言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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真相

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お茶屋の地下では違法営業のバーが開かれていた。
ついに一人の男から門番失踪の件が語られる。
「あれは一週間前だったかな…… 」
素直に告白する男。別に彼には何のお咎めもないのでもう黙ってる必要がない。

「ちょっと待て! 待ってくれ! 」
往生際の悪いマスターが止めに入る。
「ホラ邪魔をしないの。今告白してる最中でしょう」
リナが諭すが言うことを聞かない。
仕方なくパワポと二人で抑えに掛かる。

「おい邪魔だ! 俺を放してくれ! 」
本当に往生際の悪い。もう完全にバレてるんだからいい加減に諦めろよな。
「お客に迷惑をかけたくない。俺がすべて話すからそれで勘弁してくれ! 」
そう言うと手を叩いて解散だとコールする。
「うわちょっと! 」
あっという間に客は逃げていく。

「まあいいわ。さあ聞きましょう」
「隊長! それでは証拠も証人も…… 」
「うるさいぞゲン! ほらあんたも早く話しな! 」
鬼教官モードのリナ。こんな性格だったっけ?
さすがはチーム・怖いお姉さんの隊長。迫力が違うぜ。

「分かったよ。あんたらが言う門番は元々よそ者だったんだ」
ぽつぽつと語り始める。
「だからって虫けらのように踏みつけていいと思ってるの? 」
パワポがキレる。彼女も俺と同じ旅人でよそ者だからな。
よそ者への不当な扱いが我慢ならないんだろうな。それはリナには分からないこと。

「おい勘違いするなって! 俺らは何もしてない。ただ奴は問題があってな。
酒癖が悪いんだ。それで一週間前に酔って暴れ手が付けられなくなって……
いつかはこうなるだろうと思ってたけどさ」

「それでどうなったの? 」
追及を緩めない隊長。俺も責め立てられたい…… もちろん冗談だけどさ。
「奴が暴言を吐き暴れ回って店は無茶苦茶。限界を超えた奴はついに一発退場だ。
警告が一気に五枚。止める暇もなくここを管理するモンスターに連れていかれた。
俺はただ店を壊された被害者だ。だがさすがに今回のことは黙ってるしかなかった。
それは黙ってるように言われたからとこの店が違法だと言う負い目があるから。
別に隠すつもりはなかった。ただそれで困ってる奴がいると思わなかったんだ。
本当だ。信じてくれ! 」

ようやく門番の居所が割れた。だがあそこではさすがに手が出せない。
「また来ます」
そう言って撤収する。もうこれ以上マスターから聞くことはない。

さあこれからどうするかな。
とりあえず今夜は寝ることにした。

翌日。
一晩中考えていたのはアンのことばかり。
今どこにいるのか? もう安住の地を見つけられたか?
まさかもう決心した? そんなことばかり考えている。
「バカ! 」
正直に答えると二人に責め立てられる。あれ…… 何か間違ってたかな?
もうここに来て八日目。それくらい考えるのは当然のことで何も不思議でないはず。
「でも…… 気になって…… 」
「バカ! どうやってあの門番を助け出すかでしょう? 」
隊長は厳しい。俺が何も考えてないと勝手に決めつけるがそんなことはない。
結局誰もいい案を思いつかないからイライラしてしまう。

とにかく現状を理解することから始める。
門番はお近くの刑務所。そこに行くには暴言を吐くか暴れるしかない。
ただ第五世界は治安がよくモンスターもいない。
だからモンスターと間違えることもない。
そうすると門番のように暴れるしかないが振りだけではせいぜい一枚が限界。
ここに来て平和な世界が災いする。まさかの逆転現象。
今まではどうやって警告を受けずにするかを考えていたが今は逆。
どうやって警告を受けるか。果たしてそれは可能なのか?
もう打つ手なし。お手上げ状態の俺に誰か知恵を授けてもらいたい。

「なあお前酒飲めるんだろ? だったらあいつみたいに暴れてみてくれよ」
パワポが無茶を言う。
そんなに飲めない上に俺はそんな酒乱じゃない。
演技がダメなんだから他の手を考えるしかない。
「隊長…… 」
「そうね。では実験してみましょう」
暴言を積み重ねるのではなく一発退場を狙う。

国境警備隊に突っかかる。
まずは無視。
「おい! 何をやってる! 勝手に外に出るな! 」
それでも無視を続けると囲まれてしまった。
しかしあの二人は薄情だよな。俺にやらせて高みの見物とは。
「ホラ近づくなよ! 暴れるぞ? 」
これでいい。これで警告がくだるはず。

「ひっ捕らえろ! 」
しかし間抜けにも捕らえられると二度とするなと言われて町に帰される。
一応警告は受けて累積一枚になったがこれでは意味がない。
しかも第五世界はやさしい世界なので一晩で累積が消えてしまう。
さあどうやってお近くの刑務所に行こうか?
悩みは尽きない。

                 続く
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