50 / 247
帝都の大学
お礼の約束
しおりを挟む
リュディガーに勧められるまま、お菓子とともにお茶を飲む。
甘いもの、そして冷めてしまったが、冷めても口の中で広がるお茶の風味が、心を落ち着かせる一助となる。
リュディガーの龍騎士時代の他愛ない話などを聞いていれば、自然と心も軽くなって表情も無理なく柔らかくなってきた。
「__キルシェ、ありがとう」
すっかり冷めきった3杯目のお茶。それを口の中に残った焼き菓子を胃に送り込もうと口に運ぼうとしたところで、リュディガーが改まった声で言うものだから、思わず手を止めた。
「何がです?」
「父のこと。今朝、エルンストから聞いた」
ああ、とキルシェは笑って、軽くお茶を口に含んでから飲み込む。
「__エルンストさん、お忙しくおなりでしょうから」
「ああ、間違いなくすごく助かっているはずだ」
「そう。ならよかったです」
それはすごく嬉しいことだ。些細なことでも、国を担う彼らの補佐ができているということは、とても誇らしい。
「私に何かあったとき、父のことを頼んでいたから、任せきりなのは忍びないと思ったのだろう。彼が昨夜、父の様子を見に行ってくれたそうなのだが、買い出しだけでなく、食事まで用意してくれているという話じゃないか。__正直、驚いた」
「驚く? そうですか?」
「ああ。ほら……確かに馬鈴薯の皮を剥いたり切ったりはしてもらったが、料理までというのは想像できなかったから」
「私のような人種は無縁ですからね、本来なら」
キルシェは肩をすくめて自虐的に言い、苦笑いを浮かべた。
あまり寄宿学校にいたという過去を言いたくないのは、どうしてそこに居たのか、と聞かれるからだ。
そうなると家のことを聞かれることになる。養子だということも言わざるを得ないだろう。養子ということを後ろ暗く感じることはないが、それで同情されることがキルシェには堪らないこと。
そこそこの家柄、と知られなければ家事はできて当然なのだが、大学に悠々自適に在籍していられる時点で上流階級なわけだから、一般庶民と認識してはもらえない。そんな出自の娘が、どうして家事がこなせるのか、と疑問を抱くのは当然だ。
ではどこで、では何故__と疑問が連なり、結局は寄宿学校のことはもちろん、生い立ちのことまでも明かさざるを得ない。
少なくとも、キルシェにはうまい言い逃れができないのだ。
リュディガーと行動をよくともにするようになり、彼の為人を知り、彼ならば、と打ち明けた。
それは間違いではなかったし、リュディガーの父ローベルトから聞かされて知ったことだが、彼もまた養子。
彼自身の口から言わなかったのは、自分と違い、彼はローベルトのことを本当の父と受け入れているからだろう。
父と認められない自分と、父と認められている彼とでは、憐れまれ同情されるのは明らかに自分の方。
その差はあれど、彼は失礼にあたるとわかるからこそ、必要以上に同情はしなかった。それはきっとこれからもそうだろう。
「__寄宿学校で、覚えたことがこんな風に活かせるとは、あのとき思いもしませんでした。知識は多いに越したことはないですね」
確かに記憶の中の寄宿学校は、灰色の景色でしか浮かばない。それほど自分にとって、いい思い出はない。
だが自分はそこまで愚かではないから、全てを呪うことも、恨むこともない。確実に得られたこともあったからだ。
「お陰で残穢についても、取り扱いを心得ていましたし」
ふふ、と冗談めかして得意げに背筋を伸ばしてみれば、リュディガーは目を僅かに見開いた。
「君がいた寄宿学校というのは、そうか、修道院のだから……」
「ええ。療養施設もありました。そこについては、大変だったとか、そうしたことは感じなかったです。早く良くなってほしい一心で……少しでも役に立てているということが嬉しく感じられることのほうが多かったです」
存在意義を見いだせた場所でもある。
だから、指導と言うには行き過ぎた仕打ちをされ、思い出せば灰色のような景色が広がるばかりでも、一概に否定しきれないものとなっている。
__そう。家に居るよりも……。
今思えば、家よりもまだ存在していていいのだ、と思えた瞬間が多かったかもしれない。家よりは戒律があり、とても厳しかった。だが、認められる場面もそれなりにあったのだ。
「__君には、してもらってばかりだ」
「そうですか?」
「弓射の指南にはじまり、家のことも。偶然とは言え、影身玉のこともそうだし、こうして話し相手にもなってもらって」
そこまで言ったリュディガーは、負傷している側の肩に手を置いて、ほぐすように腕を軽く回した。
「この調子だと、少なくともあと3日はここに留まるように言われるだろう。明日の診察で、そのあたりを細かく告げられるはずだ」
「そう」
「だが、私は2日で戻る」
まあ、とキルシェは彼の宣言に目を見開く。
この東屋に至るまでの彼の有様を見るに、果たしてそんなに早く出られるのだろうか、甚だ疑問でしか無い。
「お礼をしないとな」
「いりませんよ。弓射を頑張ってくだされば、それで」
「それはもちろんだが……」
そうだな、と彼は無精髭が目立つ顎を擦った。
「__どこか行きたい場所とかないのか? 従者の真似事ぐらいこなせる」
今はこんな見た目だが、と自嘲を浮かべる彼の申し出に、要らない、と笑う。
「なら食材とか、父の世話など諸々かかった費用はいくらだ?」
「えぇっと……大した額じゃないので」
「いいかキルシェ、あまりにも君の功労が多すぎる。今回ばかりは譲らない」
__いつも譲らないのに……。
キルシェは内心苦笑する。
「お代を受け取れないと言うのなら、何かしら別の希望を」
「……といっても、お代の分を加味してそれ以上のお礼をなさるでしょう?」
「さすが専属指南役殿。よくお分かりのようで。なら話は早い。今回折れるつもりはないことも分かるだろう?」
背筋をのばし腕を組むリュディガーは、確かに譲らないという意思と、こちらの望みを言わせてみせるという気概を惜しげもなく出している。
「わかりました」
こうなるとキルシェは折れざるを得ない。
「……そうですねぇ……」
はてさて、とキルシェは首を捻る。そして、東屋の外へ視線を投げた。
東屋の外の景色には、風にそよぐ木々や草花が広がる。
ここが帝都だと思えないほどの豊かな植生。喧騒から切り離され、庭と言うには明るい森かあるいは林にしか見えない景色だ。
その中を、這うように走る沢が見えた。
風に撫でられた枝垂れの葉に隠される沢は、穏やかな流れをたたえていて、浅そうである。
それを見つけて、ふと、先日の話題が脳裏をよぎった。
「__蛍……」
「ん?」
ぽつり、と漏れ出ていた言葉だったが、もう一度、とリュディガーは表情で促した。
「……蛍を観てみたいです」
「蛍?」
「実は先日ブリュール夫人とお茶屋さんへ行ったとき、蛍の話題になったんです。そのお茶屋さんでは、昔はよく飛んでいたそうで」
「確か、夫人と君が行ったのは、リヒトタンゼン……だったか」
「ええ、そのお店」
「あぁ……昔、そんな話を聞いたことがあるな。そういえば。たしか、護岸工事で蛍はめっきり減ってしまった、と」
帝都でも有数の老舗の名店。
そのお店に行くことが決まったことを話したら、彼も行ったことがある、と言っていた。
「そうらしいわ。ブリュール夫人の話だと、帝都には他にも蛍が飛ぶ場所があると聞いたの」
「故郷では? 観たことがないのか?」
「いえ、いたはずですが、お許しがなかったから、夜に出歩いたことがないので……。本か、あるいは人の話を聞いたりしていただけ」
わかった、とリュディガーは膝をひとつ打つ。
「__連れて行く」
「場所、知っているの?」
「ああ。おそらく、あそこだろうという目星はある。伊達に、帝都中を警邏してはいなかったからな」
「流石ですね」
ぐっ、と口角に力を入れて笑うリュディガーに、キルシェもまた笑った。
「ただ、まだ時期ではない。その時期になったら案内する」
「ありがとう。__では、それまでは、弓射の鍛錬に全力を注ぐことにしてください」
言わずもがな、と彼はわざとらしいほど力強く頷いて見せた。
甘いもの、そして冷めてしまったが、冷めても口の中で広がるお茶の風味が、心を落ち着かせる一助となる。
リュディガーの龍騎士時代の他愛ない話などを聞いていれば、自然と心も軽くなって表情も無理なく柔らかくなってきた。
「__キルシェ、ありがとう」
すっかり冷めきった3杯目のお茶。それを口の中に残った焼き菓子を胃に送り込もうと口に運ぼうとしたところで、リュディガーが改まった声で言うものだから、思わず手を止めた。
「何がです?」
「父のこと。今朝、エルンストから聞いた」
ああ、とキルシェは笑って、軽くお茶を口に含んでから飲み込む。
