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姫さま、珍しいお客さまですよ
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ああ、春だわ。
今日も、心地よい風か吹いている。
「ねぇ、姫さま」
「なーに、サスケ?」
「……俺は、何を見せられているの?」
サスケの鋭い視線が、ヒナギクの背後に釘付けだ。
ヒナギクはサスケの言葉をスルーする。
目の前にお饅頭があった。食べるしか、選択肢がない。
「んっ、おいひぃ~。これは黒糖まんね!黒糖の甘さが、いい味だしてるーーもぐもぐ」
「ヒナギク、ついてる」
「ひょっ!!」
頬に、生暖かい感触が這う。驚いて、妙な寄声をあげてしまった。
「甘いな……」
振り返れば、彼が自分の舌で、口の端を舐めている。色気が半端ない。
ヒナギクは落ち着くために、一度深呼吸をした。
「ヒ、ヒスイさん、子供じゃないのだから、ついたものは自分で取れるわ」
「だが、俺が取った方が早い」
お腹にまわる腕の力が強くなり、ヒナギクの首すじに、顔をうずめてくる。
「ひゃわっ、さすがに、距離感おかしくないですか!?」
「そばにいていいと言った」
「ぐぅ……た、確かに言ったけど」
「言葉には責任もつべきだ」
彼の正論に、ぐうの音もでない。誰が、この距離感を想像できただろうか。
「姫さまの馬鹿!勝手にそいつとイチャイチャしてろ!」
止める間もなく、サスケが走り去る。
「どうしたのかしら?」
「多感な年頃なんだろう。気にしなくていい」
仲間はずれにして、寂しかったのかもしれない。あとで、大福を持っていこうと決意する。
横目で見ると、彼は幸せそうに笑みを浮かべていた。
「二人きりだな」
だからどうしたのだろう。ヒナギクは首をかしげて、彼の手をたたく。
「そろそろ、結界の綻びがないか、確認したいので離してください」
先日、補強したばかりだが、実際の目で確認したい
「前途多難だな……」
彼は苦笑し、手を離すと立ち上がった。
「なら、俺も行く。あんたの護衛だからな」
彼は、 ヒナギクに手を差し出す。その手を握り返した。
最初は戸惑っていたのが嘘のように、自然に手を繋ぐ自分が恐ろしい。
ヒナギクは、結界の境い目に向かう。桜華国の入り口付近に足を運び、獣道へと続く、境界線を確認する。うん、問題なし。
国は薄い膜に覆われ、悪意あるものを通さない。全て、結界で弾かれてしまう。
「向こうで、誰か襲われているなーー助けるか?」
彼が獣道を指す。
「助けましょう!」
ヒナギクが走り出そうとすると、肩をつかまれる。
「あんたは、ここに残れ」
「私も行くわ。もし、怪我をしているなら治せるし、周囲に結果を張れるから。守りは私に任せて、ヒスイさんは、気にせず戦いに集中して」
「ーー承知した」
急げば二人の男女が、狼系の魔獣に囲まれていた。
小麦色の髪の青年が、女性を庇うように、両手を広げて立っている。
その手は震えているが、同色の瞳は、一歩も引いていない。
「ヒスイさん」
小声で合図すれば、ヒナギクの意図をくみ取り、魔獣に向かって走り出す。
彼の姿が消えたと思えば、魔獣が次々と倒れていく。
ヒナギクは、慌てて二人のもとへ向かう。
「大丈夫ですか?」
彼らを結界で覆うと、怪我していないか確認する。
女性が左足を押さえていた。
「治療します」
彼女な足に手をかざす。淡く光る。
二人はまだ何が起こったのか、把握できない様子で、茫然としている。
「まだ痛みますか?」
見とれるほど綺麗な女性だ。白金色のウェーブかかった髪に、ぱっちりした藤色の瞳が美しい。まるで、異国の姫君のよう。
「痛みはありませんわ。ありがとうございます。わたくしは、フローディア・アストレイと申します。こちらはわたくしの従者、コムギ。あなた様はもしかして、聖女様ですか?」
彼女が、キラキラした目で、熱心に見つめてくる。
やめて。そんな純粋な目で見ないで。
「違います、私はヒナギクです。私はただの……えーと、大福好きの、通りすがりの者です!」
余計怪しくなった。恥ずかしくなって、うつむく。
「変わった方なんですね……」
コムギといわれた青年が、しみじみと呟いた。
