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突入!
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お茶屋さんを張り込むこと一時間。
ようやく動きがあった。
店も閉まってるこの時間に怪しい人影が中へ。
それを皮切りに団体客が二グループ。続けて二組の男女。
これで少なくても中には十人いる計算になる。
さあ一体中では何が行われているのか?
「なあ突入しようぜ」
パワポがもう我慢できないと動き始める。
「もう少し待って! 慎重に。あと一人入ったら私たちもお邪魔しましょう」
うんうん。俺のためによく働いてくれるよこの怖いお姉さんたちは。
やっぱり俺に惚れつつあるのかな?
だが俺にはアンがいる訳で。どう断ればいいか。
「悪いね二人とも」
「ああ面白いからいい。これで何が分かる? 」
どうやらパワポはピンと来てないらしい。
まったく情けない。それでは足手まといになるぞ。
俺だってイマイチよく分かってないけどさ。
「本当に悪いね二人とも」
「残業代はきっちり請求するわよゲン」
とんでもないことを言い出した妖精さん。
「しかし…… これは隊長の命令。本来逆でしょう? 」
「このまま帰ってもいいのよ? 私の任務はあなたのお守ですからね」
「隊長それはないっす! 」
「まったくいつまでもふざけて。大体あなたが報告し忘れたんでしょう? 」
リナは俺に落ち度があると責め立てる。
「でも隊長…… 」
「残業代はきっちり請求しますからね」
「まあまあ。リナも楽しんでるんだからこれくらいいんじゃない? 」
堪らずに口を挟むパワポ。以外にも俺のことを考えてくれてるらしい。
「パワポは甘やかさないの! 」
「でも…… 」
「そうっすよ隊長。俺と隊長の仲じゃないっすか」
「はい黙って! もう一人来た! 」
もう勝手に打ち切るんだから。少しは俺の話を聞いてくれよな。
大体残業代なんてファンタジーには合わないんだから野暮なこと言いっこなし。
それでも払えと言うなら二十四金で。くくく……
「ゲン。私を見くびらない方がいい」
恐ろしく冷たい表情で見つめるリナ。
どうやら魂胆は見え見えらしい。まったく大した妖精さんだ。
男が一人お茶屋に入って行く。
そのタイミングで突入。
「いらっしゃい」
店内はただのお茶屋。しかも閉店後だ。なぜ客が訪れる?
「ご一緒ですか? 」
「いや知らないよこんな奴ら」
男はいかにも迷惑だと首を振り困惑した表情を見せる。
「そんなダーリン。さっきまであんなにいちゃついていたのに…… 」
リナは急に声色を変え大人びた雰囲気を出す。
何だやればできるじゃないか。
「へへへ…… そうだったっけ? 」
「さあ今夜も楽しみましょう」
結局無理があっても男が受け入れてしまえばそれで問題ない。
少々強引だがこれもリナの作戦。
こうして男とリナは店内へ。
残された俺たちも恋人を装って店内へ……
「改めていらっしゃいませ。ここにはどのようなご用件でしょうか? 」
リナたちはすんなり地下室まで通されたが俺たちは警戒されてかストップがかかる。
「あなたはお婆さんの息子だねマスター? 」
「どうしてそのことを…… おっとまずい…… いや何でもないよ」
ここは正直に言うべきか? それともまだとぼけるべきか?
「マスター。俺は客だぜ」
「もう仕方ありませんね。ではお通りください」
こうしてついに中へ。
「うわああ! これはすごい」
地下室はお洒落なバーと化す。
これでもはや言い訳できない。
「そろそろいい? 」
「ああそうだな」
こそこそ話してると疑われてしまう。
「おい何だよお前ら? ただの客じゃないな」
マスターが怒りに任せて暴れだそうとするので落ち着かせる。
第五世界であれどこの世界であれ許可を取らずに営業してはいけない。
要するに秘密のバーを運営して町の者の満足を高めている。
これは決して悪いことではない。だが捕まったら大変。
店内はお洒落な雰囲気でお酒を楽しむ大人の交流の場となっている。
異変に気付いた客が慌てた様子。
「ハイ皆さんそのままでね」
現場を押さえたと大喜びのパワポ。
「何だよ? 」
客の一人が吠える。ふざけるな楽しい時間を台無しにしやがってと何と自分勝手。
「はいマスターは反省しましょうね。それであなた方は本来問題ないでしょうね。
でも知っていたにも関わらずに報告もせず楽しんでは同罪でしょう」
リナの追及は容赦ない。マスターも客も黙ってしまう。
もはや逃れるために言いなり状態。
そうこれでいい。これがリナの作戦。
「はいはい! 私たちは別にあなた方を破滅させようとは思っていません。
ただ協力してもらえたらな…… 」
リナは意味深な物言いで交渉を有利に進める。うん敵に回さなくて良かった。
「では一週間ほど前に失踪した門番について誰か知らない? 」
「ああそれならこの店で…… 」
リナが目を付けた常連の男が口を滑らせる。
ついに門番失踪の謎が明かされる。
続く
ようやく動きがあった。
店も閉まってるこの時間に怪しい人影が中へ。
それを皮切りに団体客が二グループ。続けて二組の男女。
これで少なくても中には十人いる計算になる。
さあ一体中では何が行われているのか?
