切る気満々じゃない。
「まったくどいつもこいつも。新国王に向かって無礼であろう! 」
ポルフェは我慢の限界だと怒り狂う。これもマッギの作戦? そんなはずないか。
「おい! 姫を解放しろ! 」
謎の男がマッギを制して前に出る。
「いえ…… ですからこいつは姫ではなくただの怖い婆さんとこの我がまま娘」
訂正するマッギ。本当に憎たらしいんだから。もう許せない!
それに対してこの素敵な方は恐らく……
「姫を放せ! 容赦しないぞ! 」
興奮する謎の男。それほどまでに私が心配なのでしょう。
熱い思いが伝わってくる。
「ははは…… それはできん相談だな」
余裕のポルフェが笑い飛ばす。
「何だと! ふざけるな! 」
怒りをぶちまける謎の男。
「その声…… お前はまさかタル? タルシムなのか? 」
王子がついに謎の男の正体に気が付く。
「ああそうだ。俺はリョウガ王国王子のタルシムだ! 援軍にやって来た」
「ウソ? あなたがタルシム様? 」
どうやら本当に大ピンチに駆け付けてくれたらしい。
「おおクレーラ! 怪我はないか? 今すぐ助けてやるからな」
「遅いぞタル。まったく何をしてたんだ? 」
「ははは…… 馬車がちょっとな。まあいいだろう? 間に合ったんだから」
呑気なタルシム。そう言えば我が王子も。
「おいお前たち! この新国王を無視するんじゃない! 」
我慢の限界を超えたポルフェが嚙みつく。
「これ以上舐めた真似をしたらこの女の命はない! 」
「まあまあ落ち着いて」
そう言って距離を縮めるタルシム。
「近づくなと言ってるだろう? この愚か者めが! 」
「だから爺さん。もう逃げられないって。大人しく観念しな」
「凶器を捨ててクレーラを放しなさい! 」
マッギとコーコも前へ。
「動くでない! 何度言えば理解するんだお前たちは」
呆れるポルフェにお構いなしに近づく三人。
包囲網は完成されつつある。
「もう逃げられないぞ! 」
ポルフェとの戦いも最終局面。
「今は膠着状態が続いている。俺たちもお前もどうしようもない状況だ。
ここで一つ提案がある。王子と決闘し次の国王を決めるのはどうだ? 」
意外な提案をするタルシム。果たして彼の狙いは?
「ああん? ふざけたことを抜かすな! 新国王に向かって無礼であろう」
一歩も引かないポルフェ。これではいつまで経っても終わらない。
「大丈夫。お前に有利なように先に武器を選ばせる。そっちもそれでいいな? 」
牢で見守る王子が叫んで答える。
「よし決まりだ。だったら他の者は一歩も動くな! これは二人の戦いだからな」
「ほらよ! 」
ポルフェは取引に応じ鍵束を投げる。
「よし開いた」
王子のみを解放すると再び鍵を閉めポルフェに返す律儀なタルシム。
何て堂々としてるのでしょう? これでは相手だって騙される。
「正々堂々と戦ってもらう。他の者はそこを動くな。
国王様も安全が保障されるまで大人しく願います」
「分かった。ダルシムよ本当に王子は勝てるんだろうな? 」
国王は勝算があってやってると信じこんている。でもそれは実際に戦わなくては。
タルシムは敢えて否定も肯定もしない。
こうしてタルシムを見届け人にして王子とポルフェが交えることに。
二人は表に出て正々堂々と戦う。
次期国王の座をかけての決闘。
私は大人しくしてることを条件にその場にいることを許された。
「では約束です。好きな武器をお持ちください」
マッギに持たせた警備隊用の一般的な剣。
コーコに持たせた恐ろしいほど黒光りする名刀もどき。
それからお父様の剣。
この三つから選ばせる。
「うーん。やはりこれかな」
ポルフェは何の迷いもなく名刀もどきを手に取る。
「本当にそれでいいな? 」
「ああ他のものに比べてよく光っている。これは別格だ。
ポルフェは武器に疎く見た目だけで判断してしまう素人。
さすがに手下が使っていた剣には見向きもしない。
「うーん。こっちも悪くないがな。あの間抜けが使っていたのだろう? 」
ポルフェはお父様が使えないと決めつけてその剣にまでケチをつける。
「では次! 」
王子はどちらを選ぶのか?
