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三号室
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三号室へ。ミサさんの部屋。
遺体はそのまま。
出来ればこれ以上近づきたくはなかった。だが現場百遍とも言うし。
新たな証拠でも見つかるといいのだが。視点を変えれば何か見えてくるかも。
「駄目ですよ。勝手なことをされてはこちらが困ります」
ガイドさんが必死に止めに入る。このツアーのすべてを任されてる責任者。
余計のことをされると後が大変だと言うが別に冷やかしに来たのではない。
探偵として手掛かりを得るためには仕方がない。
「まあまあ。どうです何か違和感はありませんか? 」
第二の事件も彼女が第一発見者。
「さあそう言われましても…… 」
詳しくないのでと断ろうとするガイドさん。
目の前には腐敗が始まっている遺体。
臭いが鼻をつく。
まだ悪臭とまではいかないが独特の臭いがする。
耐えきれずに吐いてしまう者もいると聞く。
私は探偵だから問題ないがガイドさんには辛いはずだ。
さあこれからどうしようか?
さすがに覆いを剥いで遺体を確認するだけの勇気はない。
鈍器で殴られた凄惨な状況。
これは彼女だけでなく私にも悪影響を与えかねない。
ひとまず保留し部屋を見回す。
「カエルだ」
壁には二匹のカエルの絵が飾ってあって何とも不気味。
オーナーの趣味が反映されてるのだろうがはっきり言ってセンスがない。
黄緑色の二匹の巨大なカエルがリアルに描かれてる。
「あのこれくらいで。もう充分でしょう? 」
止めさせようと無理矢理腕を引っ張るガイドさん。
「まさかカエルが苦手? 」
「そんなこと…… でも睨みつけてるようでずっとは見てられないんです」
どうやら生理的に受け付けないらしい。
たかが絵だが嫌なものは嫌だと譲らない。まあ事件もあったしな仕方ないか。
「分かりました。もう出ましょう」
これ以上ここにいれば私だっておかしくなりそうだ。
それは絵だけでなく死体そのもののマイナスオーラ―。
それくらい危険な場所だと認識すべき。探偵の自覚がないと言われても仕方がない。
「ほら早く戻りましょう! 」
強引に連れて行こうとするのでつい抵抗したくなる。
「待って! 何か浮かんだような…… 」
「いいから戻りましょう! これ以上は無意味です」
心の中まで覗けないがとにかく嫌がっているのは確かだ。
「はい。うわああ! 」
「きゃあああ! 」
バランスを崩しカエルの絵に触れてしまう。
そのまま勢いで絵で隠れていた取っ手部分を掴む。ギイイと言う音を立て扉が開く。
扉は隣の四号室へと繋がっていた。
どうやら隠し扉になっていたらしい。
扉を押し隣の部屋に。
わわわ……
突然の出来事に言葉が出ない。彼女も口をモグモグするがもはや聞こえない。
ただ勢いに任せて隣の部屋へ。
「どど…… どう言うことですかこれは? 」
「ご存じなかったと? 」
突然のことについ質問に質問で返してしまう。
「知ってるはずないじゃないですか! このホテルに来たのも初めてで。
こんな仕掛けがあるなんて夢にも思いませんでしたよ」
彼女は困惑した表情を見せる。
とても嘘をついてるようには見えない。どうやら本当らしい。
「本当に凄い仕掛けだ。冷や汗が止らないよ」
四号室は黒木に宛がわれている。
「黒木さん…… 」
ビックリしたであろう黒木を落ち着かせようとするが姿がどこにも見当たらない。
どこへ行ってしまったのだろう?
黒木の側には壁一面にオタマジャクシの絵がある。
うん。可愛らしいほのぼのとした絵。それだけでなく不気味さも備わっている。
やはりこちらにも取っ手があるが見えないように細工がされている。
部屋の構造に詳しいものか我々のようにハプニングか。
あるいは単純に絵に興味があった場合以外気付くことは無いだろう。
絵画はある程度離れて見るようにできている。
近眼が進んだ絵に精通した者でなければこのからくりは見抜けまい。
或いは掃除の時に偶然見つけてしまうぐらいか。
やはりただの旅行客が仕掛けに気付くのは不可能。黒木が気付いていたかは不明。
本人に直接聞く以外手ない。ただ奴のことだから正直に話すかは疑問だが。
それにしても黒木はどこへ行ったのだろう?
