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少女たちの密かな企み
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一体誰が博士を殺したのか?
リンか? 想像もできない。
では亜砂か? 一番博士について話していたのは彼女だ。
アイミもあり得る。出会った当初と性格ががらりと変わっている。
ムーちゃんも容疑者の一人だ。イブがどうとか話していた。
空蝉はあり得ない。
協力的だし…… いや待てよ。犯人は意外な人物と言うのが定番。
彼女も除外できない。
非力で病弱でとても一人では…… それは他の者も同じだ。
うーん。やはり決め手に欠ける。
もしかしたら五人が共謀して殺害したのかもしれない。
一人の力は微々たるものでも五人が団結すれば男一人ぐらい。
それこそ俺を事故に見せかけて始末しようとしていたぐらいだから。
まあ断定はもちろんできないが……
いや待てよ! もう一つの可能性に考えが及ばなかった。
あの遺体が発見されたのは今日だがいつ埋められたかまでは分からない。
もしもここ数日の間に埋められたとしたら?
いやそんなはず?
まさか船でやって来た侵入者が遺体を埋めたなんてことはないだろうか?
アイミたちでないなら他に考えられるのは彼らと言うことになる。
どれほど突飛な発想であろうと除外するわけにはいかない。
コテージに死体を隠すにはあの時が一番。
何と言ってもあの時隠れていてはっきり見ていたわけではない。
その隙に遺体を持ち運び埋めたとするのが一番無理のない説。
いくら爺さんでも協力なしに一人では遺棄はできない。
コテージを急襲している間に埋めた可能性がゼロとは言えない。
奴らが俺を嵌めるとは思えないが念のため検証する必要がある。
後は俺の記憶が完全に戻れば全て解決だ。
もちろん俺が一番怪しい。
自問自答する。
ゲンジよ。どうなんだ?
お前なのか? お前なのか?
見た気がする。
博士を殺したのはゲンジだ。
博士を埋めたのはやはりゲンジだ。
今の俺とは異なる人物。
それがゲンジ。
ゲンジ本当にお前なのか?
ゲンジ! ゲンジ!
絶叫。
五人の密かな企み。
「お兄ちゃんはどう? 」
「もうあの人はダメです」
「それは言い過ぎじゃない。ムーちゃん」
「アイミも分かっているでしょう? 」
「あの…… 盛り上がっているところすみません」
空蝉が割って入る。
「どうしたの? 」
「申し訳ありません。口が滑ってついつい余計なことを言ってしまいました。
このままだとゲンジさんは船を見つけてしまうかもしれません」
「それは大丈夫。隠してあるから」
亜砂は自信たっぷり。
「亜砂の担当だったっけ? 」
「本当はリンが任されたんだけどね」
「あれ動くの? 」
「さあどうかな」
「それでどこに隠してるんですか? 」
「知ってどうするの空蝉? 」
「ゲンジさんに知らせるんです」
「何を言ってるの! 」
リン以外は反対に回る。
「もし船を見つけたらゲンジはこの島から居なくなってしまう。そうなったら私たちは用済みよ! 」
アイミが噛みつく。
「当然そうでしょうね」
「本当に分かっているの? 」
「そうだよ。私たち本当に消えちゃうんだよ! 」
ムーちゃんが諭す。
「分かってます。でもそれも運命です」
「馬鹿言わないで! リンも何か言って! 」
アイミが迫る。
「リン分かんない! 」
「ふざけないの! 」
「でもさあ。お兄ちゃん困ってるんでしょう? 」
「そんなこと言ってる時じゃない! 全力で止めるの! いい? 分かったリン? 皆も! 」
「仕方がありません。でもヒントだけでも教えてあげてはいかがですか? 」
空蝉は譲らない。
「勝手にすれば! 裏切るつもりなら覚悟するのね! 」
「覚悟? 」
空蝉の腹は決まっている。
「どっちにしろもう長くありません。もうとっくに覚悟は決めています」
元々一枚岩ではなかった少女たち。
脱出阻止はできるのか。
翌日。
少女たちを残し単独行動に出る。
もう宝も発見した。
余計なものも掘り出してしまったがそれは一旦置いておくとして。
この島とはもうお別れだ。
脱出には少なくても船が必要。
もし俺が泳ぎが得意なら近くの島まで泳ぐことも可能な距離だ。
しかし現実は甘くない。
軽度とは言え水恐怖症。
二十五メートルも海の中を進めない。
だから船がいる。
この島のどこかに船が隠されている。
それを見つければ脱出できる。
船にお宝を乗せてすぐに出発だ。
少女たちと別れるのは辛いがまたいつでも会える。
今度は自家用ジェットで来ればいいさ。
もちろん彼女たちが船で一緒に戻るなら文句はない。
どこかなあ?
当てもなく彷徨う。
いや待てよ。あるじゃないか。
崖下に壊れていた…… 捨て置かれた船。
直せば…… そんな技術はない。
うーん。やっぱり無理なのか。
それから三日。どうすることもできず時間だけが過ぎていった。
ダダダ!
ババッバ!
轟音で目が覚める。
今何時だ?
時計は丁度十二時を指す。
少女たちが外に飛び出る。
「ゲンジ! 」
「おい! 何の騒ぎだ? 」
「お兄ちゃん! 怖いよう! 」
「リン静かに! 」
「お兄ちゃん! 」
恐怖のあまり抱き着いてきた。
厄介な荷物を抱えてしまったものだ。
「ほら降りろ! リン! 」
「ダメ! リンには無理。無理だよ」
亜砂に引き取ってもらう。
音は強まるばかり。
北の空から物凄い音を立て迫ってくる謎の物体。
正体不明の飛行物体。
UFO?