「うん。これでいいだろう」
お父様の剣を手に取る。
「よしこれで二人とも文句ないな? では次期国王の座を掛けて決闘開始! 」
さあ果たして勝敗の行方は?
もしポルフェが勝てばこの国が終わりかねない状況。
ですがこれも約束事。反故にはできない。
「行くぞ王子! その生意気な面を切り刻んでやる! 」
怒りに身を任せて無茶苦茶に振り回す素人のポルフェ。
「国王の名のもとにお前を駆逐する! 」
随分格好をつけた王子。その代償を払わなければいいのですが。
あの王子ですから心配で仕方がない。
でも大丈夫よね? もしもの時にはタルシム様がお助け下さるはず。
「王子覚悟! 」
「負けるか! 」
こうしてついに戦いの火ぶたが切られた。
結果は……
十分が経ちようやく決着。
すぐにタルシムによって救出された国王以下。
急いで決戦の舞台に駆け付ける。
「よくやった王子! 」
国王大喜び。
「それはそうだろうよ」
当たり前だと冷静過ぎるマッギ。
「もうマッギ! こんなお祝いムードに水を差さないの! 」
コーコは窘めつつ喜ぶ。
「クレーラよ。これで我々親子も本当の意味で救われたな」
お父様は喜びの涙を流す。
「お父様! 」
胸に飛び込む。
「よくやったなお前」
「タル…… 」
王子たちも抱擁を交わす。
「おーい…… まだ儂は生きてるんだがね…… 」
これでほぼ作戦終了。
後始末にかかる。
続く
私を人質にポルフェ逃亡。
そこにマッギとコーコと謎の男の三人が乱入。
逃亡者・ポルフェは取り囲まれてしまう。
「いいのか? この女がどうなっても知らんぞ! 」
未だに私を人質に逃走を図ろうともがく。
「だから早くしろって! 俺はどっちでも構わない」
マッギは本気らしい。
「裏切り者! 一番弟子でしょう? 」
「おいおい興奮するなよ。俺はどっちでも良いと言っただけだろ?
やるかやらないかは二分の一。この男次第だ。そうだろ爺さん? 」
下手な言い訳に終始するマッギ。結局裏切る気満々じゃない。
「まったくどいつもこいつも。新国王に向かって無礼であろう! 」
ポルフェは我慢の限界だと怒り狂う。これもマッギの作戦? そんなはずないか。
「おい! 姫を解放しろ! 」
謎の男がマッギを制して前に出る。
「いえ…… ですからこいつは姫ではなくただの怖い婆さんとこの我がまま娘」
訂正するマッギ。本当に憎たらしいんだから。もう許せない!
