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ハイマウンテン駅の決闘
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こうしてど田舎エクスプレスは終点のハイマウント駅へ。
乗車中は爺さんとノコタンが会話を交わすことはほとんどなかった。
ほとんどとは爺さんはいつも自由気ままに行動するから。
今回もノコタンに話し掛けるが無視されること数回。
いつもこんなものだと気にしない様子だがさすがの爺さんも馬鹿じゃない。
ノコタンの異変には多少気付いてる様子だがどうだろう?
「さあ行こう! 」
「はいご主人様! 」
ギスギスした最悪の雰囲気を嫌と言うほど味わった。
それでもノコタンだって歩いてるうちに忘れるだろう。
登山してきれいな空気を吸えばいつものノコタンに戻るだろう。
過ぎたことに拘るのもどうかと思うなど呑気に考えていた。
「ちょっといいかゲン? 爺さんと自分はここで別れる。それでいいな爺さん? 」
「ああんどう言うことじゃお主? 」
爺さん本人はまだこの状況に何も気づいてないらしい。
呑気に欠伸をし眠そうにしている。
おかしいな。そんなはずないんだが。まったく爺さんはもう……
「落ち着こうよノコタン。まずは話し合いで」
爺さんはいい。どうにかノコタンを説得しないと大変なことになる。
「ゲン! これはもう決めたことだ。当然爺さんもいいだろ? 」
「フン。儂はどちらでも構わんがな」
どうやら爺さんもノコタンの真意を量り切れていない様子。
「ちょっと二人とも…… もうすぐアンが…… 」
「それは二人で行ってくれゲン。こっちにはどうしても外せない用事が出来た」
ノコタンはもういつものノコタンではなくなってしまった。
アトリはただ様子を見るだけ。俺の命令には忠実だがこう言う時には向かない。
「アトリ頼む! どうにか二人を止めてくれ! 」
「はいご主人様! 」
ここに来てアトリが自分の意志で動かないことがマイナスに働いている。
「悪いなゲン。爺さんを借りて行くぜ」
「待ってくれノコタン! はやまった真似をしないでくれ! 」
「悪いなゲン。それにアトリ。これは二人の問題だ」
決して曲げようとしない。どうやら決心は固いらしい。
「おい二人ともリーダーの命令が聞けないのか? 」
これは最終手段。無意味だってよく分かっている。
それでもやらないよりは良い。
「だから謝ってるだろ」
「しかし話がまったく見えて来んのだが」
爺さんは困惑気味。
「決闘だ爺さん! 」
「何? 受けて立つ! 」
爺さんは決闘と言う言葉に弱い。
どうやら避けられそうにない二人の戦い。二人だけの戦い。
「決闘の時刻は一時間後。武器は自由だ」
「ほほほ…… それでは遠慮なくこれを使わせてもらおうかの」
買ってから一時も離さずに大事にしていた猟銃を取り出す。
「それでいい。こっちも自由に使わせてもらう」
こうしてハイマウンテン駅前の決闘が繰り広げられることに。
駅前は山のすぐ近くなのでほぼ何もない。
人もおらず決闘するには丁度良いところ。
「おい! ノコタン考え直してくれ! 」
もうあと少しでアンにたどり着けると言うのにこんなことしてる時じゃない。
なぜそれが二人には分からないのだろうか?
「そうだ。お前にこれをやるよ」
レアアイテムシカの心をゲット。
「これは…… 」
「私の代わりだと思って大事にして欲しい。
これでお前も動物の声が聞き取れるはずだ。
ノコタンから動物の声を継承。
「何かの役に立つだろう。それじゃな。もう行ってくれ! 」
ノコタンの決意は固そうだ。
「儂もこの魔法の粉をやろう。味気ない料理には持って来いじゃ! 」
爺さんも格好つけて渡そうとする。対抗しなくていいのに。
「ほら二人は行ってくれ。もう振り返るなよ! 」
「ご主人様? アトリはどうすれば…… 」
くそここまでらしい。元々俺たちは偶然知り合ったに過ぎない。
二人には別の目的がある。それを無理に邪魔するのは間違っている。
仲間として目的にしろ目標にしろ後押しすべきだろうな。
だがそれがどちらかが傷ついたり怪我したり亡くなったりしたら別だ。
「よし行こう! アンを求めてハイマウンテンへ! 」
「はいご主人様! 」
こうして泣く泣く別れることに。
昨日の昼までは何てことなかったのにいきなりだからなショックが大きい。
四人いたチーム・スターフィッシュから二人減ってまたアトリと旅をすることに。
そのアトリも第四世界までしか進めない。
もし追いつけずに第五世界い行かせてしまったらアトリとも。
「なあアトリ。俺との約束を覚えてるか? 」
どうしてもエクセルのことがあったから気になる。
「はい。決してご主人様から離れないようにとのことです」
「そうだ。俺と離れれば嫉妬に狂いアンを攻撃するだろう。
だから第五世界に行くまでは少なくても姿を消してはならない」
「大丈夫です。アトリはご主人様の命令には忠実ですから」
心配で何度も確認するがアトリは自分は大丈夫だと言い張る。
アトリと二人でハイマウンテンへ。
続く
乗車中は爺さんとノコタンが会話を交わすことはほとんどなかった。
ほとんどとは爺さんはいつも自由気ままに行動するから。
今回もノコタンに話し掛けるが無視されること数回。
いつもこんなものだと気にしない様子だがさすがの爺さんも馬鹿じゃない。
ノコタンの異変には多少気付いてる様子だがどうだろう?
