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博士いきしてない
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発掘も終え片付けを始めた矢先。トラブル発生。
「ねえ! これなんだろう? 」
リンがとんでもない物を発見。
「何? 見せて! 」
亜砂が興味を示す。
「おい待て! 」
「ゲンジ何か知ってるの? 」
「止めろ! それを触るな! 」
「もうゲンジどうしたの? 慌てちゃって」
「皆も? ここにあるんだからお宝なんでしょう? ほらリン! 」
「はーい」
いつも寝ていたベッドの下に空いた穴から袋を取り出す。
「これは? 」
「止めろ! 止めろ! 」
「重いよ! 誰か手伝って! 」
リンはいい子だ。
優しい子だ。
笑顔が可愛らしい子だ。
純粋で人懐っこい。
リンの性格は良く分かっているつもりだ。
だから今回もリンは止まらない。
いくら制止しようと自由なリンには無意味なのだ。
亜砂の協力を得て引き上げる。
「お兄ちゃん開けるね! 」
「よせ! それ以上触れるな! 」
「へへへ…… 」
「言うことを聞け! 」
「どうしたのお兄ちゃん? 」
どうにかストップさせられた。
パンドラの箱を開けられては敵わない。
「ほら放せ! 触れるんじゃない! 」
「お兄ちゃん? 」
「ほらいい子だから」
リンは従ったかのように見えた。
しかしそれは甘い考えだった。
「これなーんだ! 」
「戻せ! 早く! 」
もうお終いだ。
誤魔化しようがない。
「うおおお! 」
「あれおかしいよお兄ちゃん。これなんだろう? 」
「ダメだよリン。開けてはダメ! 」
亜砂が機転を利かせるが時遅し。
痛恨の一撃。
リンの純粋さ故。
事故と言えなくもない。
「ああ博士だ! 」
リンは何も分かっていない。
ここに博士がいると言うことは何を意味するか?
もちろん息などしていない。
ただの骸でしかない。
これでは息など出来るはずがない。とっくの昔に殺されているのだから。
言い訳をさせてもらえば俺も遺棄などしていない。
記憶が無いのだ。
覚えてないのだから仕方がない。
「へえ。この方が博士ですか。初めまして」
空蝉はまるで生きているかのように挨拶を始める。
怖い。怖すぎる。
空蝉の精神が心配になってくる。
「会ったことないの? 」
「はい」
「私もです」
「話に聞いただけ」
「同じく」
「リンも」
何と全員が博士と会ったことが無いと言う。
おかしな現象が起こっている。
「どうしようかお兄ちゃん? 」
「どうすると言われても…… 」
「ゲンジさんが決めないと」
「ムーちゃんお願い」
「私には荷が重すぎます」
「ではしょうがない。元の場所に戻そう」
掘り返した穴を塞ぎ元に戻す。
これで危機は去った?
そんなはずはない。
俺は一体?
博士!
航海の果てに後悔の念が押し寄せてくる。
限界だ。
後悔なんていつ以来だろう。
大人になれば後悔の一つや二つ当然ある。
思い出せる範囲で考えれば博士と出会った事。
あの偏屈な爺さんの下で働かなければこんな事には……
船にさえ乗らなければ悲劇は起こらなかった。
財宝に目が眩まなければ……
自分だけでも先に帰っていれば……
もう遅い。
何とかなると考えて楽観視したのがそもそもの間違い。
あれ? 本当にそうかな?
どうも違うんだよな。違和感と言うかうーん。
簡単に言えば当事者意識が薄い。
まるで話の中で主人公に感情移入している感じ。
これは博士を殺したことによる罪の意識から逃れるためにそう思うのか。
そうではないのか?
もう自分には分からなくなっている。
俺は一体何者?
「どうしましたゲンジさん? 」
「空蝉よ。俺はどうしたらいい」
「そうですね。この島から脱出すればいいんです。私たちのことは心配しないでください。
自分のことだけを考えて生きてください。分かりましたね? 」
「だがお前たちはここでしか生きられないんだろ? 」
「ええ。何の比喩でもありません。もう会うこともないでしょう」
「なあいい加減教えてくれ。お前らは一体何なんだ? 」
「もうあなたもお気づきでしょう。船を見つけたら試してみるんですね」
「それは…… ちょと…… 」
「確かめるのが怖いんですか? 」
「いやその…… 仮に俺の考えていた通りだとして俺の頭は大丈夫なのか? 」
「お兄ちゃん! 」
リンが空気を読まない。
「ダメでしょうね。もう行きます」
空蝉は信用できる?
「なあリン。お前らは一体何なんだ? 」
「お兄ちゃん…… リンは子供だから…… 」
明らかに動揺しているリン。
もう秘密は隠し通せない。
言動に真実が見え隠れする。
だがその真実さえもあやふやで当てにならない。
俺たちは一体この島で何をしているのか?
どう思いますか博士?
どう思うゲンシ?
まるで自分自身に問いかけるように。
発掘も終え謎の液体も回収した。
ついでに余計なものまで発見してしまった。
リンたちから博士が亡くなったと聞かされてはいたが実際に対面するとショックが大きい。
実物を見てしまえばもう言い逃れはできない。
博士を殺したのはこの中の誰かだ。
少なくてもこの島にいた者に限られる。
誰なんだ?