続く
遺体はそのまま。
出来ればこれ以上近づきたくはなかった。だが現場百遍とも言うし。
新たな証拠でも見つかるといいのだが。視点を変えれば何か見えてくるかも。
「駄目ですよ。勝手なことをされてはこちらが困ります」
ガイドさんが必死に止めに入る。このツアーのすべてを任されてる責任者。
余計のことをされると後が大変だと言うが別に冷やかしに来たのではない。
探偵として手掛かりを得るためには仕方がない。
「まあまあ。どうです何か違和感はありませんか? 」
第二の事件も彼女が第一発見者。
「さあそう言われましても…… 」
詳しくないのでと断ろうとするガイドさん。
目の前には腐敗が始まっている遺体。
臭いが鼻をつく。
まだ悪臭とまではいかないが独特の臭いがする。
耐えきれずに吐いてしまう者もいると聞く。
私は探偵だから問題ないがガイドさんには辛いはずだ。
さあこれからどうしようか?
さすがに覆いを剥いで遺体を確認するだけの勇気はない。
鈍器で殴られた凄惨な状況。
これは彼女だけでなく私にも悪影響を与えかねない。
ひとまず保留し部屋を見回す。
「カエルだ」
壁には二匹のカエルの絵が飾ってあって何とも不気味。
オーナーの趣味が反映されてるのだろうがはっきり言ってセンスがない。
黄緑色の二匹の巨大なカエルがリアルに描かれてる。
「あのこれくらいで。もう充分でしょう? 」
止めさせようと無理矢理腕を引っ張るガイドさん。
「まさかカエルが苦手? 」
「そんなこと…… でも睨みつけてるようでずっとは見てられないんです」
どうやら生理的に受け付けないらしい。
たかが絵だが嫌なものは嫌だと譲らない。まあ事件もあったしな仕方ないか。
「分かりました。もう出ましょう」
これ以上ここにいれば私だっておかしくなりそうだ。
それは絵だけでなく死体そのもののマイナスオーラ―。
それくらい危険な場所だと認識すべき。探偵の自覚がないと言われても仕方がない。
「ほら早く戻りましょう! 」
強引に連れて行こうとするのでつい抵抗したくなる。
「待って! 何か浮かんだような…… 」
「いいから戻りましょう! これ以上は無意味です」
心の中まで覗けないがとにかく嫌がっているのは確かだ。
「はい。うわああ! 」
「きゃあああ! 」
バランスを崩しカエルの絵に触れてしまう。
そのまま勢いで絵で隠れていた取っ手部分を掴む。ギイイと言う音を立て扉が開く。
扉は隣の四号室へと繋がっていた。
どうやら隠し扉になっていたらしい。
扉を押し隣の部屋に。
わわわ……
突然の出来事に言葉が出ない。彼女も口をモグモグするがもはや聞こえない。
ただ勢いに任せて隣の部屋へ。
「どど…… どう言うことですかこれは? 」
「ご存じなかったと? 」
突然のことについ質問に質問で返してしまう。
「知ってるはずないじゃないですか! このホテルに来たのも初めてで。
こんな仕掛けがあるなんて夢にも思いませんでしたよ」
彼女は困惑した表情を見せる。
とても嘘をついてるようには見えない。どうやら本当らしい。
「本当に凄い仕掛けだ。冷や汗が止らないよ」
四号室は黒木に宛がわれている。
「黒木さん…… 」
ビックリしたであろう黒木を落ち着かせようとするが姿がどこにも見当たらない。
どこへ行ってしまったのだろう?
黒木の側には壁一面にオタマジャクシの絵がある。
うん。可愛らしいほのぼのとした絵。それだけでなく不気味さも備わっている。
やはりこちらにも取っ手があるが見えないように細工がされている。
部屋の構造に詳しいものか我々のようにハプニングか。
あるいは単純に絵に興味があった場合以外気付くことは無いだろう。
絵画はある程度離れて見るようにできている。
近眼が進んだ絵に精通した者でなければこのからくりは見抜けまい。
或いは掃除の時に偶然見つけてしまうぐらいか。
やはりただの旅行客が仕掛けに気付くのは不可能。黒木が気付いていたかは不明。
本人に直接聞く以外手ない。ただ奴のことだから正直に話すかは疑問だが。
それにしても黒木はどこへ行ったのだろう?
続く
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