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海沿いの村の親切な村人たち
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ハックはまだ納得が行ってないようだ。
岩カキだと思ったら干し柿でしたと笑えないジョーク。
「ちっくしょう何でだよ! 」
「ほらハック。我慢しなさい! 時期が悪かったんだから」
エクセルが宥める。それでもまだ震えるぼったくり被害者のハック。
堂々と観光客をぼったくるとは舐められたもの。
ここまであからさまだと逆に清々しい気もする。
危ない危ない。変なのは頼めないな。よしだったらこれだ。
「イカ焼き一つ」
さすがにこれは大丈夫だろう。
「ほいたこ焼きだよ」
何とイカ焼きがたこ焼きに変化した。
「ちょっとこれ…… 」
「ごめんよ。イカはダメなんだ。海の妖精アニーサが憑りついて食べれやしない」
ハックとはまた違った理由。食用に適さないそうだ。
だったらメニューに載せるなよな。
「たこ焼きで良いだろ兄ちゃん」
だがもちろん新鮮なはずもなくどこの屋台にでもあるようなたこ焼き。
これで我慢しろとは納得できない。
基本的にぼったくりが常態化してるのでは? しかも村ぐるみで。
全く信用ならない連中だ。
「いい加減にしろ! まともなのをよこしやがれ! 」
我慢の限界で口が悪くなる。
昨日からロクなものを食べてない。今はイカ焼きが食べたい気分なんだ。
我慢出来るか! もちろん昨夜のモンスター尽くしに比べれば絶品だけどさ。
でもこれとそれとは話が別。
ただ…… イカ焼きが食べたかっただけなんだ。うおおお!
警告! 警告!
まずい堪えきれずに四枚目を喰らってしまった。
追い込まれてしまった。もう怒れない。一言だって悪口が言えない。
「ごめんね。これで我慢してくれるかい? 」
なければ代わりでが我慢するしかないか…… 食べたかったのにな。
「イカ焼きよりたこ焼きの方がメジャーだし何と言っても食べやすい。
イカ焼きはかみ砕かないと呑み込めないだろ? 」
そのモグモグするところが良いんだけどな。仕方なく頷く。
これ以上はダメだ。五枚目を喰らう。冷静に冷静に。巻き込まれてもダメ。
何気なしに言った言葉が相手を深く傷つければ警告をもらうことに。
「ははは…… たこ焼きお願いします」
警告のプレッシャーからぼったくりに屈してしまう。
エクセルはそれを見て無難なものを選ぶ。
「カレーライス」
明らかに海の幸ではないがここでならシーフードカレーだろうと予想。
「ほいレトルトだよ」
しかもパックは自分で開ける。セルフ式。
肉もほとんど見当たらず相当安く抑えたと見ていい。
一口味見したらおかしな苦さ。ごまかすために香辛料をふんだんに使ったのだろう。
でもこれだと逆に単価が上がる気もするが。その辺のところはどうなんだろう?
せめて普通であってくれ。そう思うばかり。
三人合計四千ドットを超える。
観光客の足元を見る商売。
仕方なくエンゼルカードでお支払い。
インフレぼったくり店は今日も変わらずに元気に営業中。
食事を終える。
さあ後はアンを見つけるだけ。
ぼったくり店を後にし再び海岸沿いを歩く。
ポツポツ
ポツポツ
小雨が降りだしたと思ったらすぐにまとまった雨になる。
天気の急変はこの辺りではよくあることらしい。
風がいつも強く天候が安定しないそう。
まあ俺たちのは関係ないけれどね。
「まずいわ。羽根が濡れる」
妖精さんが慌てる。
「ははは…… 天使でもあるまいし…… 」
「だから妖精は天使でもあるの! 天使は神の使いで私はモンスターの使い。
誰がトップかの違いでほとんど変わらない」
「確かにそう言えなくもないが…… エンゼルカードもあることだし」
「ほら馬鹿言ってないで雨宿りするわよ! 」
もうすぐ見えるはずだがここは一旦雨宿りを優先することに。
「濡れれば重くて飛べない。さらに強風と大雨で羽根が傷めば一生飛べなくなる。
そうなれば堕天使になってしまう。私どうしたら…… 」
大げさなエクセル。いつになく真剣な表情。
「大丈夫だって。堕天使じゃなくて堕妖精だろう? 」
間違いを正す。まずは落ち着いて己を見つめ直せばきっと何とかなる。
「そうだな。堕天使と言うよりゴミ虫があってるんじゃないか」
付け加えるハック。言い過ぎな感もある。
「何ですって! これは言葉の暴力では? 」
仲間だと言うのに非情にも五枚目を提示するように求める鬼の妖精さん。
誰に? どこに?