「コムギ、恩人に失礼ですわ」
「申し訳ございません」
いい人だ。同い年ぐらいなのに、しっかりしている。
「ヒナギク、怪我はないか?」
気づけば、彼が背後に立っていた。
複数いた魔獣が、全て地に伏している。サキチが早いと言った意味を、ようやく理解した。
「私は大丈夫よ。ヒスイさんは?」
「俺も平気だ」
ヒナギクの腹に腕が巻き付き、頭をすり寄せる。
つい、よしよしと、銀糸の髪を撫でてしまう。
「まあ!これが噂の相思相愛というものですのね。最近読んだ物語のようで、眼福ですわ!」
「しっ、お嬢様、ここは黙って見守るのが礼儀ですよ」
コムギが、フローディアを咎める。
「あ、そうですわね。わたくしったら、つい興奮してしまいましたわ。わたくしたちのことは気にせず、存分にイチャイチャなさって」
フローディアが、笑顔で見守っている。
ヒナギクは焦って、彼の手を引きはがそうとしてもびくともしない。
「なにか誤解していませんか?私たちはそんな関係じゃーー」
「ずっと一緒にいる約束をした関係だ」
彼が頬に口付けてくる。
ヒナギクは真っ赤になって、抵抗するも、よけいに強く抱き締められた。
すごくいたたまれなくて、彼の胸に顔を埋めることしかできなかった。
「これが本当に、真実の愛で結ばれた二人ですのね。どこぞのバカと豚女とは大違いですわ」
とにかくここは危険なので、事情を聞くためにも、桜華国を案内することにした。
門前に戻れば、ダイフクが座っていた。他の猫たちも複数いる。
「フク、待っててくれたの?」
抱き上げれば、ぶにゃ~と、頭をぶつけてくる。地味に痛い。
どうやら心配させてしまったらしい。他の猫たちも、足にすり寄ってくる。ここは楽園か。
「まぁ、可愛い猫ちゃんたちがたくさん」
「猫は好きですか?」
「大好きですわ!でも、無駄にお妃教育があったせいで、飼えませんでした。それをクズ王子が台無しにして……」
フローディアの周囲が、薄暗くなる。猫たちが毛を逆立てて、一目散に逃げ出した。
ダイフクは気にしないで、ヒナギクの腕に頭を預けて、眠りにつく。
「お嬢様、抑えてください。力が漏れ出ていますよ」
コムギが制止して、彼女の周りから、闇が消えた。
「わたくしったら、猫ちゃんたちを怖がらせてしまったわね。ごめんなさい」
フローディアが頭を下げる。感情の起伏が激しい人なのかもしれない。
「ところで、ずっと気になっていたのですが……シン先生ですよね?髪色は違いますが」
彼女の藤色の瞳が、ヒスイに注目している。
「なんのことだ?」
「わたくしに、認識阻害の魔術は効きませんの。操作系は、わたくしのもっとも得意とする分野ですわ」
「そうだったな、あんたは闇の魔術の使い手だった」
彼は息をはく。ヒナギクは、二人を見比べた。
「知り合いですか?」
「知り合いといえば、そうなのかしら?学院の保健医の先生でしたし。さほど面識はありませんが、あの豚女が構っていたのは覚えております」
フローディアが、かいつまんで、事情を説明してくれた。
クズ王子(ギスタニア帝国の王太子)の元婚約者で、ピンク頭の男爵令嬢と手を取り合って、婚約破棄をつきつけてきたので、腹立ちまぎれに、女を豚に変えて逃げ出した、と。
「いくら幼馴染みとはいえ、許せることではありませんわ」
「幼馴染み?」
「殿下のことは、幼少の頃から知っていますの。昔は泣き虫で甘えん坊で、いつもわたくしの後をついてまわっていました。それがあんな女の魅了の魔術も破れないとはーー情けない!もう、あんなアホ知りませんわ」
まだ怒りが収まらないのか、雑草をぶちぶち引っこ抜いている。
コムギが、そばでおろおろしていた。
「ヒナギク様がうらやましい。こんな素敵な方が、婚約者だなんて。シン先生、全然あの女になびきませんでしたのよ。それどころか、いつも冷たくあしらっておりましわ」
「まあ、ヒナギク様のような心が清らかで、聖女様のような方が、婚約者なら当然かもしれませんが」
やはり、誤解している。もう面倒になって、そのまま否定しないことにした。彼も文句はないらしい。
「そうだな、あんな女と比べるなどおこがましいぐらい、愛らしいからな」
彼は、ヒナギクの黒髪を手に取り、口付ける。何故かノリノリだ。
