98 / 200
ドラストキヨシで情報収集
しおりを挟む
では会計。
「おい! そこは儂が並んでいたんだ! 割り込みおって! 」
言いがかりをつける困ったお爺さんと遭遇。
込み上げる怒りを堪えてここは大人しく従う。後ろにつく。
「あれお爺さんも船に? 」
大量の食糧と旅行グッズ。これは間違いない。
「何じゃお前らもか? ではな」
そう言ってとっとと行ってしまった。
マイペースな爺さんだ。俺が先に並んだのによ。
「あの…… お客様。お会計がお済ではないのですが」
危うく列から離れるところだった。
店員の疑いの目が刺さる。いやまさか……
とんでもない量を買い込んだので持ち逃げは不可能。
さあどうしようかな。
「ほらエンゼルカードを! 」
「エンゼルカード? 何ですかそれ? 」
うわダメだ。持ってない。使い放題のエンゼルカードがない。
これはまずい。非常にまずい状況。
後ろにはまだかとイライラした客が列をなす。
ここで返却すれば彼らにも迷惑が掛かる。
でも正直お金はないし…… 代わりもない。
「おい何とかしろアトリ! 」
「お任せくださいご主人様! 二十四金で支払います」
「ちょっとお客さん。これでは足らないよ。あと百ドットね」
店員さんも迷惑そう。これはまずい。
「ではもう一個追加で」
何だよアトリの奴め驚かせやがって。危うく土下座するところだったじゃないか。
たぶんそれでも許してもらえずにいくらかは返さないといけないだろう。
そうなったら後ろの人に睨まれ罵声を浴びせられる。
もちろんそんな奴には言葉の暴力で対抗するけどね。
「ありがとうございました」
お釣りは面倒なので受け取らないと言うとうって変わって笑顔。
現金な店員さん。
こうして準備は整った。
では仲間探しでもしますか。
「地図を見せてくれ! 」
「そんなのありませんよ。ご主人様」
「そうかそうか。だったら酒場にでも案内してくれ」
ドンテの近くにはレストランやカフェが立ち並んでいる。
そのどこかにバーでもあればいいんだが。
「ノーデーターです」
「ロボットか? 」
「違います。そのようなものはご主人様自らお集めください。
アトリはあくまで協力者なのですから」
生意気を言いやがる。第三世界のスペシャリストじゃないのか?
これならドンテで聞いておけばよかった。
ドラストキヨシに寄ることにした。
薬とドリンクとシップと日焼け止めと虫刺されを購入。
「またお越しください」
ウサギ耳をした店員が挨拶をする。
やはりウサギ耳を着けると誰でも可愛くなれる。
このお姉さんは元がいいから関係ないだろうけれど。
「ああそうだ。この近くにバーありませんか? 」
地元の人に聞くのが手っ取り早い。
「済みません。最近引っ越したもので店長にでもお聞きください」
ボタンを押すと店長が姿を見せる。
「申し訳ありません。このバニーガールが何かしましたか? 」
何も言ってないのに平謝り。
「あのその…… 聞きたいことが」
うわ…… このおっさんもウサギ耳を着けてる。
どうやらこれはいわゆる変身タイプではない。
ドンテで売ってるようなパーティーグッズらしい。
可愛いらしいバニーにはなれないらしい。
可哀想だなと言う感想しかない。
「ご注文はウサギですか? 」
混乱した店長がとんでもないことを言い出す。
「そんなことあるか! 」
ついキレてしまう。
そうするとどこからか警告が発せられる。
これで累積警告①となった。
またこの展開かよ。
「失礼しました。それでどのようなご用件でしょうか? 」
クレームでないと分かった店長は笑顔で接する。
気持ち悪いな。まあ不愛想なのよりはいいけどさ。
「だからこの辺に夜のお店ない? 紹介して欲しいんだけど」
ようやく目的を伝えられる。
買い物したからこれくらい教えてくれるよね。
しかしその考えが甘かった。
「情報料は高いですよ」
店長は元情報屋だそう。だからその辺はシビアなのだとか。
「いやああ! 」
可愛らしい店員のお姉さんが悲鳴を上げる。
「済まななったね。隠すつもりはなかったんだ。ただ裏社会に憧れて」
どうやら二人は付き合ってるらしい。
迷惑だからバーの場所だけ教えてくれよな。
「この二十四金でいい? 」
「ああもうご主人様! 勝手に」
アトリはほっぺを膨らませて怒って見せる。何て可愛らしいんだろう。
「では…… その前に」
もったいぶる元情報屋の店長。今も現役だな。
「あなたは小学生とお見受けしました。
そのような身分では大人の夜のお店には相応しくないかと思います。
ボディーガードのモンスターにボコボコにされて泣かされるのがオチですよ。
一昨日行くのがベストですね」
うわ…… 暗に否定された。
「あの俺小学生でもないし大人のお店に行く気もないよ。
ただバーに用があるんだ」
「バーですか。でしたらこの町の外れに細々とやっているバーがあります。
ただ治安が良いとは決して言えません。あまりお勧めしません」
さっそく行ってみる。
危険度マックスのバーに潜入開始。
続く
