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財宝発見 天使のようなハル博士②
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発掘作業に夢中の博士。
大声で呼びかけるが聞こえないらしい。
「博士! 聞こえてるんでしょう? 博士! 」
「うるさい! 分かっておるわ! 」
ようやく反応したと思ったらこの態度。困った爺さんだ。
「お前はいい! この宝は私の物だ! 」
「はあ? 分け前は? 」
「そんなこと知るか! 」
「だって博士が…… 」
「お前にやるはずなかろう。これは私が調べ私が発見したんだ! 」
「ちょっと待ってくださいよ! 話が違う! 」
いくらなんでも無茶苦茶だ。何の為についてきたのかが分からない。
「毎月の給料は払っているはずだ。それで我慢しろ」
「手伝いましたよね? 」
「ああご苦労さん。助手としてよくやった。褒めてやろう」
「結構です! 半分。いえ三分の一でもお願いします! 」
「おいおい本気か? 」
「もちろんです。これは当然の権利です」
「バカ言うな! 権利は私にしかない。決定権もこちらにある」
「博士…… 」
「残念だが諦めろ」
交渉してもらちが明かない。
「これは私のだ。この宝は私に権利があるんだ。ただの使用人のお前に誰がやるものか! 」
「冗談でしょう? おかしいですよ。絶対! 」
「ふん。冗談なものか! 使えない助手の分際で私に説教する気か! 」
もう止まらない。
助手として尽くしてきたつもりだが……
「どうした早く消え失せろ! 」
人間とはこうも醜くなるものなのか?
いいだろう。こちらにも考えがある。
関係は完全に破綻した。
「あった! あったぞ! 」
ついに宝の一部が姿を現した。
暗号の答え。それは即ちここ掘れわんわんと言うことだ。
暗号を辿っていくと最後にはスタートに戻るわけだ。
盲点と言うか死角。
思いつきもしなかった。
博士とこの島に来て一週間以上経つがまさか目の前にあったとは恐れ入る。
巧妙な隠し場所。
騙された気がする。
「博士? 」
「まだいたのか? やらんぞ。やらんからな! 」
大きな箱に布で包まれ保存されていた金銀の財宝。
博士が独り占めしようと忙しなく動いている。
箱には小さな壺も収められていた。
「これだこれ! 」
博士が追い求めていた本当の宝。
「博士? 」
「やらないからな! お前は大人しくそこで指をくわえて見ていろ!
手伝おうなどと気を利かせなくていい。これは私のだ! 」
「はいはい」
「うーん。財宝ちゃんこんにちは」
もうダメかもしれない。
博士に頼るのはよそう。
俺は俺のやり方でお宝を探す。
スコップを降ろす。
他にも埋まっていないか確かめる。
「馬鹿者! 何をしておるか! 」
「ええっ? 博士はそれで満足なんでしょう? 俺は他を当たります」
「ふふ…… ある訳が無かろう! 無駄な努力をするな! 」
博士を無視して掘り進める。
ザクザク
ザッザザッザ
「あれなんだこれ? 」
大げさに騒いでみる。
そうすると慌てて中身を確認しようと走ってくる金の亡者。
「どこだ? うん? 」
「ここですよ。見えないんですか? 」
博士は穴に体を預け覗き込む。
「おい! どこにも…… 」
スコップを振り上げる。
ためらうことなく博士の顔に叩きつける。
ガン
ガン
ぐちゃ!
二回三回と繰り返す。
「ごめんね博士。ついつい体が反応しちゃった。
博士がそんなところで横たわってるから……
スコップを手にしてる時に近づいてはダメですよ。
危機意識が無いんだから」
「お前…… 」
まだ何か言ってるよ。
「さようなら! 」
最後の一撃を喰らわす。
もう反応が無くなった。
あーあ。けちるから。
あーあ。助手をこき使うから。
あーあ。独り占めしようなんてしなければいいのに。
あーあ。あーあ。
博士との宝さがしを終えた今俺は何をすべきか?
