言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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お説教で真人間に

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闇夜に待ち伏せる変態人間。
モンスターと人間のハーフだと言うが……
たとえ人間だったとしてそれはそれで気持ち悪く嫌なものだ。

「それではこれで」
「待ちなさい変態! 勝手に触って良いと思ってるの? 」
「いえ変態人間ですから。お間違いのないように」
変態人間は紳士に振る舞っている。
それもそのはず彼らの強みの暗闇が消え光に照らされれば抵抗する力はない。
「どっちだっていいからそこに座りなさい! 」
エクセルによる長い説教が始まった。

なぜか変態人間の隣にはハックが正座させられている。
「俺悪くないんだけどな…… 」
「ははは…… ハックは馬鹿だな。邪な心を見抜かれたか? 」
「いやだから俺は悪くないって! 」
「お静かにハックさん。ゲンさんもお座りなさい」
とばっちりを受ける。完全なとばっちりだよ。俺が何をした?
なぜ俺までこんなところで正座しなければいけないんだ?
あまりにも理不尽な扱い。
大体俺は主役だからいいところ取りするのが当然で……

ブツブツ
ブツブツ
「ほら文句言ってないでしっかり正座する」
容赦ないエクセル。
「どう? 反省した? 」
「けけけ…… 反省って何だよ? 馬鹿じゃねえか? 」
口も態度も悪い変態人間。
更生の道は閉ざされた?

「あんたが反省して真人間にならないと二人もこのままよ。連帯責任だからね! 」
だがもちろん反省の言葉を述べない。
このままでは俺たちもずっと正座させられることに。
一時間? 一日? 一週間? 想像するだけで涙が出てくる。
そろそろ足の感覚がないんですけど……

うおおお!
ハックが限界。喚き始めた。
それだけ過酷なお仕置きだということ。
「もうこれくらいでいいんじゃない? 」
お助けの女神アプリンが口を挟む。
「駄目よ! 甘やかすとロクなことにならないんだから! 」
エクセルは退かない。
アプリンも睨みつける。
「あんたやる気? 」
「ゲンちゃんは関係ないじゃない! 」
「それはハックも同じよ! 」
「分かってるなら解放してあげなさいよ! 」
ついに女同士の戦いが勃発。
まさか俺の為に戦うとはこれ以上見てられない。

「うわああ! 痛い! 」
足が痺れて立ち上がれない。
何て拷問をしやがるんだ。
だがハックはもっと症状が深刻。
変態人間も下を向いてしまった。
「ふう…… どうやら限界みたいね。どう反省した? 」
変態人間は首を縦に振る。
「だったらこのダンジョンからの脱出方法を教えなさい! 」
そうかこれがエクセルの狙いだったのか。
とんでもない妖精さんだ。俺たちは巻き込まれた形。
反省損のお仕置きされ損。
「それは…… 言えないんだ」
反省したかと思ったらそうでもなかった。
「続行する気? ふふふ…… 別にいいのよ楽しみましょうか」
明らかにおかしいエクセル。どうしてしまったのだろう?
「冗談です。お教えします! 」
ついに変態人間は折れる。とは言え真人間になったかは不明。

「それで? 」
「よく雑魚キャラが落としていくようなカードを十枚集め一か所に置く。
そうすると言葉の暴力により壁に穴があく。今ここは行き止まりだろ?
この向こうは出口だ。だからここに置けば一気に出口へ」
痛みに耐えかね嘘など吐く余裕はないらしい。
「ちょっとそれ本当? 」
エクセルは訝しむ。あまりに素直だから疑ってる様子。
俺だって信じられないが拷問を受ければ誰だってこうなるさ。
たとえまともな人間でなかったとしても。
俺たちは拷問から解放されて転がってる状態。
もう少し休息が欲しいな。
「ああ本当だ。でも気をつけろレアカードが一枚でもあると無効になる。
レアカードはそれだけで役に立つから相性が悪いのさ」
「ありがとう。真人間になったみたいで嬉しいわ」
変態人間から真人間への道のりはそれは険しいものだった。
正座はそれほど人を変えてしまうもの。

「へへへ…… 感謝の気持ちにキスぐらい? 」
駄目だちっとも懲りてない。
エクセルの好意を踏みにじる暴挙。
「消えな! 」
エクセルの怒りは頂点に。
そそくさと逃げて行く元変態人間。
これでいい。これで。

「ほら出しなさいよゲン! 」
やっぱりダメだ。
最悪の雰囲気にしやがってあの変態! 俺たちが被害を被るじゃないか。
こうしてカード十枚を消費。
言葉の暴力で壁に穴が空く。

「おい! 出口だ! 光が見える! 」
エクセルはまだ機嫌が悪くアプリンもそんな気分じゃないのでハックと抱き合う。
ダンジョンを抜けると目の前には一軒の家が。

                  続く
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