それに対してこの素敵な方は恐らく……
「姫を放せ! 容赦しないぞ! 」
興奮する謎の男。それほどまでに私が心配なのでしょう。
熱い思いが伝わってくる。
「ははは…… それはできん相談だな」
余裕のポルフェが笑い飛ばす。
「何だと! ふざけるな! 」
怒りをぶちまける謎の男。
「その声…… お前はまさかタル? タルシムなのか? 」
王子がついに謎の男の正体に気が付く。
「ああそうだ。俺はリョウガ王国王子のタルシムだ! 援軍にやって来た」
「ウソ? あなたがタルシム様? 」
どうやら本当に大ピンチに駆け付けてくれたらしい。
「おおクレーラ! 怪我はないか? 今すぐ助けてやるからな」
「遅いぞタル。まったく何をしてたんだ? 」
「ははは…… 馬車がちょっとな。まあいいだろう? 間に合ったんだから」
呑気なタルシム。そう言えば我が王子も。
「おいお前たち! この新国王を無視するんじゃない! 」
我慢の限界を超えたポルフェが嚙みつく。
「これ以上舐めた真似をしたらこの女の命はない! 」
「まあまあ落ち着いて」
そう言って距離を縮めるタルシム。
「近づくなと言ってるだろう? この愚か者めが! 」
「だから爺さん。もう逃げられないって。大人しく観念しな」
「凶器を捨ててクレーラを放しなさい! 」
マッギとコーコも前へ。
「動くでない! 何度言えば理解するんだお前たちは」
呆れるポルフェにお構いなしに近づく三人。
包囲網は完成されつつある。
「もう逃げられないぞ! 」
ポルフェとの戦いも最終局面。
「今は膠着状態が続いている。俺たちもお前もどうしようもない状況だ。
ここで一つ提案がある。王子と決闘し次の国王を決めるのはどうだ? 」
意外な提案をするタルシム。果たして彼の狙いは?
「ああん? ふざけたことを抜かすな! 新国王に向かって無礼であろう」
一歩も引かないポルフェ。これではいつまで経っても終わらない。
「大丈夫。お前に有利なように先に武器を選ばせる。そっちもそれでいいな? 」
牢で見守る王子が叫んで答える。
「よし決まりだ。だったら他の者は一歩も動くな! これは二人の戦いだからな」
「ほらよ! 」
ポルフェは取引に応じ鍵束を投げる。
「よし開いた」
王子のみを解放すると再び鍵を閉めポルフェに返す律儀なタルシム。
何て堂々としてるのでしょう? これでは相手だって騙される。
「正々堂々と戦ってもらう。他の者はそこを動くな。
国王様も安全が保障されるまで大人しく願います」
「分かった。ダルシムよ本当に王子は勝てるんだろうな? 」
国王は勝算があってやってると信じこんている。でもそれは実際に戦わなくては。
タルシムは敢えて否定も肯定もしない。
こうしてタルシムを見届け人にして王子とポルフェが交えることに。
二人は表に出て正々堂々と戦う。
次期国王の座をかけての決闘。
私は大人しくしてることを条件にその場にいることを許された。
「では約束です。好きな武器をお持ちください」
マッギに持たせた警備隊用の一般的な剣。
コーコに持たせた恐ろしいほど黒光りする名刀もどき。
それからお父様の剣。
この三つから選ばせる。
「うーん。やはりこれかな」
ポルフェは何の迷いもなく名刀もどきを手に取る。
「本当にそれでいいな? 」
「ああ他のものに比べてよく光っている。これは別格だ。
ポルフェは武器に疎く見た目だけで判断してしまう素人。
さすがに手下が使っていた剣には見向きもしない。
「うーん。こっちも悪くないがな。あの間抜けが使っていたのだろう? 」
ポルフェはお父様が使えないと決めつけてその剣にまでケチをつける。
「では次! 」
王子はどちらを選ぶのか?
「うん。これでいいだろう」
お父様の剣を手に取る。
「よしこれで二人とも文句ないな? では次期国王の座を掛けて決闘開始! 」
さあ果たして勝敗の行方は?
