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伝説の鳥 愛の言霊を求めて
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崖の上にはサザン鳥の巣が。
大きな卵が見える。すぐ横で親鳥が睨みを利かす。
どうやらまだ俺たちには気づいてないよう。
「ねえもう孵りそうなんだけど」
リナが指摘するとパワポが頷く。
「確かにうまそうだな」
ウイルが涎を垂らす。
「明日には孵るかと。急いで奪ってしまいましょう」
この世界には良い人しか存在しないは確実にデマだな。もう誰も信用できないよ。
「エリーさん。ちょっとまずいんじゃないっすか? 」
「心配は無用さ。今すぐなら問題なく愛の言霊に」
罪悪感が半端ないがこれも愛の言霊のため。アンに告白するためだ。
でもどうしても乗り気になれないんだよね。
サザン鳥なんて言うからもっと巨大な鳥をイメージしていたがな。
でも実際に見てみるとワシやタカより若干大きいぐらい。
ギャアギャア
ギャアギャア
卵を残しサザン鳥は大空へ。
どうやら餌を探しに行ったのだろう。
今が大チャンス! 急いで卵へ。
ギャアギャア
ギャアギャア
遠くの空から威嚇する周到さ。
どうやら焦り過ぎたらしい。もっと慎重にならなくちゃ。
大人しくその場に伏せる。
親鳥が完全に姿を消してから十分。ようやく行動開始!
崖近くに巣を作るものだから手間取って仕方がない。
「あの…… まさかここを登るの? 」
「はい。ゆっくり。決して下を見ないでくださいね」
鶴の恩返しかよ?
恐る恐る崖を登る。休憩せずに一気に。どうにか巣までたどり着いた。
「あれ? ウイルは? 」
「ああ下でエリーと待ってるってさ」
パワポがキレ気味。怒るのも分かるがウイルは高所恐怖症だから仕方ない。
こうして残りの三人でサザン鳥の巣へ。
でっかい卵が一個。
これでようやく愛の言霊が手に入る。
では慎重に運ぶとしよう。
「これどうやって? 」
「ロープで背中に括り付けて! ホラ早く! 」
エリーの指示で卵救出作戦を開始する。
パリン
括り付けようと少し触れただけなのに卵が割れてしまった。
「ちょっと慎重にやりなさいよゲン! 」
そうは言っても俺のせいでもないしな……
パリン
パリン
また卵が割れてしまう。これはまずいぞ。
「親鳥が来るぞ! 」
ウイルが叫ぶ。
くそ! こんな時に面倒臭いな。
パリンパリン
バリンバリン
どうやら孵化したらしい。
遅かった。俺たちは少なくて一日遅かった。
後悔してる暇はない。親鳥が迫っている。
急いで降りる。
ギャアギャア
ギャアギャア
威嚇する親鳥を振り切ってどうにか生還。
はあはあ
はあはあ
もう息が苦しくてしょうがない。
「それで卵はどうしたの? 」
エリーは持ってきたものだと信じて疑わない。
「あの…… 孵っちゃいました。ははは…… 」
笑ってごまかすがエリーは笑ってくれない。
「それだと残念だけど愛の言霊は無理ね」
「そこを何とか! 」
「無茶言わないでよ。モノがなければ作れるか! 」
「他の卵は? 」
「はあ? 伝説の鳥なのよ。二羽しか存在しないし卵は来年まで待たないと」
終了!
幻のサザン鳥の卵をゲットできずに南エリアを去ることに。
レアアイテムの愛の言霊はもはや手に入らない。
ついにアンの待つ東エリアへ。
ああやってられない。
あと一日早ければ手に入ったのに。
「おい落ち込むなよ! 愛の言霊なんてなくたってどうにかなるって」
パワポは励ましてくれるが必ず愛が成就するレアアイテムがあるなしでは雲泥の差。
「そうよ。パワポの言う通り。それよりも急いだ方がいい。
アンが婚姻を結べばお終いなんだから」
気持ちの問題と決まり事の問題では全然意味が違ってくる。
「それでお嬢さん方。どちらに向かいましょうか? 」
エアータクシーで東エリアまでやって来た。
「この辺でいいわ! 」
東エリアは山と海と町の三つに分けられる。
アンたちがどこにいるか不明なので取り敢えず町で聞き込みを行うことに。
「きれいな女性見かけませんでしたか? 」
「ああこの町には大勢いるぜ」
そう言ってふざける男たち。
「そうではなく他所から来た流浪の民で…… 」
「流浪の民? 知らねえな。俺忙しいんだわ」
「待って! すごくかわいくて……
「ゲン! 特徴を言いなさいよ! いつまでも探せないでしょう? 」
リナから注意を受ける。
「特徴…… きれいでかわいい…… 」
「バカ! もっと具体的に! 面白い顔とか。お尻が大きいとか。
歯が欠けてるとか。そばかすだらけとか」
パワポがただの想像で悪口を言う。そんなはずないじゃないか?