「さあ行こう! 」
「はいご主人様! 」
ギスギスした最悪の雰囲気を嫌と言うほど味わった。
それでもノコタンだって歩いてるうちに忘れるだろう。
登山してきれいな空気を吸えばいつものノコタンに戻るだろう。
過ぎたことに拘るのもどうかと思うなど呑気に考えていた。
「ちょっといいかゲン? 爺さんと自分はここで別れる。それでいいな爺さん? 」
「ああんどう言うことじゃお主? 」
爺さん本人はまだこの状況に何も気づいてないらしい。
呑気に欠伸をし眠そうにしている。
おかしいな。そんなはずないんだが。まったく爺さんはもう……
「落ち着こうよノコタン。まずは話し合いで」
爺さんはいい。どうにかノコタンを説得しないと大変なことになる。
「ゲン! これはもう決めたことだ。当然爺さんもいいだろ? 」
「フン。儂はどちらでも構わんがな」
どうやら爺さんもノコタンの真意を量り切れていない様子。
「ちょっと二人とも…… もうすぐアンが…… 」
「それは二人で行ってくれゲン。こっちにはどうしても外せない用事が出来た」
ノコタンはもういつものノコタンではなくなってしまった。
アトリはただ様子を見るだけ。俺の命令には忠実だがこう言う時には向かない。
「アトリ頼む! どうにか二人を止めてくれ! 」
「はいご主人様! 」
ここに来てアトリが自分の意志で動かないことがマイナスに働いている。
「悪いなゲン。爺さんを借りて行くぜ」
「待ってくれノコタン! はやまった真似をしないでくれ! 」
「悪いなゲン。それにアトリ。これは二人の問題だ」
決して曲げようとしない。どうやら決心は固いらしい。
「おい二人ともリーダーの命令が聞けないのか? 」
これは最終手段。無意味だってよく分かっている。
それでもやらないよりは良い。
「だから謝ってるだろ」
「しかし話がまったく見えて来んのだが」
爺さんは困惑気味。
「決闘だ爺さん! 」
「何? 受けて立つ! 」
爺さんは決闘と言う言葉に弱い。
どうやら避けられそうにない二人の戦い。二人だけの戦い。
「決闘の時刻は一時間後。武器は自由だ」
「ほほほ…… それでは遠慮なくこれを使わせてもらおうかの」
買ってから一時も離さずに大事にしていた猟銃を取り出す。
「それでいい。こっちも自由に使わせてもらう」
こうしてハイマウンテン駅前の決闘が繰り広げられることに。
駅前は山のすぐ近くなのでほぼ何もない。
人もおらず決闘するには丁度良いところ。
「おい! ノコタン考え直してくれ! 」
もうあと少しでアンにたどり着けると言うのにこんなことしてる時じゃない。
なぜそれが二人には分からないのだろうか?
「そうだ。お前にこれをやるよ」
レアアイテムシカの心をゲット。
「これは…… 」
「私の代わりだと思って大事にして欲しい。
これでお前も動物の声が聞き取れるはずだ。
ノコタンから動物の声を継承。
「何かの役に立つだろう。それじゃな。もう行ってくれ! 」
ノコタンの決意は固そうだ。
「儂もこの魔法の粉をやろう。味気ない料理には持って来いじゃ! 」
爺さんも格好つけて渡そうとする。対抗しなくていいのに。
「ほら二人は行ってくれ。もう振り返るなよ! 」
「ご主人様? アトリはどうすれば…… 」
くそここまでらしい。元々俺たちは偶然知り合ったに過ぎない。
二人には別の目的がある。それを無理に邪魔するのは間違っている。
仲間として目的にしろ目標にしろ後押しすべきだろうな。
だがそれがどちらかが傷ついたり怪我したり亡くなったりしたら別だ。
「よし行こう! アンを求めてハイマウンテンへ! 」
「はいご主人様! 」
こうして泣く泣く別れることに。
昨日の昼までは何てことなかったのにいきなりだからなショックが大きい。
四人いたチーム・スターフィッシュから二人減ってまたアトリと旅をすることに。
そのアトリも第四世界までしか進めない。
もし追いつけずに第五世界い行かせてしまったらアトリとも。
「なあアトリ。俺との約束を覚えてるか? 」
どうしてもエクセルのことがあったから気になる。
「はい。決してご主人様から離れないようにとのことです」
「そうだ。俺と離れれば嫉妬に狂いアンを攻撃するだろう。
だから第五世界に行くまでは少なくても姿を消してはならない」
「大丈夫です。アトリはご主人様の命令には忠実ですから」
心配で何度も確認するがアトリは自分は大丈夫だと言い張る。
アトリと二人でハイマウンテンへ。
続く
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