無人島に一人では気が狂いそうだ。
壺だけ取り出しとりあえず財宝を元に戻す。
夜遅くまで修復作業をする。
時間はたっぷりある。しかし寝るには不便だ。
九日目
博士の遺体を隠し宝も元に戻し何もなかったように生活を続ける。
部屋はもうきれい。発掘の跡は見られない。
まあ誰かが来るわけでもない。隠す必要もないのだが。
まあいいか。きれい好きだし。
これでゆっくり眠れる。
さあ無人島生活を始めよう。
いつものように泳ぎ魚を取り水を汲み果物をかじる。
陽が暮れれば小屋に戻り窓越しに満天の星を眺める。
何も変化のない日常。
面白みはないがもう慣れた。
さあ眠くなったらベッドへ。
おやすみなさい。
翌日。
再び登山。
発掘の痕跡を消す作業は想像以上に大変だ。
くそ! 何でこんなこと。
暑い暑い!
もう嫌だ! こんな地味な作業。
うん。もうこれくらいでいいだろう。
隠蔽終了。
後はこの紙を元に戻せばいい。
山小屋を確認。
さあ戻るか。
下山。
後は帰るだけ。
登山口に出る。
うん? 何だあれ?
道がまだ続いている。
行ってみるか……
建物が見えた。
まさか誰か住んでいるとか?
お邪魔します。
ドアを叩くが反応が無い。
もう使われなくなったあばら屋と言ったところか。
中を確認。
誰も住んでいなさそうだ。
ちょっと休憩。
一時間ばかり横になる。
うん? 何だろう?
気のせいか。まあいいや。
いつの間にか寝てしまった。
まずいまずい!
陽が暮れてしまう。
急いでコテージに戻る。
ビーチ。
うーん。気持ちいい。
足だけ浸かる。
任務完了。
明日からはのんびりと行こう。
おやすみなさい。
<続>
大声で呼びかけるが聞こえないらしい。
「博士! 聞こえてるんでしょう? 博士! 」
「うるさい! 分かっておるわ! 」
ようやく反応したと思ったらこの態度。困った爺さんだ。
「お前はいい! この宝は私の物だ! 」
「はあ? 分け前は? 」
「そんなこと知るか! 」
「だって博士が…… 」
「お前にやるはずなかろう。これは私が調べ私が発見したんだ! 」
「ちょっと待ってくださいよ! 話が違う! 」
いくらなんでも無茶苦茶だ。何の為についてきたのかが分からない。
「毎月の給料は払っているはずだ。それで我慢しろ」
「手伝いましたよね? 」
「ああご苦労さん。助手としてよくやった。褒めてやろう」
「結構です! 半分。いえ三分の一でもお願いします! 」
「おいおい本気か? 」
「もちろんです。これは当然の権利です」
「バカ言うな! 権利は私にしかない。決定権もこちらにある」
「博士…… 」
「残念だが諦めろ」
交渉してもらちが明かない。
「これは私のだ。この宝は私に権利があるんだ。ただの使用人のお前に誰がやるものか! 」
「冗談でしょう? おかしいですよ。絶対! 」
「ふん。冗談なものか! 使えない助手の分際で私に説教する気か! 」
もう止まらない。
助手として尽くしてきたつもりだが……
「どうした早く消え失せろ! 」
人間とはこうも醜くなるものなのか?
いいだろう。こちらにも考えがある。
関係は完全に破綻した。
「あった! あったぞ! 」
ついに宝の一部が姿を現した。
暗号の答え。それは即ちここ掘れわんわんと言うことだ。
暗号を辿っていくと最後にはスタートに戻るわけだ。
盲点と言うか死角。
思いつきもしなかった。
博士とこの島に来て一週間以上経つがまさか目の前にあったとは恐れ入る。
巧妙な隠し場所。
騙された気がする。
「博士? 」
「まだいたのか? やらんぞ。やらんからな! 」
大きな箱に布で包まれ保存されていた金銀の財宝。
博士が独り占めしようと忙しなく動いている。
箱には小さな壺も収められていた。
「これだこれ! 」
博士が追い求めていた本当の宝。
「博士? 」
「やらないからな! お前は大人しくそこで指をくわえて見ていろ!
手伝おうなどと気を利かせなくていい。これは私のだ! 」
「はいはい」
「うーん。財宝ちゃんこんにちは」
もうダメかもしれない。
博士に頼るのはよそう。
俺は俺のやり方でお宝を探す。
スコップを降ろす。
他にも埋まっていないか確かめる。
「馬鹿者! 何をしておるか! 」
「ええっ? 博士はそれで満足なんでしょう? 俺は他を当たります」
「ふふ…… ある訳が無かろう! 無駄な努力をするな! 」
博士を無視して掘り進める。
ザクザク
ザッザザッザ
「あれなんだこれ? 」
大げさに騒いでみる。
そうすると慌てて中身を確認しようと走ってくる金の亡者。
「どこだ? うん? 」
「ここですよ。見えないんですか? 」
博士は穴に体を預け覗き込む。
「おい! どこにも…… 」
スコップを振り上げる。
ためらうことなく博士の顔に叩きつける。
ガン
ガン
ぐちゃ!
二回三回と繰り返す。
「ごめんね博士。ついつい体が反応しちゃった。
博士がそんなところで横たわってるから……
スコップを手にしてる時に近づいてはダメですよ。
危機意識が無いんだから」
「お前…… 」
まだ何か言ってるよ。
「さようなら! 」
最後の一撃を喰らわす。
もう反応が無くなった。
あーあ。けちるから。
あーあ。助手をこき使うから。
あーあ。独り占めしようなんてしなければいいのに。
あーあ。あーあ。
博士との宝さがしを終えた今俺は何をすべきか?
無人島に一人では気が狂いそうだ。
壺だけ取り出しとりあえず財宝を元に戻す。
夜遅くまで修復作業をする。
時間はたっぷりある。しかし寝るには不便だ。
九日目
博士の遺体を隠し宝も元に戻し何もなかったように生活を続ける。
部屋はもうきれい。発掘の跡は見られない。
まあ誰かが来るわけでもない。隠す必要もないのだが。
まあいいか。きれい好きだし。
これでゆっくり眠れる。
さあ無人島生活を始めよう。
いつものように泳ぎ魚を取り水を汲み果物をかじる。
陽が暮れれば小屋に戻り窓越しに満天の星を眺める。
何も変化のない日常。
面白みはないがもう慣れた。
さあ眠くなったらベッドへ。
おやすみなさい。
翌日。
再び登山。
発掘の痕跡を消す作業は想像以上に大変だ。
くそ! 何でこんなこと。
暑い暑い!
もう嫌だ! こんな地味な作業。
うん。もうこれくらいでいいだろう。
隠蔽終了。
後はこの紙を元に戻せばいい。
山小屋を確認。
さあ戻るか。
下山。
後は帰るだけ。
登山口に出る。
うん? 何だあれ?
道がまだ続いている。
行ってみるか……
建物が見えた。
まさか誰か住んでいるとか?
お邪魔します。
ドアを叩くが反応が無い。
もう使われなくなったあばら屋と言ったところか。
中を確認。
誰も住んでいなさそうだ。
ちょっと休憩。
一時間ばかり横になる。
うん? 何だろう?
気のせいか。まあいいや。
いつの間にか寝てしまった。
まずいまずい!
陽が暮れてしまう。
急いでコテージに戻る。
ビーチ。
うーん。気持ちいい。
足だけ浸かる。
任務完了。
明日からはのんびりと行こう。
おやすみなさい。
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