俺の幼馴染で恋人がそんな欠点があるはずがない。
「きれいでかわいくて集団で移動する…… 」
「ああ。その子だったら見かけたよ。流浪の民だろ? 」
その辺のことに詳しいお爺さんから話を聞き居場所を突き止める。
ついに判明したアンの行方。
ここから一山登ったところにある山奥の村にアンたちが滞在してるそう。
続く
次回から最終章に突入。
大きな卵が見える。すぐ横で親鳥が睨みを利かす。
どうやらまだ俺たちには気づいてないよう。
「ねえもう孵りそうなんだけど」
リナが指摘するとパワポが頷く。
「確かにうまそうだな」
ウイルが涎を垂らす。
「明日には孵るかと。急いで奪ってしまいましょう」
この世界には良い人しか存在しないは確実にデマだな。もう誰も信用できないよ。
「エリーさん。ちょっとまずいんじゃないっすか? 」
「心配は無用さ。今すぐなら問題なく愛の言霊に」
罪悪感が半端ないがこれも愛の言霊のため。アンに告白するためだ。
でもどうしても乗り気になれないんだよね。
サザン鳥なんて言うからもっと巨大な鳥をイメージしていたがな。
でも実際に見てみるとワシやタカより若干大きいぐらい。
ギャアギャア
ギャアギャア
卵を残しサザン鳥は大空へ。
どうやら餌を探しに行ったのだろう。
今が大チャンス! 急いで卵へ。
ギャアギャア
ギャアギャア
遠くの空から威嚇する周到さ。
どうやら焦り過ぎたらしい。もっと慎重にならなくちゃ。
大人しくその場に伏せる。
親鳥が完全に姿を消してから十分。ようやく行動開始!
崖近くに巣を作るものだから手間取って仕方がない。
「あの…… まさかここを登るの? 」
「はい。ゆっくり。決して下を見ないでくださいね」
鶴の恩返しかよ?
恐る恐る崖を登る。休憩せずに一気に。どうにか巣までたどり着いた。
「あれ? ウイルは? 」
「ああ下でエリーと待ってるってさ」
パワポがキレ気味。怒るのも分かるがウイルは高所恐怖症だから仕方ない。
こうして残りの三人でサザン鳥の巣へ。
でっかい卵が一個。
これでようやく愛の言霊が手に入る。
では慎重に運ぶとしよう。
「これどうやって? 」
「ロープで背中に括り付けて! ホラ早く! 」
エリーの指示で卵救出作戦を開始する。
パリン
括り付けようと少し触れただけなのに卵が割れてしまった。
「ちょっと慎重にやりなさいよゲン! 」
そうは言っても俺のせいでもないしな……
パリン
パリン
また卵が割れてしまう。これはまずいぞ。
「親鳥が来るぞ! 」
ウイルが叫ぶ。
くそ! こんな時に面倒臭いな。
パリンパリン
バリンバリン
どうやら孵化したらしい。
遅かった。俺たちは少なくて一日遅かった。
後悔してる暇はない。親鳥が迫っている。
急いで降りる。
ギャアギャア
ギャアギャア
威嚇する親鳥を振り切ってどうにか生還。
はあはあ
はあはあ
もう息が苦しくてしょうがない。
「それで卵はどうしたの? 」
エリーは持ってきたものだと信じて疑わない。
「あの…… 孵っちゃいました。ははは…… 」
笑ってごまかすがエリーは笑ってくれない。
「それだと残念だけど愛の言霊は無理ね」
「そこを何とか! 」
「無茶言わないでよ。モノがなければ作れるか! 」
「他の卵は? 」
「はあ? 伝説の鳥なのよ。二羽しか存在しないし卵は来年まで待たないと」
終了!
幻のサザン鳥の卵をゲットできずに南エリアを去ることに。
レアアイテムの愛の言霊はもはや手に入らない。
ついにアンの待つ東エリアへ。
ああやってられない。
あと一日早ければ手に入ったのに。
「おい落ち込むなよ! 愛の言霊なんてなくたってどうにかなるって」
パワポは励ましてくれるが必ず愛が成就するレアアイテムがあるなしでは雲泥の差。
「そうよ。パワポの言う通り。それよりも急いだ方がいい。
アンが婚姻を結べばお終いなんだから」
気持ちの問題と決まり事の問題では全然意味が違ってくる。
「それでお嬢さん方。どちらに向かいましょうか? 」
エアータクシーで東エリアまでやって来た。
「この辺でいいわ! 」
東エリアは山と海と町の三つに分けられる。
アンたちがどこにいるか不明なので取り敢えず町で聞き込みを行うことに。
「きれいな女性見かけませんでしたか? 」
「ああこの町には大勢いるぜ」
そう言ってふざける男たち。
「そうではなく他所から来た流浪の民で…… 」
「流浪の民? 知らねえな。俺忙しいんだわ」
「待って! すごくかわいくて……
「ゲン! 特徴を言いなさいよ! いつまでも探せないでしょう? 」
リナから注意を受ける。
「特徴…… きれいでかわいい…… 」
「バカ! もっと具体的に! 面白い顔とか。お尻が大きいとか。
歯が欠けてるとか。そばかすだらけとか」
パワポがただの想像で悪口を言う。そんなはずないじゃないか?
俺の幼馴染で恋人がそんな欠点があるはずがない。
「きれいでかわいくて集団で移動する…… 」
「ああ。その子だったら見かけたよ。流浪の民だろ? 」
その辺のことに詳しいお爺さんから話を聞き居場所を突き止める。
ついに判明したアンの行方。
ここから一山登ったところにある山奥の村にアンたちが滞在してるそう。
続く
次回から最終章に突入。
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