「__エルンストさん、お忙しくおなりでしょうから」
「ああ、間違いなくすごく助かっているはずだ」
「そう。ならよかったです」
それはすごく嬉しいことだ。些細なことでも、国を担う彼らの補佐ができているということは、とても誇らしい。
「私に何かあったとき、父のことを頼んでいたから、任せきりなのは忍びないと思ったのだろう。彼が昨夜、父の様子を見に行ってくれたそうなのだが、買い出しだけでなく、食事まで用意してくれているという話じゃないか。__正直、驚いた」
「驚く? そうですか?」
「ああ。ほら……確かに馬鈴薯の皮を剥いたり切ったりはしてもらったが、料理までというのは想像できなかったから」
「私のような人種は無縁ですからね、本来なら」
キルシェは肩をすくめて自虐的に言い、苦笑いを浮かべた。
あまり寄宿学校にいたという過去を言いたくないのは、どうしてそこに居たのか、と聞かれるからだ。
そうなると家のことを聞かれることになる。養子だということも言わざるを得ないだろう。養子ということを後ろ暗く感じることはないが、それで同情されることがキルシェには堪らないこと。
そこそこの家柄、と知られなければ家事はできて当然なのだが、大学に悠々自適に在籍していられる時点で上流階級なわけだから、一般庶民と認識してはもらえない。そんな出自の娘が、どうして家事がこなせるのか、と疑問を抱くのは当然だ。
ではどこで、では何故__と疑問が連なり、結局は寄宿学校のことはもちろん、生い立ちのことまでも明かさざるを得ない。
少なくとも、キルシェにはうまい言い逃れができないのだ。
リュディガーと行動をよくともにするようになり、彼の為人を知り、彼ならば、と打ち明けた。
それは間違いではなかったし、リュディガーの父ローベルトから聞かされて知ったことだが、彼もまた養子。
彼自身の口から言わなかったのは、自分と違い、彼はローベルトのことを本当の父と受け入れているからだろう。
父と認められない自分と、父と認められている彼とでは、憐れまれ同情されるのは明らかに自分の方。
その差はあれど、彼は失礼にあたるとわかるからこそ、必要以上に同情はしなかった。それはきっとこれからもそうだろう。
「__寄宿学校で、覚えたことがこんな風に活かせるとは、あのとき思いもしませんでした。知識は多いに越したことはないですね」
確かに記憶の中の寄宿学校は、灰色の景色でしか浮かばない。それほど自分にとって、いい思い出はない。
だが自分はそこまで愚かではないから、全てを呪うことも、恨むこともない。確実に得られたこともあったからだ。
「お陰で残穢についても、取り扱いを心得ていましたし」
ふふ、と冗談めかして得意げに背筋を伸ばしてみれば、リュディガーは目を僅かに見開いた。
「君がいた寄宿学校というのは、そうか、修道院のだから……」
「ええ。療養施設もありました。そこについては、大変だったとか、そうしたことは感じなかったです。早く良くなってほしい一心で……少しでも役に立てているということが嬉しく感じられることのほうが多かったです」
存在意義を見いだせた場所でもある。
だから、指導と言うには行き過ぎた仕打ちをされ、思い出せば灰色のような景色が広がるばかりでも、一概に否定しきれないものとなっている。
__そう。家に居るよりも……。
今思えば、家よりもまだ存在していていいのだ、と思えた瞬間が多かったかもしれない。家よりは戒律があり、とても厳しかった。だが、認められる場面もそれなりにあったのだ。
「__君には、してもらってばかりだ」
「そうですか?」
「弓射の指南にはじまり、家のことも。偶然とは言え、影身玉のこともそうだし、こうして話し相手にもなってもらって」
そこまで言ったリュディガーは、負傷している側の肩に手を置いて、ほぐすように腕を軽く回した。
「この調子だと、少なくともあと3日はここに留まるように言われるだろう。明日の診察で、そのあたりを細かく告げられるはずだ」
「そう」
「だが、私は2日で戻る」
まあ、とキルシェは彼の宣言に目を見開く。
この東屋に至るまでの彼の有様を見るに、果たしてそんなに早く出られるのだろうか、甚だ疑問でしか無い。
「お礼をしないとな」
「いりませんよ。弓射を頑張ってくだされば、それで」
「それはもちろんだが……」
そうだな、と彼は無精髭が目立つ顎を擦った。
