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ちりめん問屋
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海底の女神ミヨの協力を得て海底王国からの脱出を図る。
思い切りよく天狗のテープへ突っ込む。
天狗のテープは地上へ続いていた。
ここはどこだ?
真っ暗で何も見えない。
「あらお客さんかい? 」
ロウソクの火が灯る
よく見ると女性の姿が。
怪しげなマントで全身を隠しごっつい指輪を輝かせ水晶を拭く。
商売道具だからきれいに磨いてるんだろうな。
「あなたは占い師さん? いやよくいる夢師さん? 」
「失礼だね。勝手に入って来て。私が誰だろうと構わないだろうが?
そう言うのは私の仕事だよ」
ついつい見た目で判断したが正しかったらしい。
ただこの人が占い師なのか夢師なのかまでは判断がつかない。
「いや済まぬ。我々は決して不審な者ではなく…… ほれ挨拶せい! 」
爺さんが仕切り始める。何か物凄く嫌な予感。
「俺は言右衛門…… 」
「違うじゃろ? お主は八兵衛! そんなことも忘れたのか? 」
忘れたと言うか初めてと言うか。
調子に乗ったな爺さん? リーダーは俺なのに。
仕方ない付き合ってやるか。
「しかしご隠居。これで二度目ですぜ」
「二度目も三度目もあるか! ほれ他の者も挨拶せい! 」
「私はご主人様の忠実な…… 」
「だから違うじゃろ! お主はお銀であろう? 」
爺さんがアトリに暗示をかける。
「そうでした。妖精のお銀です。覗かないでね」
「ああん? 誰に言ってるんだい? それでもう一人のは何だって? 」
「うむ。こ奴はノコタンと言って儂の可愛くないペットじゃ。
ほれよく引かれてる馬がいるであろう? まあこ奴の場合は馬でなくシカじゃがな。
ほほほ…… ほれ挨拶せんか! 」
「何をしやがる爺! 」
我慢の限界のノコタンによって蹴り飛ばされる。
あぎゃああ!
悲鳴と共に壁に突き刺さる。
「ははは…… じゃじゃ馬でいかん。抜けん! ほれ八よ助けぬか! 」
かなり性格の悪いちりめん問屋の爺さん。超脇役じゃないか俺。
「しかしご隠居。ふざけるのはこれくらいで。用件を伝えてはどうですかい? 」
「何を言う一平! 」
「役柄では言わないで…… それに三平だし」
「ああん? お主は確か儂の大切な金をちょろまかした一平であろう? 」
「いえサンペイです! 」
「八! いい加減にせぬか! 一平であろう? 」
「サンペイです! 」
「なぜ認めようとせぬのじゃ? 」
「サンペイです! 」
「くくく…… この男の料理は喰えん奴じゃ! 」
「爺さん何言ってんだよ? 」
「馬は黙らっしゃい! ヒヒーンと鳴いてみよ! 」
「ヒヒーン! 」
「サンペイです! 」
「覗かないで! 」
「もううるさい! お前らが誰だって構わない。早く用件を言いな! 」
家主に怒られてしまった。だから言わんこっちゃない。全部爺さんのせい。
「今は何時かの? 」
「昼だよ。昼。それから? 」
てっきり夜中だと思ったら昼とは。どうやら部屋を真っ暗にしていたらしい。
「ここはどこ? 」
「ああここは第三世界の外れさ」
「儂は誰じゃ? 」
「だからどっかの偉い爺さんだろ? 」
ため息を吐かれて呆れられる。
当然か。これではただのおかしな爺さん。徘徊してる爺さんだ。
それにお供してる俺って何だろう?
「よし八! 新しい旅に参ろうかの」
「へい。ご隠居ってもういいっての! 」
「馬鹿者! 最後までやらせぬか! 」
「ヘイご隠居! 」
「では八さん、お銀さん、ついでにノコタンさん参りましょうか」
こうして爺さんはようやく満足したのだった。
爺さんに任せてると先に進まないので俺が代わることに。
「ここにアンと言う女性は来ませんでしたか? 」
「あーん? 知らないね」
「だったら流浪の民は? 」
「ああそれなら第四世界に行くって張り切っていたよ」
「それは何時頃じゃ? 」
爺さんが堪らずに口を出す。
「確か…… 十日ほど前だったかな。よく覚えてないけどね。
彼らは我が妹がお世話したってんで挨拶に来た。だからお礼にと占ってやった。
お前らもどうだい? タダで占ってやるよ」
「もしかしてあなたは…… 俺たちも妹さんに会いました。困ったら頼るようにと」
「ああそうなのかい。だったら尚更相談に乗らなきゃね」
ラッキー! これはついてるぞ。
「それで流浪の民は? 」
「そうだね。十日前だから恐らくもう第四世界に行っちまったよ」
「でしたら第四世界への行き方を教えて頂けませんか? 」
「そうじゃ。ケチケチせんで教えんか! 」
おっと爺さんがまた余計な一言で怒らせてしまったか。
「よし爺さんからだ! ほらお座り! 」
どうやら水晶占いらしい。
続く
思い切りよく天狗のテープへ突っ込む。
天狗のテープは地上へ続いていた。
ここはどこだ?
