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112 繰り返した事による限界
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はぁ。これがリアンの本性か。
私は『極の反転』を使った後、あまりにもの眠たさに眠ってしまった。そこで、夢を見た。いや、私が私となる前の記憶を見た。
「やぁ。はじめまして」
私はパンツスーツで髪を一つにまとめ、いつもの出社スタイルで、よくわからない場所の長椅子に腰を降ろしていた。
目の前にはミルクティー色の髪に金色の瞳の美しい男性が座っていた。
だが、なんだか見たことがあるようで無いようなと記憶の海を掻き分けているところで男性が話し出す。
「僕の事がわからないようだね。君がよくしていたゲームって言えばわかるかな?」
「あ、エルドラード」
確か、こんな感じだったと思う。
「いや、そこはサマをつけてよ」
細かいな。
「で、そのエルドラードサマが何のようですか?私は死んだと思ったのですが?」
私は死んだ。手紙の中身を見ずに死んでしまった。あれは何が書いてあったのだろう。
「なんだかサマまで名前のように呼ばないで欲しいんだけど?まぁ、君が言ったとおり君は死んだよ。肉片になるぐらいにグッシャリと」
その細かさもいらない。
「人の死に方を説明してもらわなくてもいいです。で、用件をどうぞ」
「萌ちゃん。恋人にふられても文句を言いながらゲームをしていた君に頼みたいんだ」
文句ぐらい言うし!呪いの五寸釘を用意していないだけマシと思って欲しい。
「他を当たってください」
「即答!いや、ね。あのゲームをやってみてどう思った?」
「クソゲー」
それ以外の言葉はない。
「その割には2回もしていたよね」
「ちっ」
したよ。エンディング見たさにクソゲーを2回もやったよ。
「あの?僕。神様なんだけど?舌打ちって···はぁ。それでそのゲームの元になった世界があるんだよ」
「あー。そうですか。よかったですね」
「そこでは世界を作った女神が封じられた夫を探して、さまよっているんだけど、毎回人の身で転生するから、その夫の元にはたどり着けないんだよ」
それは女神の夫ということは神なんでしょうね。それは人の身では難しいと普通は思うでしょ。
「大変ですねー」
「女神の力を持った人の身ではどうしても女神の力をその器が受け止められなくて、か弱い存在になってしまうんだ」
ああ、そういう設定ね。
「はぁ。そうですかー」
「だから、毎回守護者を女神の転生者に与えるんだけど、何度も転生を繰り返すうちに魂が歪んでしまってね。いつも死んでしまうんだよ」
死ぬ?女神が?
「ん?女神がですか?」
「死ぬのは女神の方で、歪んだのは転生繰り返しすぎた守護者の方だね。最初は良かったんだけどね。もう、今回で限界かなって思って最後にしようと思ったんだよ」
限界。転生を繰り返した事による限界。
「最後?」
「そう、女神の願いをいい加減に叶えてあげようと思ったんだよ。だから、魔物の王っていうのを作り出して、守護者に勇者の役目を与えたんだよ」
魔物の王?魔王!そして、勇者ってことは
「勇者リアン!っていうか魔王を神が作ったの?」
「はぁ。だってさぁ。自分は何もできないからってウジウジと安息を約束された地より出ないんだよ。だから、守護者の勇者に引っ張り出してもらって、旅をしながら夫の元に向かってもらおうって思ったんだよ」
引っ張り出して旅を?頭の中で検索する。そんなシーンはあった?
あ!勇者の仲間にできる幼馴染みヒロイン!カスステータスのヒロイン!
「はぁ?もしかしてモナのこと?それは無理ゲーよ!」
「そうみたいだったね。でも、僕は守護者に神託を下した。
勇者として世界を滅ぼす魔王を倒して欲しい。できれば、君の幼馴染みを連れて旅をして欲しいけど、無理なら強要はしないよ。ただ、幼馴染みに剣を向けることをしては駄目って、
でも毎回最後には女神の器が殺され、世界が崩壊する。
世界が崩壊してしまったところで時間を巻き戻してもう一回やり直し、それの繰り返し。世界の時間を巻き戻し続けたことで、おかしいと感づき始めた者も出だしてね。だから、次で最後にしたいんだよ」
リアンがモナに剣を向ける?モナがリアンに殺される?何で?
「それは頑張ってください」
ああ、転生の歪みか。女神がいるかぎりその守護者は転生をし続けなければならない。だから、終わらそうと女神を殺す。
「うん。頑張ってね。萌ちゃん」
「は?」
「君が万が一守護者の勇者に恋心を持ってしまったら困るから、恋愛感情は封じてあげるね。それから、君のトラウマは忘れないようにしといてあげる」
殺される相手に恋心持たないし!私のトラウマって何?何かあった?
「いや、待って!」
「それじゃこの世界を楽しんでいってね」
「どう見ても楽しめないでしょ!」
ということが、転生前に起こったのだ。エルドラードはクソだった。殴っておけばよかった。
私がキョウヤを忘れることができなかったのは、私がリアンに恋心を抱かせないようにするエルドラードの策略だったのだ。
私は『極の反転』を使った後、あまりにもの眠たさに眠ってしまった。そこで、夢を見た。いや、私が私となる前の記憶を見た。
「やぁ。はじめまして」
私はパンツスーツで髪を一つにまとめ、いつもの出社スタイルで、よくわからない場所の長椅子に腰を降ろしていた。
目の前にはミルクティー色の髪に金色の瞳の美しい男性が座っていた。
だが、なんだか見たことがあるようで無いようなと記憶の海を掻き分けているところで男性が話し出す。
「僕の事がわからないようだね。君がよくしていたゲームって言えばわかるかな?」
「あ、エルドラード」
確か、こんな感じだったと思う。
「いや、そこはサマをつけてよ」
細かいな。
「で、そのエルドラードサマが何のようですか?私は死んだと思ったのですが?」
私は死んだ。手紙の中身を見ずに死んでしまった。あれは何が書いてあったのだろう。
「なんだかサマまで名前のように呼ばないで欲しいんだけど?まぁ、君が言ったとおり君は死んだよ。肉片になるぐらいにグッシャリと」
その細かさもいらない。
「人の死に方を説明してもらわなくてもいいです。で、用件をどうぞ」
「萌ちゃん。恋人にふられても文句を言いながらゲームをしていた君に頼みたいんだ」
文句ぐらい言うし!呪いの五寸釘を用意していないだけマシと思って欲しい。
「他を当たってください」
「即答!いや、ね。あのゲームをやってみてどう思った?」
「クソゲー」
それ以外の言葉はない。
「その割には2回もしていたよね」
「ちっ」
したよ。エンディング見たさにクソゲーを2回もやったよ。
「あの?僕。神様なんだけど?舌打ちって···はぁ。それでそのゲームの元になった世界があるんだよ」
「あー。そうですか。よかったですね」
「そこでは世界を作った女神が封じられた夫を探して、さまよっているんだけど、毎回人の身で転生するから、その夫の元にはたどり着けないんだよ」
それは女神の夫ということは神なんでしょうね。それは人の身では難しいと普通は思うでしょ。
「大変ですねー」
「女神の力を持った人の身ではどうしても女神の力をその器が受け止められなくて、か弱い存在になってしまうんだ」
ああ、そういう設定ね。
「はぁ。そうですかー」
「だから、毎回守護者を女神の転生者に与えるんだけど、何度も転生を繰り返すうちに魂が歪んでしまってね。いつも死んでしまうんだよ」
死ぬ?女神が?
「ん?女神がですか?」
「死ぬのは女神の方で、歪んだのは転生繰り返しすぎた守護者の方だね。最初は良かったんだけどね。もう、今回で限界かなって思って最後にしようと思ったんだよ」
限界。転生を繰り返した事による限界。
「最後?」
「そう、女神の願いをいい加減に叶えてあげようと思ったんだよ。だから、魔物の王っていうのを作り出して、守護者に勇者の役目を与えたんだよ」
魔物の王?魔王!そして、勇者ってことは
「勇者リアン!っていうか魔王を神が作ったの?」
「はぁ。だってさぁ。自分は何もできないからってウジウジと安息を約束された地より出ないんだよ。だから、守護者の勇者に引っ張り出してもらって、旅をしながら夫の元に向かってもらおうって思ったんだよ」
引っ張り出して旅を?頭の中で検索する。そんなシーンはあった?
あ!勇者の仲間にできる幼馴染みヒロイン!カスステータスのヒロイン!
「はぁ?もしかしてモナのこと?それは無理ゲーよ!」
「そうみたいだったね。でも、僕は守護者に神託を下した。
勇者として世界を滅ぼす魔王を倒して欲しい。できれば、君の幼馴染みを連れて旅をして欲しいけど、無理なら強要はしないよ。ただ、幼馴染みに剣を向けることをしては駄目って、
でも毎回最後には女神の器が殺され、世界が崩壊する。
世界が崩壊してしまったところで時間を巻き戻してもう一回やり直し、それの繰り返し。世界の時間を巻き戻し続けたことで、おかしいと感づき始めた者も出だしてね。だから、次で最後にしたいんだよ」
リアンがモナに剣を向ける?モナがリアンに殺される?何で?
「それは頑張ってください」
ああ、転生の歪みか。女神がいるかぎりその守護者は転生をし続けなければならない。だから、終わらそうと女神を殺す。
「うん。頑張ってね。萌ちゃん」
「は?」
「君が万が一守護者の勇者に恋心を持ってしまったら困るから、恋愛感情は封じてあげるね。それから、君のトラウマは忘れないようにしといてあげる」
殺される相手に恋心持たないし!私のトラウマって何?何かあった?
「いや、待って!」
「それじゃこの世界を楽しんでいってね」
「どう見ても楽しめないでしょ!」
ということが、転生前に起こったのだ。エルドラードはクソだった。殴っておけばよかった。
私がキョウヤを忘れることができなかったのは、私がリアンに恋心を抱かせないようにするエルドラードの策略だったのだ。
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