「__どこか行きたい場所とかないのか? 従者の真似事ぐらいこなせる」
今はこんな見た目だが、と自嘲を浮かべる彼の申し出に、要らない、と笑う。
「なら食材とか、父の世話など諸々かかった費用はいくらだ?」
「えぇっと……大した額じゃないので」
「いいかキルシェ、あまりにも君の功労が多すぎる。今回ばかりは譲らない」
__いつも譲らないのに……。
キルシェは内心苦笑する。
「お代を受け取れないと言うのなら、何かしら別の希望を」
「……といっても、お代の分を加味してそれ以上のお礼をなさるでしょう?」
「さすが専属指南役殿。よくお分かりのようで。なら話は早い。今回折れるつもりはないことも分かるだろう?」
背筋をのばし腕を組むリュディガーは、確かに譲らないという意思と、こちらの望みを言わせてみせるという気概を惜しげもなく出している。
「わかりました」
こうなるとキルシェは折れざるを得ない。
「……そうですねぇ……」
はてさて、とキルシェは首を捻る。そして、東屋の外へ視線を投げた。
東屋の外の景色には、風にそよぐ木々や草花が広がる。
ここが帝都だと思えないほどの豊かな植生。喧騒から切り離され、庭と言うには明るい森かあるいは林にしか見えない景色だ。
その中を、這うように走る沢が見えた。
風に撫でられた枝垂れの葉に隠される沢は、穏やかな流れをたたえていて、浅そうである。
それを見つけて、ふと、先日の話題が脳裏をよぎった。
「__蛍……」
「ん?」
ぽつり、と漏れ出ていた言葉だったが、もう一度、とリュディガーは表情で促した。
「……蛍を観てみたいです」
「蛍?」
「実は先日ブリュール夫人とお茶屋さんへ行ったとき、蛍の話題になったんです。そのお茶屋さんでは、昔はよく飛んでいたそうで」
「確か、夫人と君が行ったのは、リヒトタンゼン……だったか」
「ええ、そのお店」
「あぁ……昔、そんな話を聞いたことがあるな。そういえば。たしか、護岸工事で蛍はめっきり減ってしまった、と」
帝都でも有数の老舗の名店。
そのお店に行くことが決まったことを話したら、彼も行ったことがある、と言っていた。
「そうらしいわ。ブリュール夫人の話だと、帝都には他にも蛍が飛ぶ場所があると聞いたの」
「故郷では? 観たことがないのか?」
「いえ、いたはずですが、お許しがなかったから、夜に出歩いたことがないので……。本か、あるいは人の話を聞いたりしていただけ」
わかった、とリュディガーは膝をひとつ打つ。
「__連れて行く」
「場所、知っているの?」
「ああ。おそらく、あそこだろうという目星はある。伊達に、帝都中を警邏してはいなかったからな」
「流石ですね」
ぐっ、と口角に力を入れて笑うリュディガーに、キルシェもまた笑った。
「ただ、まだ時期ではない。その時期になったら案内する」
「ありがとう。__では、それまでは、弓射の鍛錬に全力を注ぐことにしてください」
言わずもがな、と彼はわざとらしいほど力強く頷いて見せた。
0
あなたにおすすめの小説
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。
【完結】エレクトラの婚約者
buchi
恋愛
しっかり者だが自己評価低めのエレクトラ。婚約相手は年下の美少年。迷うわー
エレクトラは、平凡な伯爵令嬢。
父の再婚で家に乗り込んできた義母と義姉たちにいいようにあしらわれ、困り果てていた。
そこへ父がエレクトラに縁談を持ち込むが、二歳年下の少年で爵位もなければ金持ちでもない。
エレクトラは悩むが、義母は借金のカタにエレクトラに別な縁談を押し付けてきた。
もう自立するわ!とエレクトラは親友の王弟殿下の娘の侍女になろうと決意を固めるが……
11万字とちょっと長め。
謙虚過ぎる性格のエレクトラと、優しいけど訳アリの高貴な三人の女友達、実は執着強めの天才肌の婚約予定者、扱いに困る義母と義姉が出てきます。暇つぶしにどうぞ。
タグにざまぁが付いていますが、義母や義姉たちが命に別状があったり、とことんひどいことになるザマァではないです。
まあ、そうなるよね〜みたいな因果応報的なざまぁです。
イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
楠ノ木雫
恋愛
蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる