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告白
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第六世界・東エリア。ギョエン。
町に広がる緑豊かな巨大公園。
それがギョエンだ。
良いところだな。何となく故郷・言の葉村に似ている気がする。
幼い頃にアンとよく歩いた広場かな。
ここでは庭らしいが。
仲間に背中を押されついに告白することに。
「アン…… 」
「ゲン…… 」
「ちょっと待った! こいつは誰だよ? 」
生意気そうなガキが何か喚いている。
「忘れたの? 彼がゲンよ」
せっかくの良い雰囲気を台無しにする男。わがままで甘えた感じのする見た目。
性格は悪いもののルックスは悪くない。
強力なライバル出現? アンも変わってないな。ははは……
昔から格好いいのがタイプだったもんな。
取り敢えず自己紹介だ。告白は後に回すことに。
「僕はバトル王国の王子。バトリンだ! 」
バトル王国とは西エリアの端にある小国だそう。
統べる者からの承認を得て一応は国だと認められてるらしい。
その王子がなぜ流浪の民になったのかは不明。
年は俺たちよりも三つ下。
やっぱりな。子供っぽいと思ったんだよな。
「それでアンはどっちを取るんだい? 」
王子が迫る。まったくしつこいガキだな。
「ごめんなさい王子様。私ゲンが…… 」
アンの気持ちは変わってないらしい。
「ふざけるな! お前は僕の妃になるんだ! 」
そう言って泣いてしまう。あーあ何やってるんだよこいつは?
「ほら王子様。気を落とさずに。このパワポが慰めて差し上げます」
チャンスとばかりにパワポが王子を連れて行く。
王子の退場で場は静まった。
「アン…… 」
「ゲン…… 」
ついに時が来た。今こそアンへの思いを伝えなければ。
「俺はアンを追いかけてここまでやって来た。気持ちは当時のままだ」
これで伝わってくれると助かるんだが無理みたい。
「私はどうしたら良いか分からなくなるの…… ゲン信じて良いのね? 」
「もちろんじゃないか。俺はアンのことが…… 」
いつもここまでは行くんだよな。でもその後が上手くいかない。
第一世界でもタイムアップ。収監される羽目に。
愛の言霊さえあれば何てことないのに。
自分がすごく情けなく思えてくる。
「ほら頑張って! 」
「そうだよゲン。リラックス! リラックス! 」
なぜかまだ嫉妬竜になってないリナとなぜかまだ女性を物色してるウイル。
パワポは王子を連れてどこかへ行ってしまった。
「ゲン…… お願い! 」
アンにここまでさせるのか? 今こそしっかり告白すべき時。
もう暴言カードにも愛の言霊にも頼らない。
自らの言葉で愛の告白をすべきだな。
「アン…… 」
「はい! 」
よくここまで待ってくれたよ。感謝するよアン。
「俺と結婚して欲しい! 」
「ゲン…… 」
堪え切れずに大粒の涙を流す俺の大事な大事なアン。
旅では何度か気持ちが移ろったことがあったが今はアンのことしか考えられない。
「俺と一緒に言の葉村で暮らそう」
「うん。ありがとうゲン。でも私…… 」
アンは思い悩んでることがあるらしい。
「どうしたんだよ? アンらしくないじゃないか」
「どうやって帰るつもり? 」
アンは意外にも冷静だ。
うーんそれは難問。リナにでも聞いてみるか。
それにしてもリナの奴…… 俺のことを何とも思ってないのか?
せっかく嫉妬竜にならないように見張っていたのに無駄な努力だったようだ。
少し恥ずかしい気もするな。
「まあいいじゃないか。細かいことはさ」
「そうね…… ここで暮らしてもいいしね」
アンはそう言うが俺は嫌だな。
「アン! 」
「ゲン! 」
皆のいる前で強く抱き合った。
キスまで行こうとしたがアンが恥ずかしがって拒絶してしまう。
恥ずかしがり屋さんなんだからアンは。
「俺たちは元々幼馴染なんだから。これくらい恥ずかしくないって」
そうやって無理に迫る。
「もうゲンったら」
アンは観念したのか瞳を閉じる。
では遠慮なく……
こうしてお互いの愛を確かめ合った。
「ははは! 昼間っから見せつけてくれるではないか! 」
どこからともなく声がする。気のせいかな?
いつの間にか空が暗くなり風が吹き出す。
「あの…… 神父さんですか? 」
幸せオーラを嗅ぎつけた人のいい神父さんの登場か?