「おい! そこは儂が並んでいたんだ! 割り込みおって! 」
言いがかりをつける困ったお爺さんと遭遇。
込み上げる怒りを堪えてここは大人しく従う。後ろにつく。
「あれお爺さんも船に? 」
大量の食糧と旅行グッズ。これは間違いない。
「何じゃお前らもか? ではな」
そう言ってとっとと行ってしまった。
マイペースな爺さんだ。俺が先に並んだのによ。
「あの…… お客様。お会計がお済ではないのですが」
危うく列から離れるところだった。
店員の疑いの目が刺さる。いやまさか……
とんでもない量を買い込んだので持ち逃げは不可能。
さあどうしようかな。
「ほらエンゼルカードを! 」
「エンゼルカード? 何ですかそれ? 」
うわダメだ。持ってない。使い放題のエンゼルカードがない。
これはまずい。非常にまずい状況。
後ろにはまだかとイライラした客が列をなす。
ここで返却すれば彼らにも迷惑が掛かる。
でも正直お金はないし…… 代わりもない。
「おい何とかしろアトリ! 」
「お任せくださいご主人様! 二十四金で支払います」
「ちょっとお客さん。これでは足らないよ。あと百ドットね」
店員さんも迷惑そう。これはまずい。
「ではもう一個追加で」
何だよアトリの奴め驚かせやがって。危うく土下座するところだったじゃないか。
たぶんそれでも許してもらえずにいくらかは返さないといけないだろう。
そうなったら後ろの人に睨まれ罵声を浴びせられる。
もちろんそんな奴には言葉の暴力で対抗するけどね。
「ありがとうございました」
お釣りは面倒なので受け取らないと言うとうって変わって笑顔。
現金な店員さん。
こうして準備は整った。
では仲間探しでもしますか。
「地図を見せてくれ! 」
「そんなのありませんよ。ご主人様」
「そうかそうか。だったら酒場にでも案内してくれ」
ドンテの近くにはレストランやカフェが立ち並んでいる。
そのどこかにバーでもあればいいんだが。
「ノーデーターです」
「ロボットか? 」
「違います。そのようなものはご主人様自らお集めください。
アトリはあくまで協力者なのですから」
生意気を言いやがる。第三世界のスペシャリストじゃないのか?
これならドンテで聞いておけばよかった。
ドラストキヨシに寄ることにした。
薬とドリンクとシップと日焼け止めと虫刺されを購入。
「またお越しください」
ウサギ耳をした店員が挨拶をする。
やはりウサギ耳を着けると誰でも可愛くなれる。
このお姉さんは元がいいから関係ないだろうけれど。
「ああそうだ。この近くにバーありませんか? 」
地元の人に聞くのが手っ取り早い。
「済みません。最近引っ越したもので店長にでもお聞きください」
ボタンを押すと店長が姿を見せる。
「申し訳ありません。このバニーガールが何かしましたか? 」
何も言ってないのに平謝り。
「あのその…… 聞きたいことが」
うわ…… このおっさんもウサギ耳を着けてる。
どうやらこれはいわゆる変身タイプではない。
ドンテで売ってるようなパーティーグッズらしい。
可愛いらしいバニーにはなれないらしい。
可哀想だなと言う感想しかない。
「ご注文はウサギですか? 」
混乱した店長がとんでもないことを言い出す。
「そんなことあるか! 」
ついキレてしまう。
そうするとどこからか警告が発せられる。
これで累積警告①となった。
またこの展開かよ。
「失礼しました。それでどのようなご用件でしょうか? 」
クレームでないと分かった店長は笑顔で接する。
気持ち悪いな。まあ不愛想なのよりはいいけどさ。
「だからこの辺に夜のお店ない? 紹介して欲しいんだけど」
ようやく目的を伝えられる。
買い物したからこれくらい教えてくれるよね。
しかしその考えが甘かった。
「情報料は高いですよ」
店長は元情報屋だそう。だからその辺はシビアなのだとか。
「いやああ! 」
可愛らしい店員のお姉さんが悲鳴を上げる。
「済まななったね。隠すつもりはなかったんだ。ただ裏社会に憧れて」
どうやら二人は付き合ってるらしい。
迷惑だからバーの場所だけ教えてくれよな。
「この二十四金でいい? 」
「ああもうご主人様! 勝手に」
アトリはほっぺを膨らませて怒って見せる。何て可愛らしいんだろう。
「では…… その前に」
もったいぶる元情報屋の店長。今も現役だな。
「あなたは小学生とお見受けしました。
そのような身分では大人の夜のお店には相応しくないかと思います。
ボディーガードのモンスターにボコボコにされて泣かされるのがオチですよ。
一昨日行くのがベストですね」
うわ…… 暗に否定された。
「あの俺小学生でもないし大人のお店に行く気もないよ。
ただバーに用があるんだ」
「バーですか。でしたらこの町の外れに細々とやっているバーがあります。
ただ治安が良いとは決して言えません。あまりお勧めしません」
さっそく行ってみる。
危険度マックスのバーに潜入開始。
続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる