114 / 121
114 聖歌×神舞=?
しおりを挟む
魔に落ちた····おちた?
剣を私に目掛けて振るってくるリアンをみる。そして、手をかざしてダメ元で剣を振り下ろすリアンに使ってみる。
「この者の魔を祓い給え『魔祓い』」
魔祓いのスキルが発動したけど、直ぐに距離を取られてしまった。しかし、リアンから何やら黒いモヤのようなモノが出ている。
効いているようだ。
となると····。私は拡張収納の鞄から果実を取り出す。別にお腹がすいたわけじゃないよ。それを、隣にいるシンセイに差し出す。
「シンセイさん。これを剣士の女性にぃ!」
また、リアンから攻撃されたけど、今度は火の槍の魔術を放ってきた。それをジュウロウザが刀で弾く。
どうやら、距離をとる攻撃に変えてきた。魔祓いを警戒しているかもしれない。
って、持っていた果実がない!
周りを見渡すとシンセイが女剣士ルアンダに黄色の果実を渡してくれていた。あれは満腹の果実というスタミナゲージをMAXにしてくれる果実なのだ。
「ルアンダさん!それを食べて、『聖歌』を歌ってください!」
私の言葉に目を丸くするルアンダ。そう、彼女は大剣を持って剣士の風貌だが、実は声に魔力を乗せる事が出来き、歌を歌えば強力な呪を発動することができる。
先程言った『聖歌』を歌えば、時間はかかるが歌声が届く範囲に聖域を作り出すことができる。
ルアンダは戸惑いを見せていたが、ロリババアが何かを言ったようで、果実を食べて歌いだしてくれた。美しい旋律の独唱が室内をみたす。
「メリーローズは、ルアンダを守る結界をぉ!」
リアンからの攻撃がやまない。息を継ぐまもなく攻撃を繰り出しているリアンもリアンだが、その攻撃を全て弾き返しているジュウロウザもジュウロウザだ。
「わかったのじゃ!」
ロリババアが答えたと同時に自分とルアンダの周りに3重の結界を張り巡らした。
次にルナを見てみると、呆然と突っ立ていた。そのままいるとまた死んじゃうし!
「ルナ!メリーローズの所に行ってルアンダの回復に専念して!」
「え?」
ルナは何が起こっているか理解できていないのだろう。
「メリーローズ!私を縛ったやつでルナをそっちに引き寄せられない?」
「任せるのじゃ!もう一度死なすのは可哀想なのじゃ」
そう言って、ロリババアは私を縛って連れ歩いた蔓の縄をルナに巻き付け、軽々と引き寄せた。弱い魔術ばかりだけど、魔力の少ないロリババアなりに工夫をしているようだ。
ああ、これで踊り子のシュリーヌがいれば完璧なのに、なんでロズワードに置いていった!いや、転移装置は5人までしか転移できないから仕方がないんだけど。
はぁ。しかし私はジュウロウザの邪魔になっているよね。
ここから、どう持って行くか、と考えていると、突然転移装置が起動した。
え?なんで?
この転移装置の上には6人乗っているので普通なら起動しないはず。どこかに転移をするのかと構えていると、私がいるところとロリババアとのちょうど中間点に誰かが転移して現れた。
「一人は怖いであります。なぜ、誰も戻ってきてくれないのでありますか?」
踊り子シュリーヌだ!なんていいタイミングだ。
「シュリーヌこちらに来るのじゃ!」
「シュリーヌ!ルアンダの歌に合わせて踊って!」
ロリババアと私が同時にシュリーヌに呼びかける。
「な!何が起こっているでありますか?」
突然のこの状況に戸惑いを見せるシュリーヌ。それはそうだろう。魔術の攻撃の嵐が吹き荒れ、自分の仲間である者達は結界の中で身を固め、肝心のリアンの姿が見えないのだ。
「いいから、こちらに来て踊るのじゃ!」
どうやら、ロリババアは私がしたいことがわかったようだ。
ロリババアに促され、シュリーヌはルアンダの歌声に合わせて踊りだす。
これが彼女たちを仲間にしたときの正しい在り方だ。
剣士ルアンダが聖歌を歌い。踊り子シュリーヌが神舞を舞う。そして、魔術師メリーローズが二人を守る結界を張る。
これにより聖域に相乗効果され、この場に清浄なる神域が出現するのだ。
ルナも何も考えなしにルルドに来たわけじゃなかったのだ。闇属性の魔物がはびこるこのルルドのダンジョンに神域を作れる人選をしてきたのだから。
しかし、ここで問題になってくるのが、火力が勇者リアンのみとなると断然足りない。だから、普通なら聖女ルナではなく、攻撃特化型の人選をすべきところだった。
だけど、ルナ自身がここに来たかったのと、転移装置で私を運ぶことになったので、踊り子シュリーヌを置いてこなければならなかったので、計画が破談してしまったのだろう。
『リーン、リーン』
と共鳴する涼やかな音が響いてきた。これで神域が完成する。しかし、リアンもここで何が起きようとしているのか気がついたのだろう。標的を私ではなく、シュリーヌとルアンダに変えてきた。
ロリババアが結界を張っているが彼女はそこまで強固な結界は張れない。いや、MP を気にしなければできるのだが、すでにいくつかの魔術を施行しているので、今の結界が限界だろう。
「シンセイ!彼女たちに攻撃が当たらないようにして」
無理も承知の上だ。魔術攻撃を苦手とするシンセイに、魔術の嵐といっていいリアンの攻撃から彼女たちを守ることは厳しいだろう。
しかし、今の状況から打開するには神域を展開してリアンの動きを弱めなければならない。
魔の者となったリアンにとって神域は驚異となるはずだ。
剣を私に目掛けて振るってくるリアンをみる。そして、手をかざしてダメ元で剣を振り下ろすリアンに使ってみる。
「この者の魔を祓い給え『魔祓い』」
魔祓いのスキルが発動したけど、直ぐに距離を取られてしまった。しかし、リアンから何やら黒いモヤのようなモノが出ている。
効いているようだ。
となると····。私は拡張収納の鞄から果実を取り出す。別にお腹がすいたわけじゃないよ。それを、隣にいるシンセイに差し出す。
「シンセイさん。これを剣士の女性にぃ!」
また、リアンから攻撃されたけど、今度は火の槍の魔術を放ってきた。それをジュウロウザが刀で弾く。
どうやら、距離をとる攻撃に変えてきた。魔祓いを警戒しているかもしれない。
って、持っていた果実がない!