その正体は?
【続】
リンか? 想像もできない。
では亜砂か? 一番博士について話していたのは彼女だ。
アイミもあり得る。出会った当初と性格ががらりと変わっている。
ムーちゃんも容疑者の一人だ。イブがどうとか話していた。
空蝉はあり得ない。
協力的だし…… いや待てよ。犯人は意外な人物と言うのが定番。
彼女も除外できない。
非力で病弱でとても一人では…… それは他の者も同じだ。
うーん。やはり決め手に欠ける。
もしかしたら五人が共謀して殺害したのかもしれない。
一人の力は微々たるものでも五人が団結すれば男一人ぐらい。
それこそ俺を事故に見せかけて始末しようとしていたぐらいだから。
まあ断定はもちろんできないが……
いや待てよ! もう一つの可能性に考えが及ばなかった。
あの遺体が発見されたのは今日だがいつ埋められたかまでは分からない。
もしもここ数日の間に埋められたとしたら?
いやそんなはず?
まさか船でやって来た侵入者が遺体を埋めたなんてことはないだろうか?
アイミたちでないなら他に考えられるのは彼らと言うことになる。
どれほど突飛な発想であろうと除外するわけにはいかない。
コテージに死体を隠すにはあの時が一番。
何と言ってもあの時隠れていてはっきり見ていたわけではない。
その隙に遺体を持ち運び埋めたとするのが一番無理のない説。
いくら爺さんでも協力なしに一人では遺棄はできない。
コテージを急襲している間に埋めた可能性がゼロとは言えない。
奴らが俺を嵌めるとは思えないが念のため検証する必要がある。
後は俺の記憶が完全に戻れば全て解決だ。
もちろん俺が一番怪しい。
自問自答する。
ゲンジよ。どうなんだ?
お前なのか? お前なのか?
見た気がする。
博士を殺したのはゲンジだ。
博士を埋めたのはやはりゲンジだ。
今の俺とは異なる人物。
それがゲンジ。
ゲンジ本当にお前なのか?
ゲンジ! ゲンジ!
絶叫。
五人の密かな企み。
「お兄ちゃんはどう? 」
「もうあの人はダメです」
「それは言い過ぎじゃない。ムーちゃん」
「アイミも分かっているでしょう? 」
「あの…… 盛り上がっているところすみません」
空蝉が割って入る。
「どうしたの? 」
「申し訳ありません。口が滑ってついつい余計なことを言ってしまいました。
このままだとゲンジさんは船を見つけてしまうかもしれません」
「それは大丈夫。隠してあるから」
亜砂は自信たっぷり。
「亜砂の担当だったっけ? 」
「本当はリンが任されたんだけどね」
「あれ動くの? 」
「さあどうかな」
「それでどこに隠してるんですか? 」
「知ってどうするの空蝉? 」
「ゲンジさんに知らせるんです」
「何を言ってるの! 」
リン以外は反対に回る。
「もし船を見つけたらゲンジはこの島から居なくなってしまう。そうなったら私たちは用済みよ! 」
アイミが噛みつく。
「当然そうでしょうね」
「本当に分かっているの? 」
「そうだよ。私たち本当に消えちゃうんだよ! 」
ムーちゃんが諭す。
「分かってます。でもそれも運命です」
「馬鹿言わないで! リンも何か言って! 」
アイミが迫る。
「リン分かんない! 」
「ふざけないの! 」
「でもさあ。お兄ちゃん困ってるんでしょう? 」
「そんなこと言ってる時じゃない! 全力で止めるの! いい? 分かったリン? 皆も! 」
「仕方がありません。でもヒントだけでも教えてあげてはいかがですか? 」
空蝉は譲らない。
「勝手にすれば! 裏切るつもりなら覚悟するのね! 」
「覚悟? 」
空蝉の腹は決まっている。
「どっちにしろもう長くありません。もうとっくに覚悟は決めています」
元々一枚岩ではなかった少女たち。
脱出阻止はできるのか。
翌日。
少女たちを残し単独行動に出る。
もう宝も発見した。
余計なものも掘り出してしまったがそれは一旦置いておくとして。
この島とはもうお別れだ。
脱出には少なくても船が必要。
もし俺が泳ぎが得意なら近くの島まで泳ぐことも可能な距離だ。
しかし現実は甘くない。
軽度とは言え水恐怖症。
二十五メートルも海の中を進めない。
だから船がいる。
この島のどこかに船が隠されている。
それを見つければ脱出できる。
船にお宝を乗せてすぐに出発だ。
少女たちと別れるのは辛いがまたいつでも会える。
今度は自家用ジェットで来ればいいさ。
もちろん彼女たちが船で一緒に戻るなら文句はない。
どこかなあ?
当てもなく彷徨う。
いや待てよ。あるじゃないか。
崖下に壊れていた…… 捨て置かれた船。
直せば…… そんな技術はない。
うーん。やっぱり無理なのか。
それから三日。どうすることもできず時間だけが過ぎていった。
ダダダ!
ババッバ!
轟音で目が覚める。
今何時だ?
時計は丁度十二時を指す。
少女たちが外に飛び出る。
「ゲンジ! 」
「おい! 何の騒ぎだ? 」
「お兄ちゃん! 怖いよう! 」
「リン静かに! 」
「お兄ちゃん! 」
恐怖のあまり抱き着いてきた。
厄介な荷物を抱えてしまったものだ。
「ほら降りろ! リン! 」
「ダメ! リンには無理。無理だよ」
亜砂に引き取ってもらう。
音は強まるばかり。
北の空から物凄い音を立て迫ってくる謎の物体。
正体不明の飛行物体。
UFO?
その正体は?
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