もしポルフェが勝てばこの国が終わりかねない状況。
ですがこれも約束事。反故にはできない。
「行くぞ王子! その生意気な面を切り刻んでやる! 」
怒りに身を任せて無茶苦茶に振り回す素人のポルフェ。
「国王の名のもとにお前を駆逐する! 」
随分格好をつけた王子。その代償を払わなければいいのですが。
あの王子ですから心配で仕方がない。
でも大丈夫よね? もしもの時にはタルシム様がお助け下さるはず。
「王子覚悟! 」
「負けるか! 」
こうしてついに戦いの火ぶたが切られた。
結果は……
十分が経ちようやく決着。
すぐにタルシムによって救出された国王以下。
急いで決戦の舞台に駆け付ける。
「よくやった王子! 」
国王大喜び。
「それはそうだろうよ」
当たり前だと冷静過ぎるマッギ。
「もうマッギ! こんなお祝いムードに水を差さないの! 」
コーコは窘めつつ喜ぶ。
「クレーラよ。これで我々親子も本当の意味で救われたな」
お父様は喜びの涙を流す。
「お父様! 」
胸に飛び込む。
「よくやったなお前」
「タル…… 」
王子たちも抱擁を交わす。
「おーい…… まだ儂は生きてるんだがね…… 」
これでほぼ作戦終了。
後始末にかかる。
続く
0
あなたにおすすめの小説
結婚して3年経っても子供ができないという理由で離縁されたエマは、前世の記憶を思い出して幸せになる。周りが勝手に復讐してくれました。
山田 バルス
恋愛
結婚三年目の春、エマは伯爵家の夫アンドレオから突然、側室を迎える話を告げられる。子をなせなかったことを理由に、彼女は僅かな補償のみで離縁された。妻として過ごした三年間は「無価値だった」と突きつけられ、エマは貴族社会から静かに切り捨てられる。
また実家の父母の墓参りに行くと、当主になっていた兄に離縁金を奪われてしまう。
大ピンチのエマには、秘密があった。なんと彼女は幼少期に前世の記憶を思い出していたのだ。
かつて観光地で石を磨き、アクセサリーを作り、人に喜ばれる仕事をしていた人生。何も持たない今だからこそ、もう一度「自分の手で生きる」ことを選び、あの人が住む商業国家スペイラ帝国へ向かう決意をする。
国境への道中、盗賊に襲われるが、護衛兵ロドリゲスの活躍で難を逃れる。彼の誠実な態度に、エマは「守られる価値のある存在」として扱われたことに胸を打たれた。
スペイラ帝国では身分に縛られず働ける。エマは前世の技術を活かし、石を磨いてアクセサリーを作る小さな露店を始める。石に意味を込めた腕輪やペンダントは人々の心を掴み、体験教室も開かれるようになる。伯爵夫人だった頃よりも、今の方がずっと「生きている」と実感していた。
ある朝、ロドリゲスが市場を訪れ、エマの作ったタイガーアイの腕輪を購入する。ところがその夜、彼は驚いた様子で戻り、腕輪が力を一・五倍に高める魔道具だと判明したと告げる。エマ自身は無意識だったが、彼女の作るアクセサリーには確かな力が宿っていた。
後日二人は食事に出かけ、エマは自分が貴族の妻として離縁された過去を打ち明ける。ロドリゲスは強く憤り、「最悪な貴族だ」と彼女と一緒になって怒ってくれた。その気持ちが、エマにとって何よりの救いだった。彼は次に防御力を高める腕輪を依頼し、冒険者ギルドで正式な鑑定を受けるよう勧める。
翌日、冒険者ギルドで鑑定を行った結果、エマの腕輪は高い防御効果を持つことが判明。さらに彼女自身を鑑定すると、なんと「付与特化型聖女」であることが明らかになる。聖女が付与した魔道具は現実の力として強く発現するのだ。
価値がないと切り捨てられた人生は、ここでは確かな力となった。スペイラ帝国で、聖女エマの新しい人生が、静かに、そして輝かしく始まる。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです
鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。
理由は――
「王太子妃には華が必要だから」。
新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。
誰もが思った。
傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。
けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。
「戻りません」
彼女は怒らない。
争わない。
復讐もしない。
ただ――王家を支えるのをやめただけ。
流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。
さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。
強いざまあとは、叫ぶことではない。
自らの選択で、自らの立場を削らせること。
そして彼女は最後まで戻らない。
支えない。
奪わない。
――選ばれなかったのではない。
彼女が、選ばなかったのだ。
これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる