言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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第四世界への近道教えます

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海底王国から天狗のテープを使い地上へ脱出したチーム・スターフィッシュ。
天狗のテープは怪しげな占い師の館へと繋がっていた。
何とこの占い師は第二世界でお世話になった女性のお姉さんだった。
太っ腹なことにタダで占ってくれるそう。

爺さんから一人ずつ。
「よし爺さんからだ! ほらお座り! 」
どうやら水晶占いらしい。
「どうじゃ? 長生きしておるか? 」
「待ちな。せっかちだねあんたも。焦るとロクなことないよ」
水晶と爺さんを交互に見る。
充分時間をかけて結論を述べる。
「うーん。あんた狙われてるよ。相当恨まれてるね。何かした? 」
「何じゃと? 儂に刺客が? それは何かの間違いじゃ…… 」
爺さんが落ち込んでしまう。

「ほら元気出しな。もし助かりたければこの小水晶がある。
これを持ち歩いたらそんな刺客も襲ってこないさ」
「それはまことか? 嘘ではなかろうな? 」
「嘘は吐かない。しかもその原因を取り除いてやってもいい」
占い師はすべてお見通しだとか。
どうも胡散臭いんだよねこの人。
これは爺さんコロッと騙されるぞ。

「それでいくらじゃ? 何? タダで良いと。それはかたじけない」
勝手に話を進める強引な爺さん。タダのはずないだろ?
「一億ほど掛かるかね」
「それは暴利じゃ! もっと安くせい! 」
「あのね。あんたの命だよ? 安いくらいさ」
クレームも値引き交渉も応じないと強気だ。
やっぱり商売を始めたか。爺さんは良いが俺にまで吹っ掛けないでくれよな。

「次そこの可愛らしい妖精さん」
「お銀です。覗かないで! 」
「だからその小芝居はもういいっての! そして覗くは! 
この水晶であんたのすべてを覗いてやるよ! 」
「きゃああ! 」
「はいはいそれくらいにしときな。面倒臭いね。冗談も通じないのかい? 」
「済みません…… 」
「そんなあんたには一言だけ。絶対ご主人様との約束は守るんだよ?
そうしないと悲劇が起きるからね」
「はい…… 」
「どうした何か言われたか? 爺さんが騒ぐからよく聞こえなかった」
「いえ何でもありません。大したことではありませんのでご主人様」
アトリは落ち込んでる様子だが秘密だからと教えてくれない。心配だな……

「次はそこのノコタン」
「ああん? 今度は私を騙そうってのかい? 」
ノコタンの悪い癖。誰にでも喧嘩腰で突っかかる。
「落ち着きな。ほれこの水晶をよく見るんだよ」
水晶には一頭のシカの姿が。
「母さん? 」
ノコタンの驚きようからこれはシカ母の最期を映したところのよう。
「ほらここに映ってるのがあんたの母さんを撃った犯人。
シルエットだけでは分かり辛いだろ? ほらもっと詳しいのがあるよ」
ノコタンを唆す占い師のおばさん。狙いは金?

「頼む! 早く見せてくれ! 」
「だったら一億払いな。そしたら見せてやるよ」
どうやらこの占い師は最初タダで占って喰いついたところで金を要求するタイプ。
妹からは人々の役に立つ相談役と聞いていたがここまで商売っ気があるとはね。
人の弱みにつけ込んでゴミを売りつけようとするんだから。
タダほど怖いものはない。

「ゲン頼む! 」
「あるか! 」
まったくなぜ俺が払ってやらなければならない? リーダーだから?
敵討ちはファンタジー設定には合わないから他でやってくれ。

「最後はリーダーのケチさんだね」
「違う! 俺はスターフィッシュのリーダーのゲンだ! 」
「どっちでもいいから早くしな! 」
「よろしくお願いします」
取り敢えず大人しく従うとしよう。

「うんうん。早く第四世界に行きたいんだろ? 
だったらよく聞きな。この家を出てすぐを左に曲がる。
そこからくねくねした道を真っ直ぐ行き。
曲がり角を右に体を向けてから後ろ歩き。
そうしたら男がいるから挨拶をして左に。
最後に熊の置物がある方へ曲がると家がある。
そこが第四世界の目の前だから。分かったね? 」

一発では覚えられないのでメモを取るも早すぎて無理。諦めて爺さんに任す。
「もうこれっきりだよ」
「うむうむ。それで…… うわ聞き逃したわ。もう一度! 」
「まったくこの人たちと来たら本当に…… 」
呆れられてしまう。これで何度目だ?

「大丈夫ですご主人様。すべて記憶しましたのでご心配なく」
アトリの記憶力が役に立った。
「さすがはアトリ! 伊達にロボットじゃないな」
「ご主人様! もう! ロボットではありません! 」
「ごめんごめん。よくやったぞアトリ」
頭を撫でてやる。
「ご主人様…… 」
「アトリ…… 」
「はいお二人さん。それくらいで急いだら? 」
おばさんに急かされる。

こうして占いの館を後にする。

                   続く
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