言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

文字の大きさ
80 / 200

変態人間 ライトニングの正しい使い方

しおりを挟む
真っ暗な洞窟内。いくら夜目が利くと言っても限界がある。
いやああ!
突然アプリンの悲鳴が響き渡る。
「どうした? 」
「何? 何があったの? 」
すかさずハックとエクセルが反応。
「お願い何とかして! 」
「うわああ! 」
暗闇の中いきなり抱き着かれてパニック寸前。
でもよく考えると抱き着いてきたのはアプリンだろう。
震えてどうする? まずは深呼吸。
抑えて抑えて。格好良く行こう。

「大丈夫かアプリン? 」
「ごめんなさい。体を触られたの。気持ち悪くて気持ち悪くて」
何だよビックリさせないでくれよ。一瞬何事かと思ったぜ。
俺だって体を抱き着かれたからな…… アプリンにだけどさ。
気持ちよくて気持ちよくて。
おっと…… おかしな感想を言えば誤解を招く恐れがある。
「お願い早く! 」
アプリンは触られたと言うが事実ならハックめ何て大胆な奴。
「きゃああ! まだ触って来る! 早く! 早く! 」
慌てるアプリンはパニック寸前。
まずは落ちつくように促す。

「こらハック! いい加減にしろよな! 隊の秩序を乱すんじゃない! 」
ハックの悪ふざけを決して許さない。
暗闇に紛れて欲望を満たそうとする悪者は許さない。
たとえ仲間でも許すものか。
「あん? 俺がどうしたって? 」
「何で目の前にいるんだよ! 」
「知るかよ! 勝手だろ! 」
「そうだけど…… あれおかしいな」
ハックでないとしたら声しか聞こえないエクセルが怪しい。
「エクセル…… 君って奴は」
「ふざけないで! 私のはずないでしょう? 」
怒りのピンタを喰らう。
「冗談に決まってるだろう? ははは…… 」
いや俺は信じてたよ。でも他にいないし… まさか俺なのか?

「アプリン。今でも触ってるのか? 」
「うん! お願い早く取ってよ! 」
ハックは前にいる。エクセルも違う。だとすれば犯人は誰だ?
それとも暗闇に乗じておかしな技でアプリンをハックが?
「見損なったよハック! 君なんだろ? お願いだから名乗り出てくれ! 」
やはりハックが怪しい。他に考えられない。
「おいおいそれは無理があるって。いくらゲンでも怒るぞ! 」
怒り出す始末のハック。これは怪しい。

「皆動かないで! 」
エクセルがライトを照らす。だが光量が弱くほとんど見えない。
ここはダンジョンでただでさえ暗いのに闇はどんどん濃くなって行く。
深く暗い底の底。そこに俺たちはいる。比喩だけどね。
「ダメみたい…… 」
「ライトニングを使えば? 」
「ああ…… 忘れてた。これってこういう時にも使えたわね」
ごく一般的な使い方のはずなのにエクセルには意外だと。
「早く! 」
「もうあなたの奇行専門だと…… ライトニング! 」
こうして謎の光が放たれた。
いつもはタイミングよく大事なところを隠すためのもの。
若干遅れるのでそこだけは修正する必要がある。
だからって本来の用途を忘れるなよな。

ライトニングによって暴かれた謎の物体。
「うえええ! 眩しい! その光を向けるんじゃねえ! 」
変態人間が現れた。

「何だこいつは? 」
「闇夜に女の子を狙う変態。と言ってもモンスターと人間のハーフ。
あなたたちが理性を失くした時によく似てるけど似て非なるものよ」
エクセルのイマイチよく分からない説明。適当に受け流す。
「そうするとこいつはここに棲みついてるのか? 」
「ええ変態人間は暗闇を好むの」
「どうする? 言葉の暴力で…… 」
「駄目よ! もう正体を知ってしまった。ハーフでは警告を二つもらうことに。
それではたとえ倒しても警告地獄に。一匹とは限らない」
エクセルの助言はもっともだがよく考えればアプリンがいる。

「アプリン。俺の警告を消してくれ! 」
「もちろん。だから早くその化け物を! 」
これで問題解決。消滅させられるぞ。
「待って! ダンジョン内ではその魔法は無効になる」
「嘘? 私の能力が無効? 」
ショックを隠せないアプリン。
さすがは案内役の妖精さん。すべてを知り尽くしている。
「だったらどうするのよ? 」
「ここは説得して真人間に戻す」
エクセルは無茶を言う。真人間になど戻しようがない。

「あの…… そろそろお暇しまして…… 」
礼儀正しい変態人間は挨拶を済まし逃げようとする。
「待ちなさい! 勝手に触って良いと思ってるの? 」
エクセルによる長い説教が始まった。

悪いのはこいつだから仕方ないけど。なぜ俺たちまで付き合う訳?
ハックは分かるけどさ。せめて正座は勘弁してよ。足が痛い。

              続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

処理中です...