「バカなんだからゲンは。この公園の管理人でしょう? 」
「そうか…… もう閉園なのか。それなら仕方ない」
「お前らバカだろ? 気づいてるくせに。いい加減真面目にやれ! 」
謎の声が怒り狂う。しかし覚えがないんだよな。
「あなたはまさか…… 誰だっけ? 」
「ふざけるなこの野郎! 俺はこの世界を統べる者。震えるがいい」
「自己紹介やっと出来たね。偉い偉い」
「舐めたガキだ! せっかく結ばれたんだ記念に何かしてやりたい」
「何だやっぱり神父さんじゃない」
「違う! 統べる者だ! お前たちは特別に第七世界に招待してやろう」
そう言うと世界が狂い始めた。
「ゲン! ゲン! 」
アンに起こされる。どうやらいつの間にか第七世界に来てしまったらしい。
統べる者から強引な招待を受けついに最終局面へ。
続く
町に広がる緑豊かな巨大公園。
それがギョエンだ。
良いところだな。何となく故郷・言の葉村に似ている気がする。
幼い頃にアンとよく歩いた広場かな。
ここでは庭らしいが。
仲間に背中を押されついに告白することに。
「アン…… 」
「ゲン…… 」
「ちょっと待った! こいつは誰だよ? 」
生意気そうなガキが何か喚いている。
「忘れたの? 彼がゲンよ」
せっかくの良い雰囲気を台無しにする男。わがままで甘えた感じのする見た目。
性格は悪いもののルックスは悪くない。
強力なライバル出現? アンも変わってないな。ははは……
昔から格好いいのがタイプだったもんな。
取り敢えず自己紹介だ。告白は後に回すことに。
「僕はバトル王国の王子。バトリンだ! 」
バトル王国とは西エリアの端にある小国だそう。
統べる者からの承認を得て一応は国だと認められてるらしい。
その王子がなぜ流浪の民になったのかは不明。
年は俺たちよりも三つ下。
やっぱりな。子供っぽいと思ったんだよな。
「それでアンはどっちを取るんだい? 」
王子が迫る。まったくしつこいガキだな。
「ごめんなさい王子様。私ゲンが…… 」
アンの気持ちは変わってないらしい。
「ふざけるな! お前は僕の妃になるんだ! 」
そう言って泣いてしまう。あーあ何やってるんだよこいつは?
「ほら王子様。気を落とさずに。このパワポが慰めて差し上げます」
チャンスとばかりにパワポが王子を連れて行く。
王子の退場で場は静まった。
「アン…… 」
「ゲン…… 」
ついに時が来た。今こそアンへの思いを伝えなければ。
「俺はアンを追いかけてここまでやって来た。気持ちは当時のままだ」
これで伝わってくれると助かるんだが無理みたい。
「私はどうしたら良いか分からなくなるの…… ゲン信じて良いのね? 」
「もちろんじゃないか。俺はアンのことが…… 」
いつもここまでは行くんだよな。でもその後が上手くいかない。
第一世界でもタイムアップ。収監される羽目に。
愛の言霊さえあれば何てことないのに。
自分がすごく情けなく思えてくる。
「ほら頑張って! 」
「そうだよゲン。リラックス! リラックス! 」
なぜかまだ嫉妬竜になってないリナとなぜかまだ女性を物色してるウイル。
パワポは王子を連れてどこかへ行ってしまった。
「ゲン…… お願い! 」
アンにここまでさせるのか? 今こそしっかり告白すべき時。
もう暴言カードにも愛の言霊にも頼らない。
自らの言葉で愛の告白をすべきだな。
「アン…… 」
「はい! 」
よくここまで待ってくれたよ。感謝するよアン。
「俺と結婚して欲しい! 」
「ゲン…… 」
堪え切れずに大粒の涙を流す俺の大事な大事なアン。
旅では何度か気持ちが移ろったことがあったが今はアンのことしか考えられない。
「俺と一緒に言の葉村で暮らそう」
「うん。ありがとうゲン。でも私…… 」
アンは思い悩んでることがあるらしい。
「どうしたんだよ? アンらしくないじゃないか」
「どうやって帰るつもり? 」
アンは意外にも冷静だ。
うーんそれは難問。リナにでも聞いてみるか。
それにしてもリナの奴…… 俺のことを何とも思ってないのか?
せっかく嫉妬竜にならないように見張っていたのに無駄な努力だったようだ。
少し恥ずかしい気もするな。
「まあいいじゃないか。細かいことはさ」
「そうね…… ここで暮らしてもいいしね」
アンはそう言うが俺は嫌だな。
「アン! 」
「ゲン! 」
皆のいる前で強く抱き合った。
キスまで行こうとしたがアンが恥ずかしがって拒絶してしまう。
恥ずかしがり屋さんなんだからアンは。
「俺たちは元々幼馴染なんだから。これくらい恥ずかしくないって」
そうやって無理に迫る。
「もうゲンったら」
アンは観念したのか瞳を閉じる。
では遠慮なく……
こうしてお互いの愛を確かめ合った。
「ははは! 昼間っから見せつけてくれるではないか! 」
どこからともなく声がする。気のせいかな?
いつの間にか空が暗くなり風が吹き出す。
「あの…… 神父さんですか? 」
幸せオーラを嗅ぎつけた人のいい神父さんの登場か?
「バカなんだからゲンは。この公園の管理人でしょう? 」
「そうか…… もう閉園なのか。それなら仕方ない」
「お前らバカだろ? 気づいてるくせに。いい加減真面目にやれ! 」
謎の声が怒り狂う。しかし覚えがないんだよな。
「あなたはまさか…… 誰だっけ? 」
「ふざけるなこの野郎! 俺はこの世界を統べる者。震えるがいい」
「自己紹介やっと出来たね。偉い偉い」
「舐めたガキだ! せっかく結ばれたんだ記念に何かしてやりたい」
「何だやっぱり神父さんじゃない」
「違う! 統べる者だ! お前たちは特別に第七世界に招待してやろう」
そう言うと世界が狂い始めた。
「ゲン! ゲン! 」
アンに起こされる。どうやらいつの間にか第七世界に来てしまったらしい。
統べる者から強引な招待を受けついに最終局面へ。
続く
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