言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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グッドバッド博士登場

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羽根の生えた怪鳥に森へ入る前に再び取り囲まれてしまった。
くそ! 逃げ切れない。

ぎゃあ!
ぎゃあ!
威嚇を始めるタギョウ。
「おいどうするゲン? リーダーだろ」
ノコタンがプレッシャーを掛ける。

そんなこと言われてもモンスターではないから暴言カードは使えないし。
半モンスターはほぼ無敵だからな。その分大した攻撃力は備わってない。
ここは爺さんに頑張ってもらうか。

「お爺様。また囮をお願いできないでしょうか? 」
普通に頼んでも断りそうなので敬意を込める。
だがあまり手応えを感じない。
「ふん。嫌なことじゃ。誰があんな危険な役引き受けるか!
もう二度とごめんじゃ! 」
まずい。見捨てて逃げようとしたのをまだ根に持ってるらしい。意外に細かいな。

「だったらノコタン頼むよ」
「おいいい加減にしろって! 囮は攻撃力のない奴だろうが」
上手いかわし方だ。俺もこの手を使って見ようかな。
アトリは当然無理だから……
うーん。どうすればいいいんだ?

よしこの辛水を結界のように円状にばら撒けば近寄れまい。
「おい何してる? 辛水は人間にのみ有効。半モンスターには効かないだろ。
忘れた訳じゃないだろゲン! 」
実験してみるつもりだったが結果が見えてるとノコタンが反対する。
ダメだ。もう打つ手がない上にいつ襲ってきてもおかしくない状況。
ここは諦めて降参するか…… だが果たして許してくれるか?

攻撃力の低い半モンスターにボコボコにされてちょっとづつ体力を奪われていく。
最終的には果てることになるだろうな。
そんな悲惨な最期を迎えることになるのか。
戦うのも不可能。逃げるのも無理ならもう諦めるしかない。
どうにでもなれと言う気分。
タギョウに弱点でもあれば別だが…… まだ何一つ分かってない。

もう敵は目の前。後は襲い掛かれてお終い。
「おい何をやってる! 」
そんな絶対絶命のピンチに男が駆けつけた。
男は持っていた鳥のエサを投げつける。
物凄い勢いでエサに群がるタギョウ。
腹が満たされるまで貪り続ける。
だがその中の一匹はなぜか食べてる振りだけで一向にお食事が進まない。
まるで拒絶するかのように。どうしたのだろう?
 
「おいこいつが親玉じゃ! 」
爺さんは相手の弱みにつけこむのが何よりの得意。
その嗅覚で親玉の人間を発見。
どんなに似せても鳴き声を真似ても食事まではなかなか。
鳥のエサなど食えるはずもないか。それはプライドか? 単にまずいから?
急いで辛水を振りかけ無力化させる。

危なかった。もう少しでギブアップするところだった。
男の出現で形成逆転。
タギョウは食べ終えるとバラバラに飛び去って行った。
親玉を失い統制出来なくなったタギョウ。
こうして絶体絶命のピンチを乗り越えたチーム・スターフィッシュ。

「ありがとうございました」
感謝の気持ちを述べる。
「この辺は昼間でも物騒だからな気をつけるんだよ」
穏やかで知的なこの男性。まさか噂の博士?
「あなたはグッドバッド博士ではありませんか? 」
「グッド。その通りだよ。何を隠そうグッドバッド博士だよ」
ついに博士を発見。しかも命の恩人とは凄い偶然。

「今晩泊まらせてくれませんか? 」
アトリが宿の確保に積極的。
「バッド。近くの宿を紹介したあげるよ」
さすがに名前さえ知らない者を招き入れるほど間抜けじゃないらしい。
「博士! お願いしますよ! 」
無理矢頼み込む。
「バッド。今から予定があるんだ。申し訳ないが今日は無理だな。
明日の昼にでも来てくれないかな。お昼をご馳走しよう」
こうして博士とアポを取り付けた。
お忙しい博士のことだから何か外せない用があるんだろうな。
邪魔しては悪いので従うことに。

「グッド。ではこれを半分あげよう」
そう言うと鳥のエサを躊躇なく俺のバックへ。
うわ…… 非常識な博士。これこそバッドだよ。
せめて爺さんのにしてよね。
臭いもきついしバックの中が汚れてしまい最悪だ。
しかも一個ずつ取り除くのが面倒なんだよね。

こうして博士から鳥のエサを分け与えてもらう。
これで再びタギョウが現れても心配ない。
「ではそれでは私は急ぐので」
博士と別れ宿を探す。

別れるとすぐにタギョウが現れた。
今度も五匹で周りを囲む。
すぐに逃げれなくなってしまう。
だが俺には鳥のエサがある。
大量の鳥のエサを撒いて親玉を炙り出す。
今回も無理して食べてる一匹を発見。すぐに辛水で戦闘不能に。
タギョウは親玉を失い遠い空へ。

こうして完全にタギョウ攻略可能となった。

                   続く
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