今、無性に大福が恋しいかもーー
泊まるところがないようなので、彼女たちをヒナギクの屋敷に、招待することにした。
今日も、心地よい風か吹いている。
「ねぇ、姫さま」
「なーに、サスケ?」
「……俺は、何を見せられているの?」
サスケの鋭い視線が、ヒナギクの背後に釘付けだ。
ヒナギクはサスケの言葉をスルーする。
目の前にお饅頭があった。食べるしか、選択肢がない。
「んっ、おいひぃ~。これは黒糖まんね!黒糖の甘さが、いい味だしてるーーもぐもぐ」
「ヒナギク、ついてる」
「ひょっ!!」
頬に、生暖かい感触が這う。驚いて、妙な寄声をあげてしまった。
「甘いな……」
振り返れば、彼が自分の舌で、口の端を舐めている。色気が半端ない。
ヒナギクは落ち着くために、一度深呼吸をした。
「ヒ、ヒスイさん、子供じゃないのだから、ついたものは自分で取れるわ」
「だが、俺が取った方が早い」
お腹にまわる腕の力が強くなり、ヒナギクの首すじに、顔をうずめてくる。
「ひゃわっ、さすがに、距離感おかしくないですか!?」
「そばにいていいと言った」
「ぐぅ……た、確かに言ったけど」
「言葉には責任もつべきだ」
彼の正論に、ぐうの音もでない。誰が、この距離感を想像できただろうか。
「姫さまの馬鹿!勝手にそいつとイチャイチャしてろ!」
止める間もなく、サスケが走り去る。
「どうしたのかしら?」
「多感な年頃なんだろう。気にしなくていい」
仲間はずれにして、寂しかったのかもしれない。あとで、大福を持っていこうと決意する。
横目で見ると、彼は幸せそうに笑みを浮かべていた。
「二人きりだな」
だからどうしたのだろう。ヒナギクは首をかしげて、彼の手をたたく。
「そろそろ、結界の綻びがないか、確認したいので離してください」
先日、補強したばかりだが、実際の目で確認したい
「前途多難だな……」
彼は苦笑し、手を離すと立ち上がった。
「なら、俺も行く。あんたの護衛だからな」
彼は、 ヒナギクに手を差し出す。その手を握り返した。
最初は戸惑っていたのが嘘のように、自然に手を繋ぐ自分が恐ろしい。
ヒナギクは、結界の境い目に向かう。桜華国の入り口付近に足を運び、獣道へと続く、境界線を確認する。うん、問題なし。
国は薄い膜に覆われ、悪意あるものを通さない。全て、結界で弾かれてしまう。
「向こうで、誰か襲われているなーー助けるか?」
彼が獣道を指す。
「助けましょう!」
ヒナギクが走り出そうとすると、肩をつかまれる。
「あんたは、ここに残れ」
「私も行くわ。もし、怪我をしているなら治せるし、周囲に結果を張れるから。守りは私に任せて、ヒスイさんは、気にせず戦いに集中して」
「ーー承知した」
急げば二人の男女が、狼系の魔獣に囲まれていた。
小麦色の髪の青年が、女性を庇うように、両手を広げて立っている。
その手は震えているが、同色の瞳は、一歩も引いていない。
「ヒスイさん」
小声で合図すれば、ヒナギクの意図をくみ取り、魔獣に向かって走り出す。
彼の姿が消えたと思えば、魔獣が次々と倒れていく。
ヒナギクは、慌てて二人のもとへ向かう。
「大丈夫ですか?」
彼らを結界で覆うと、怪我していないか確認する。
女性が左足を押さえていた。
「治療します」
彼女な足に手をかざす。淡く光る。
二人はまだ何が起こったのか、把握できない様子で、茫然としている。
「まだ痛みますか?」
見とれるほど綺麗な女性だ。白金色のウェーブかかった髪に、ぱっちりした藤色の瞳が美しい。まるで、異国の姫君のよう。
「痛みはありませんわ。ありがとうございます。わたくしは、フローディア・アストレイと申します。こちらはわたくしの従者、コムギ。あなた様はもしかして、聖女様ですか?」
彼女が、キラキラした目で、熱心に見つめてくる。
やめて。そんな純粋な目で見ないで。
「違います、私はヒナギクです。私はただの……えーと、大福好きの、通りすがりの者です!」
余計怪しくなった。恥ずかしくなって、うつむく。
「変わった方なんですね……」
コムギといわれた青年が、しみじみと呟いた。
「コムギ、恩人に失礼ですわ」
「申し訳ございません」
いい人だ。同い年ぐらいなのに、しっかりしている。
「ヒナギク、怪我はないか?」
