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11話 みんなと一緒のクラブに入りたい王子さま
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———ガラガラガラガラ
帰りは公爵家の馬車で帰るから大丈夫と言ったのに、アークは少し遠回りになるだけだから問題ないと、エレナを送ってくれている。
アークは、少しどころかたくさん遠回りして、もっとエレナと一緒に居たいくらいだった。
「ねぇ、エレナ?」
「はい、どうしました?アーク様?」
「さっきの休憩時間、3人で楽しそうに何話してたの?」
アークは少し悲しげにエレナの顔を覗き込んだ。
「ああ、それでしたら、私の隣の席のマーガレットにお友達になって貰えたということと、
あとは、みんな何のクラブに入るか話してたんですよ?」
アークが自分のことを気にしてくれていた事が嬉しくて、ニコニコしながら報告した。
「へぇ、お友達第一号だ。よかったね?」
アークはエレナが嬉しそうで、本当によかったと思うと、自然と顔が綻んだ。
「エレナ?マーガレットといえば、すごく魔力量が多くて、教師の間でも有名な子だ。
エレナの友達になってくれたなんて、頼もしい限りだよ。有難いことだな」
隣に座るエレナの頭を撫でながら、アークは微笑んで言うと、さらに続けた。
「それで?エレナは何のクラブに入るの?」
「ええ、お料理クラブですわ。女の子もたくさんいますし!」
フェリスに問い詰められたことで学習したエレナは、先に理由も一緒に言っておいた。
「そう…なのか?お料理クラブとは、また珍しいな?まぁ、でも、たくさん友達ができるといいな?」
新しいクラブのことを思って意気込むエレナを、アークはそう言いながら、微笑ましく見た。
しかし、その次の言葉を聞いて少し雲行きがおかしくなった。
「はい、それが、マーガレットとフェリス殿下も一緒に入るとおっしゃられて、とても心強いですわ」
と、エレナはにっこり笑う。
「は?フェリスまで?マーガレットはわかるが、なんであいつが料理なんだ⁇」
不思議そうにアークは首を傾げた。
「さぁ、そこまではわかりませんが。
お料理に興味があるのか、それとも女性への苦手意識を克服したい…とか?
なんでなんでしょうね?」
エレナも一緒になって小首を傾げた。
「ふ…む。よくわからんが、まぁ、エレナのそばで魔力量の多い2人が付いていてくれるなら安心ではあるが…な。
あー!
そんなことなら俺も一緒に入りたい!」
面倒なことを深く考えるのが苦手なアークは、良い方向に捉えて終わらせた。
「アーク様はどうなさるんですか?」
「ああ、俺は生徒会に入らないといけないんだってさ。
それが、けっこう忙しいらしくて、他のクラブには入れそうにないみたいだ。
さっき教師に呼ばれた時にそう言われた。
国の縮図である貴族の子息令嬢たちが集まる学園を纏めるところから王への道は始まっているだのなんだの。
それに、エレナも一緒に入らないといけないみたいなんだ。
王妃教育の上に生徒会まで可哀想でやらせられないって言ったんだけど、週に2、3回は顔を出して貰うことになりそうだ。
大丈夫かな?」
「もちろんですわ!アーク様が頑張っていらっしゃるのに、私だけ自由にしていていいはずありません!
私でお役に立てるかはわかりませんが、ぜひお手伝いさせてください」
意気込んでそう言うエレナに、アークはありがとうと嬉しそうに微笑んで言った。
帰りは公爵家の馬車で帰るから大丈夫と言ったのに、アークは少し遠回りになるだけだから問題ないと、エレナを送ってくれている。
アークは、少しどころかたくさん遠回りして、もっとエレナと一緒に居たいくらいだった。
「ねぇ、エレナ?」
「はい、どうしました?アーク様?」
「さっきの休憩時間、3人で楽しそうに何話してたの?」
アークは少し悲しげにエレナの顔を覗き込んだ。
「ああ、それでしたら、私の隣の席のマーガレットにお友達になって貰えたということと、
あとは、みんな何のクラブに入るか話してたんですよ?」
アークが自分のことを気にしてくれていた事が嬉しくて、ニコニコしながら報告した。
「へぇ、お友達第一号だ。よかったね?」
アークはエレナが嬉しそうで、本当によかったと思うと、自然と顔が綻んだ。
「エレナ?マーガレットといえば、すごく魔力量が多くて、教師の間でも有名な子だ。
エレナの友達になってくれたなんて、頼もしい限りだよ。有難いことだな」
隣に座るエレナの頭を撫でながら、アークは微笑んで言うと、さらに続けた。
「それで?エレナは何のクラブに入るの?」
「ええ、お料理クラブですわ。女の子もたくさんいますし!」
フェリスに問い詰められたことで学習したエレナは、先に理由も一緒に言っておいた。
「そう…なのか?お料理クラブとは、また珍しいな?まぁ、でも、たくさん友達ができるといいな?」
新しいクラブのことを思って意気込むエレナを、アークはそう言いながら、微笑ましく見た。
しかし、その次の言葉を聞いて少し雲行きがおかしくなった。
「はい、それが、マーガレットとフェリス殿下も一緒に入るとおっしゃられて、とても心強いですわ」
と、エレナはにっこり笑う。
「は?フェリスまで?マーガレットはわかるが、なんであいつが料理なんだ⁇」
不思議そうにアークは首を傾げた。
「さぁ、そこまではわかりませんが。
お料理に興味があるのか、それとも女性への苦手意識を克服したい…とか?
なんでなんでしょうね?」
エレナも一緒になって小首を傾げた。
「ふ…む。よくわからんが、まぁ、エレナのそばで魔力量の多い2人が付いていてくれるなら安心ではあるが…な。
あー!
そんなことなら俺も一緒に入りたい!」
面倒なことを深く考えるのが苦手なアークは、良い方向に捉えて終わらせた。
「アーク様はどうなさるんですか?」
「ああ、俺は生徒会に入らないといけないんだってさ。
それが、けっこう忙しいらしくて、他のクラブには入れそうにないみたいだ。
さっき教師に呼ばれた時にそう言われた。
国の縮図である貴族の子息令嬢たちが集まる学園を纏めるところから王への道は始まっているだのなんだの。
それに、エレナも一緒に入らないといけないみたいなんだ。
王妃教育の上に生徒会まで可哀想でやらせられないって言ったんだけど、週に2、3回は顔を出して貰うことになりそうだ。
大丈夫かな?」
「もちろんですわ!アーク様が頑張っていらっしゃるのに、私だけ自由にしていていいはずありません!
私でお役に立てるかはわかりませんが、ぜひお手伝いさせてください」
意気込んでそう言うエレナに、アークはありがとうと嬉しそうに微笑んで言った。
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