ハックだけだよな? 俺は関係ないよな。俺はただ訂正しただけだし。
「ハック言い過ぎだぞ! 」
巻き込まれる前にハックをいけにえにする。これでいい。これで俺だけは助かる。
だが警告なし。
五枚目と言うことで慎重な判断をしてくれたようだ。
ギリギリセーフ。
ハックと抱き合い生還を分かち合う。
続く
岩カキだと思ったら干し柿でしたと笑えないジョーク。
「ちっくしょう何でだよ! 」
「ほらハック。我慢しなさい! 時期が悪かったんだから」
エクセルが宥める。それでもまだ震えるぼったくり被害者のハック。
堂々と観光客をぼったくるとは舐められたもの。
ここまであからさまだと逆に清々しい気もする。
危ない危ない。変なのは頼めないな。よしだったらこれだ。
「イカ焼き一つ」
さすがにこれは大丈夫だろう。
「ほいたこ焼きだよ」
何とイカ焼きがたこ焼きに変化した。
「ちょっとこれ…… 」
「ごめんよ。イカはダメなんだ。海の妖精アニーサが憑りついて食べれやしない」
ハックとはまた違った理由。食用に適さないそうだ。
だったらメニューに載せるなよな。
「たこ焼きで良いだろ兄ちゃん」
だがもちろん新鮮なはずもなくどこの屋台にでもあるようなたこ焼き。
これで我慢しろとは納得できない。
基本的にぼったくりが常態化してるのでは? しかも村ぐるみで。
全く信用ならない連中だ。
「いい加減にしろ! まともなのをよこしやがれ! 」
我慢の限界で口が悪くなる。
昨日からロクなものを食べてない。今はイカ焼きが食べたい気分なんだ。
我慢出来るか! もちろん昨夜のモンスター尽くしに比べれば絶品だけどさ。
でもこれとそれとは話が別。
ただ…… イカ焼きが食べたかっただけなんだ。うおおお!
警告! 警告!
まずい堪えきれずに四枚目を喰らってしまった。
追い込まれてしまった。もう怒れない。一言だって悪口が言えない。
「ごめんね。これで我慢してくれるかい? 」
なければ代わりでが我慢するしかないか…… 食べたかったのにな。
「イカ焼きよりたこ焼きの方がメジャーだし何と言っても食べやすい。
イカ焼きはかみ砕かないと呑み込めないだろ? 」
そのモグモグするところが良いんだけどな。仕方なく頷く。
これ以上はダメだ。五枚目を喰らう。冷静に冷静に。巻き込まれてもダメ。
何気なしに言った言葉が相手を深く傷つければ警告をもらうことに。
「ははは…… たこ焼きお願いします」
警告のプレッシャーからぼったくりに屈してしまう。
エクセルはそれを見て無難なものを選ぶ。
「カレーライス」
明らかに海の幸ではないがここでならシーフードカレーだろうと予想。
「ほいレトルトだよ」
しかもパックは自分で開ける。セルフ式。
肉もほとんど見当たらず相当安く抑えたと見ていい。
一口味見したらおかしな苦さ。ごまかすために香辛料をふんだんに使ったのだろう。
でもこれだと逆に単価が上がる気もするが。その辺のところはどうなんだろう?
せめて普通であってくれ。そう思うばかり。
三人合計四千ドットを超える。
観光客の足元を見る商売。
仕方なくエンゼルカードでお支払い。
インフレぼったくり店は今日も変わらずに元気に営業中。
食事を終える。
さあ後はアンを見つけるだけ。
ぼったくり店を後にし再び海岸沿いを歩く。
ポツポツ
ポツポツ
小雨が降りだしたと思ったらすぐにまとまった雨になる。
天気の急変はこの辺りではよくあることらしい。
風がいつも強く天候が安定しないそう。
まあ俺たちのは関係ないけれどね。
「まずいわ。羽根が濡れる」
妖精さんが慌てる。
「ははは…… 天使でもあるまいし…… 」
「だから妖精は天使でもあるの! 天使は神の使いで私はモンスターの使い。
誰がトップかの違いでほとんど変わらない」
「確かにそう言えなくもないが…… エンゼルカードもあることだし」
「ほら馬鹿言ってないで雨宿りするわよ! 」
もうすぐ見えるはずだがここは一旦雨宿りを優先することに。
「濡れれば重くて飛べない。さらに強風と大雨で羽根が傷めば一生飛べなくなる。
そうなれば堕天使になってしまう。私どうしたら…… 」
大げさなエクセル。いつになく真剣な表情。
「大丈夫だって。堕天使じゃなくて堕妖精だろう? 」
間違いを正す。まずは落ち着いて己を見つめ直せばきっと何とかなる。
「そうだな。堕天使と言うよりゴミ虫があってるんじゃないか」
付け加えるハック。言い過ぎな感もある。
「何ですって! これは言葉の暴力では? 」
仲間だと言うのに非情にも五枚目を提示するように求める鬼の妖精さん。
誰に? どこに?
ハックだけだよな? 俺は関係ないよな。俺はただ訂正しただけだし。
「ハック言い過ぎだぞ! 」
巻き込まれる前にハックをいけにえにする。これでいい。これで俺だけは助かる。
だが警告なし。
五枚目と言うことで慎重な判断をしてくれたようだ。
ギリギリセーフ。
ハックと抱き合い生還を分かち合う。
続く
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