気づけば、彼が背後に立っていた。
複数いた魔獣が、全て地に伏している。サキチが早いと言った意味を、ようやく理解した。
「私は大丈夫よ。ヒスイさんは?」
「俺も平気だ」
ヒナギクの腹に腕が巻き付き、頭をすり寄せる。
つい、よしよしと、銀糸の髪を撫でてしまう。
「まあ!これが噂の相思相愛というものですのね。最近読んだ物語のようで、眼福ですわ!」
「しっ、お嬢様、ここは黙って見守るのが礼儀ですよ」
コムギが、フローディアを咎める。
「あ、そうですわね。わたくしったら、つい興奮してしまいましたわ。わたくしたちのことは気にせず、存分にイチャイチャなさって」
フローディアが、笑顔で見守っている。
ヒナギクは焦って、彼の手を引きはがそうとしてもびくともしない。
「なにか誤解していませんか?私たちはそんな関係じゃーー」
「ずっと一緒にいる約束をした関係だ」
彼が頬に口付けてくる。
ヒナギクは真っ赤になって、抵抗するも、よけいに強く抱き締められた。
すごくいたたまれなくて、彼の胸に顔を埋めることしかできなかった。
「これが本当に、真実の愛で結ばれた二人ですのね。どこぞのバカと豚女とは大違いですわ」
とにかくここは危険なので、事情を聞くためにも、桜華国を案内することにした。
門前に戻れば、ダイフクが座っていた。他の猫たちも複数いる。
「フク、待っててくれたの?」
抱き上げれば、ぶにゃ~と、頭をぶつけてくる。地味に痛い。
どうやら心配させてしまったらしい。他の猫たちも、足にすり寄ってくる。ここは楽園か。
「まぁ、可愛い猫ちゃんたちがたくさん」
「猫は好きですか?」
「大好きですわ!でも、無駄にお妃教育があったせいで、飼えませんでした。それをクズ王子が台無しにして……」
フローディアの周囲が、薄暗くなる。猫たちが毛を逆立てて、一目散に逃げ出した。
ダイフクは気にしないで、ヒナギクの腕に頭を預けて、眠りにつく。
「お嬢様、抑えてください。力が漏れ出ていますよ」
コムギが制止して、彼女の周りから、闇が消えた。
「わたくしったら、猫ちゃんたちを怖がらせてしまったわね。ごめんなさい」
フローディアが頭を下げる。感情の起伏が激しい人なのかもしれない。
「ところで、ずっと気になっていたのですが……シン先生ですよね?髪色は違いますが」
彼女の藤色の瞳が、ヒスイに注目している。
「なんのことだ?」
「わたくしに、認識阻害の魔術は効きませんの。操作系は、わたくしのもっとも得意とする分野ですわ」
「そうだったな、あんたは闇の魔術の使い手だった」
彼は息をはく。ヒナギクは、二人を見比べた。
「知り合いですか?」
「知り合いといえば、そうなのかしら?学院の保健医の先生でしたし。さほど面識はありませんが、あの豚女が構っていたのは覚えております」
フローディアが、かいつまんで、事情を説明してくれた。
クズ王子(ギスタニア帝国の王太子)の元婚約者で、ピンク頭の男爵令嬢と手を取り合って、婚約破棄をつきつけてきたので、腹立ちまぎれに、女を豚に変えて逃げ出した、と。
「いくら幼馴染みとはいえ、許せることではありませんわ」
「幼馴染み?」
「殿下のことは、幼少の頃から知っていますの。昔は泣き虫で甘えん坊で、いつもわたくしの後をついてまわっていました。それがあんな女の魅了の魔術も破れないとはーー情けない!もう、あんなアホ知りませんわ」
まだ怒りが収まらないのか、雑草をぶちぶち引っこ抜いている。
コムギが、そばでおろおろしていた。
「ヒナギク様がうらやましい。こんな素敵な方が、婚約者だなんて。シン先生、全然あの女になびきませんでしたのよ。それどころか、いつも冷たくあしらっておりましわ」
「まあ、ヒナギク様のような心が清らかで、聖女様のような方が、婚約者なら当然かもしれませんが」
やはり、誤解している。もう面倒になって、そのまま否定しないことにした。彼も文句はないらしい。
「そうだな、あんな女と比べるなどおこがましいぐらい、愛らしいからな」
彼は、ヒナギクの黒髪を手に取り、口付ける。何故かノリノリだ。
今、無性に大福が恋しいかもーー
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