犯人はこの中にいる。
【続】
「ねえ! これなんだろう? 」
リンがとんでもない物を発見。
「何? 見せて! 」
亜砂が興味を示す。
「おい待て! 」
「ゲンジ何か知ってるの? 」
「止めろ! それを触るな! 」
「もうゲンジどうしたの? 慌てちゃって」
「皆も? ここにあるんだからお宝なんでしょう? ほらリン! 」
「はーい」
いつも寝ていたベッドの下に空いた穴から袋を取り出す。
「これは? 」
「止めろ! 止めろ! 」
「重いよ! 誰か手伝って! 」
リンはいい子だ。
優しい子だ。
笑顔が可愛らしい子だ。
純粋で人懐っこい。
リンの性格は良く分かっているつもりだ。
だから今回もリンは止まらない。
いくら制止しようと自由なリンには無意味なのだ。
亜砂の協力を得て引き上げる。
「お兄ちゃん開けるね! 」
「よせ! それ以上触れるな! 」
「へへへ…… 」
「言うことを聞け! 」
「どうしたのお兄ちゃん? 」
どうにかストップさせられた。
パンドラの箱を開けられては敵わない。
「ほら放せ! 触れるんじゃない! 」
「お兄ちゃん? 」
「ほらいい子だから」
リンは従ったかのように見えた。
しかしそれは甘い考えだった。
「これなーんだ! 」
「戻せ! 早く! 」
もうお終いだ。
誤魔化しようがない。
「うおおお! 」
「あれおかしいよお兄ちゃん。これなんだろう? 」
「ダメだよリン。開けてはダメ! 」
亜砂が機転を利かせるが時遅し。
痛恨の一撃。
リンの純粋さ故。
事故と言えなくもない。
「ああ博士だ! 」
リンは何も分かっていない。
ここに博士がいると言うことは何を意味するか?
もちろん息などしていない。
ただの骸でしかない。
これでは息など出来るはずがない。とっくの昔に殺されているのだから。
言い訳をさせてもらえば俺も遺棄などしていない。
記憶が無いのだ。
覚えてないのだから仕方がない。
「へえ。この方が博士ですか。初めまして」
空蝉はまるで生きているかのように挨拶を始める。
怖い。怖すぎる。
空蝉の精神が心配になってくる。
「会ったことないの? 」
「はい」
「私もです」
「話に聞いただけ」
「同じく」
「リンも」
何と全員が博士と会ったことが無いと言う。
おかしな現象が起こっている。
「どうしようかお兄ちゃん? 」
「どうすると言われても…… 」
「ゲンジさんが決めないと」
「ムーちゃんお願い」
「私には荷が重すぎます」
「ではしょうがない。元の場所に戻そう」
掘り返した穴を塞ぎ元に戻す。
これで危機は去った?
そんなはずはない。
俺は一体?
博士!
航海の果てに後悔の念が押し寄せてくる。
限界だ。
後悔なんていつ以来だろう。
大人になれば後悔の一つや二つ当然ある。
思い出せる範囲で考えれば博士と出会った事。
あの偏屈な爺さんの下で働かなければこんな事には……
船にさえ乗らなければ悲劇は起こらなかった。
財宝に目が眩まなければ……
自分だけでも先に帰っていれば……
もう遅い。
何とかなると考えて楽観視したのがそもそもの間違い。
あれ? 本当にそうかな?
どうも違うんだよな。違和感と言うかうーん。
簡単に言えば当事者意識が薄い。
まるで話の中で主人公に感情移入している感じ。
これは博士を殺したことによる罪の意識から逃れるためにそう思うのか。
そうではないのか?
もう自分には分からなくなっている。
俺は一体何者?
「どうしましたゲンジさん? 」
「空蝉よ。俺はどうしたらいい」
「そうですね。この島から脱出すればいいんです。私たちのことは心配しないでください。
自分のことだけを考えて生きてください。分かりましたね? 」
「だがお前たちはここでしか生きられないんだろ? 」
「ええ。何の比喩でもありません。もう会うこともないでしょう」
「なあいい加減教えてくれ。お前らは一体何なんだ? 」
「もうあなたもお気づきでしょう。船を見つけたら試してみるんですね」
「それは…… ちょと…… 」
「確かめるのが怖いんですか? 」
「いやその…… 仮に俺の考えていた通りだとして俺の頭は大丈夫なのか? 」
「お兄ちゃん! 」
リンが空気を読まない。
「ダメでしょうね。もう行きます」
空蝉は信用できる?
「なあリン。お前らは一体何なんだ? 」
「お兄ちゃん…… リンは子供だから…… 」
明らかに動揺しているリン。
もう秘密は隠し通せない。
言動に真実が見え隠れする。
だがその真実さえもあやふやで当てにならない。
俺たちは一体この島で何をしているのか?
どう思いますか博士?
どう思うゲンシ?
まるで自分自身に問いかけるように。
発掘も終え謎の液体も回収した。
ついでに余計なものまで発見してしまった。
リンたちから博士が亡くなったと聞かされてはいたが実際に対面するとショックが大きい。
実物を見てしまえばもう言い逃れはできない。
博士を殺したのはこの中の誰かだ。
少なくてもこの島にいた者に限られる。
誰なんだ?
犯人はこの中にいる。
【続】
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