「なあ突入しようぜ」
パワポがもう我慢できないと動き始める。
「もう少し待って! 慎重に。あと一人入ったら私たちもお邪魔しましょう」
うんうん。俺のためによく働いてくれるよこの怖いお姉さんたちは。
やっぱり俺に惚れつつあるのかな?
だが俺にはアンがいる訳で。どう断ればいいか。
「悪いね二人とも」
「ああ面白いからいい。これで何が分かる? 」
どうやらパワポはピンと来てないらしい。
まったく情けない。それでは足手まといになるぞ。
俺だってイマイチよく分かってないけどさ。
「本当に悪いね二人とも」
「残業代はきっちり請求するわよゲン」
とんでもないことを言い出した妖精さん。
「しかし…… これは隊長の命令。本来逆でしょう? 」
「このまま帰ってもいいのよ? 私の任務はあなたのお守ですからね」
「隊長それはないっす! 」
「まったくいつまでもふざけて。大体あなたが報告し忘れたんでしょう? 」
リナは俺に落ち度があると責め立てる。
「でも隊長…… 」
「残業代はきっちり請求しますからね」
「まあまあ。リナも楽しんでるんだからこれくらいいんじゃない? 」
堪らずに口を挟むパワポ。以外にも俺のことを考えてくれてるらしい。
「パワポは甘やかさないの! 」
「でも…… 」
「そうっすよ隊長。俺と隊長の仲じゃないっすか」
「はい黙って! もう一人来た! 」
もう勝手に打ち切るんだから。少しは俺の話を聞いてくれよな。
大体残業代なんてファンタジーには合わないんだから野暮なこと言いっこなし。
それでも払えと言うなら二十四金で。くくく……
「ゲン。私を見くびらない方がいい」
恐ろしく冷たい表情で見つめるリナ。
どうやら魂胆は見え見えらしい。まったく大した妖精さんだ。
男が一人お茶屋に入って行く。
そのタイミングで突入。
「いらっしゃい」
店内はただのお茶屋。しかも閉店後だ。なぜ客が訪れる?
「ご一緒ですか? 」
「いや知らないよこんな奴ら」
男はいかにも迷惑だと首を振り困惑した表情を見せる。
「そんなダーリン。さっきまであんなにいちゃついていたのに…… 」
リナは急に声色を変え大人びた雰囲気を出す。
何だやればできるじゃないか。
「へへへ…… そうだったっけ? 」
「さあ今夜も楽しみましょう」
結局無理があっても男が受け入れてしまえばそれで問題ない。
少々強引だがこれもリナの作戦。
こうして男とリナは店内へ。
残された俺たちも恋人を装って店内へ……
「改めていらっしゃいませ。ここにはどのようなご用件でしょうか? 」
リナたちはすんなり地下室まで通されたが俺たちは警戒されてかストップがかかる。
「あなたはお婆さんの息子だねマスター? 」
「どうしてそのことを…… おっとまずい…… いや何でもないよ」
ここは正直に言うべきか? それともまだとぼけるべきか?
「マスター。俺は客だぜ」
「もう仕方ありませんね。ではお通りください」
こうしてついに中へ。
「うわああ! これはすごい」
地下室はお洒落なバーと化す。
これでもはや言い訳できない。
「そろそろいい? 」
「ああそうだな」
こそこそ話してると疑われてしまう。
「おい何だよお前ら? ただの客じゃないな」
マスターが怒りに任せて暴れだそうとするので落ち着かせる。
第五世界であれどこの世界であれ許可を取らずに営業してはいけない。
要するに秘密のバーを運営して町の者の満足を高めている。
これは決して悪いことではない。だが捕まったら大変。
店内はお洒落な雰囲気でお酒を楽しむ大人の交流の場となっている。
異変に気付いた客が慌てた様子。
「ハイ皆さんそのままでね」
現場を押さえたと大喜びのパワポ。
「何だよ? 」
客の一人が吠える。ふざけるな楽しい時間を台無しにしやがってと何と自分勝手。
「はいマスターは反省しましょうね。それであなた方は本来問題ないでしょうね。
でも知っていたにも関わらずに報告もせず楽しんでは同罪でしょう」
リナの追及は容赦ない。マスターも客も黙ってしまう。
もはや逃れるために言いなり状態。
そうこれでいい。これがリナの作戦。
「はいはい! 私たちは別にあなた方を破滅させようとは思っていません。
ただ協力してもらえたらな…… 」
リナは意味深な物言いで交渉を有利に進める。うん敵に回さなくて良かった。
「では一週間ほど前に失踪した門番について誰か知らない? 」
「ああそれならこの店で…… 」
リナが目を付けた常連の男が口を滑らせる。
ついに門番失踪の謎が明かされる。
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