真っ暗で何も見えない。
「あらお客さんかい? 」
ロウソクの火が灯る
よく見ると女性の姿が。
怪しげなマントで全身を隠しごっつい指輪を輝かせ水晶を拭く。
商売道具だからきれいに磨いてるんだろうな。
「あなたは占い師さん? いやよくいる夢師さん? 」
「失礼だね。勝手に入って来て。私が誰だろうと構わないだろうが?
そう言うのは私の仕事だよ」
ついつい見た目で判断したが正しかったらしい。
ただこの人が占い師なのか夢師なのかまでは判断がつかない。
「いや済まぬ。我々は決して不審な者ではなく…… ほれ挨拶せい! 」
爺さんが仕切り始める。何か物凄く嫌な予感。
「俺は言右衛門…… 」
「違うじゃろ? お主は八兵衛! そんなことも忘れたのか? 」
忘れたと言うか初めてと言うか。
調子に乗ったな爺さん? リーダーは俺なのに。
仕方ない付き合ってやるか。
「しかしご隠居。これで二度目ですぜ」
「二度目も三度目もあるか! ほれ他の者も挨拶せい! 」
「私はご主人様の忠実な…… 」
「だから違うじゃろ! お主はお銀であろう? 」
爺さんがアトリに暗示をかける。
「そうでした。妖精のお銀です。覗かないでね」
「ああん? 誰に言ってるんだい? それでもう一人のは何だって? 」
「うむ。こ奴はノコタンと言って儂の可愛くないペットじゃ。
ほれよく引かれてる馬がいるであろう? まあこ奴の場合は馬でなくシカじゃがな。
ほほほ…… ほれ挨拶せんか! 」
「何をしやがる爺! 」
我慢の限界のノコタンによって蹴り飛ばされる。
あぎゃああ!
悲鳴と共に壁に突き刺さる。
「ははは…… じゃじゃ馬でいかん。抜けん! ほれ八よ助けぬか! 」
かなり性格の悪いちりめん問屋の爺さん。超脇役じゃないか俺。
「しかしご隠居。ふざけるのはこれくらいで。用件を伝えてはどうですかい? 」
「何を言う一平! 」
「役柄では言わないで…… それに三平だし」
「ああん? お主は確か儂の大切な金をちょろまかした一平であろう? 」
「いえサンペイです! 」
「八! いい加減にせぬか! 一平であろう? 」
「サンペイです! 」
「なぜ認めようとせぬのじゃ? 」
「サンペイです! 」
「くくく…… この男の料理は喰えん奴じゃ! 」
「爺さん何言ってんだよ? 」
「馬は黙らっしゃい! ヒヒーンと鳴いてみよ! 」
「ヒヒーン! 」
「サンペイです! 」
「覗かないで! 」
「もううるさい! お前らが誰だって構わない。早く用件を言いな! 」
家主に怒られてしまった。だから言わんこっちゃない。全部爺さんのせい。
「今は何時かの? 」
「昼だよ。昼。それから? 」
てっきり夜中だと思ったら昼とは。どうやら部屋を真っ暗にしていたらしい。
「ここはどこ? 」
「ああここは第三世界の外れさ」
「儂は誰じゃ? 」
「だからどっかの偉い爺さんだろ? 」
ため息を吐かれて呆れられる。
当然か。これではただのおかしな爺さん。徘徊してる爺さんだ。
それにお供してる俺って何だろう?
「よし八! 新しい旅に参ろうかの」
「へい。ご隠居ってもういいっての! 」
「馬鹿者! 最後までやらせぬか! 」
「ヘイご隠居! 」
「では八さん、お銀さん、ついでにノコタンさん参りましょうか」
こうして爺さんはようやく満足したのだった。
爺さんに任せてると先に進まないので俺が代わることに。
「ここにアンと言う女性は来ませんでしたか? 」
「あーん? 知らないね」
「だったら流浪の民は? 」
「ああそれなら第四世界に行くって張り切っていたよ」
「それは何時頃じゃ? 」
爺さんが堪らずに口を出す。
「確か…… 十日ほど前だったかな。よく覚えてないけどね。
彼らは我が妹がお世話したってんで挨拶に来た。だからお礼にと占ってやった。
お前らもどうだい? タダで占ってやるよ」
「もしかしてあなたは…… 俺たちも妹さんに会いました。困ったら頼るようにと」
「ああそうなのかい。だったら尚更相談に乗らなきゃね」
ラッキー! これはついてるぞ。
「それで流浪の民は? 」
「そうだね。十日前だから恐らくもう第四世界に行っちまったよ」
「でしたら第四世界への行き方を教えて頂けませんか? 」
「そうじゃ。ケチケチせんで教えんか! 」
おっと爺さんがまた余計な一言で怒らせてしまったか。
「よし爺さんからだ! ほらお座り! 」
どうやら水晶占いらしい。
続く
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