周りを見渡すとシンセイが女剣士ルアンダに黄色の果実を渡してくれていた。あれは満腹の果実というスタミナゲージをMAXにしてくれる果実なのだ。
「ルアンダさん!それを食べて、『聖歌』を歌ってください!」
私の言葉に目を丸くするルアンダ。そう、彼女は大剣を持って剣士の風貌だが、実は声に魔力を乗せる事が出来き、歌を歌えば強力な呪を発動することができる。
先程言った『聖歌』を歌えば、時間はかかるが歌声が届く範囲に聖域を作り出すことができる。
ルアンダは戸惑いを見せていたが、ロリババアが何かを言ったようで、果実を食べて歌いだしてくれた。美しい旋律の独唱が室内をみたす。
「メリーローズは、ルアンダを守る結界をぉ!」
リアンからの攻撃がやまない。息を継ぐまもなく攻撃を繰り出しているリアンもリアンだが、その攻撃を全て弾き返しているジュウロウザもジュウロウザだ。
「わかったのじゃ!」
ロリババアが答えたと同時に自分とルアンダの周りに3重の結界を張り巡らした。
次にルナを見てみると、呆然と突っ立ていた。そのままいるとまた死んじゃうし!
「ルナ!メリーローズの所に行ってルアンダの回復に専念して!」
「え?」
ルナは何が起こっているか理解できていないのだろう。
「メリーローズ!私を縛ったやつでルナをそっちに引き寄せられない?」
「任せるのじゃ!もう一度死なすのは可哀想なのじゃ」
そう言って、ロリババアは私を縛って連れ歩いた蔓の縄をルナに巻き付け、軽々と引き寄せた。弱い魔術ばかりだけど、魔力の少ないロリババアなりに工夫をしているようだ。
ああ、これで踊り子のシュリーヌがいれば完璧なのに、なんでロズワードに置いていった!いや、転移装置は5人までしか転移できないから仕方がないんだけど。
はぁ。しかし私はジュウロウザの邪魔になっているよね。
ここから、どう持って行くか、と考えていると、突然転移装置が起動した。
え?なんで?
この転移装置の上には6人乗っているので普通なら起動しないはず。どこかに転移をするのかと構えていると、私がいるところとロリババアとのちょうど中間点に誰かが転移して現れた。
「一人は怖いであります。なぜ、誰も戻ってきてくれないのでありますか?」
踊り子シュリーヌだ!なんていいタイミングだ。
「シュリーヌこちらに来るのじゃ!」
「シュリーヌ!ルアンダの歌に合わせて踊って!」
ロリババアと私が同時にシュリーヌに呼びかける。
「な!何が起こっているでありますか?」
突然のこの状況に戸惑いを見せるシュリーヌ。それはそうだろう。魔術の攻撃の嵐が吹き荒れ、自分の仲間である者達は結界の中で身を固め、肝心のリアンの姿が見えないのだ。
「いいから、こちらに来て踊るのじゃ!」
どうやら、ロリババアは私がしたいことがわかったようだ。
ロリババアに促され、シュリーヌはルアンダの歌声に合わせて踊りだす。
これが彼女たちを仲間にしたときの正しい在り方だ。
剣士ルアンダが聖歌を歌い。踊り子シュリーヌが神舞を舞う。そして、魔術師メリーローズが二人を守る結界を張る。
これにより聖域に相乗効果され、この場に清浄なる神域が出現するのだ。
ルナも何も考えなしにルルドに来たわけじゃなかったのだ。闇属性の魔物がはびこるこのルルドのダンジョンに神域を作れる人選をしてきたのだから。
しかし、ここで問題になってくるのが、火力が勇者リアンのみとなると断然足りない。だから、普通なら聖女ルナではなく、攻撃特化型の人選をすべきところだった。
だけど、ルナ自身がここに来たかったのと、転移装置で私を運ぶことになったので、踊り子シュリーヌを置いてこなければならなかったので、計画が破談してしまったのだろう。
『リーン、リーン』
と共鳴する涼やかな音が響いてきた。これで神域が完成する。しかし、リアンもここで何が起きようとしているのか気がついたのだろう。標的を私ではなく、シュリーヌとルアンダに変えてきた。
ロリババアが結界を張っているが彼女はそこまで強固な結界は張れない。いや、MP を気にしなければできるのだが、すでにいくつかの魔術を施行しているので、今の結界が限界だろう。
「シンセイ!彼女たちに攻撃が当たらないようにして」
無理も承知の上だ。魔術攻撃を苦手とするシンセイに、魔術の嵐といっていいリアンの攻撃から彼女たちを守ることは厳しいだろう。
しかし、今の状況から打開するには神域を展開してリアンの動きを弱めなければならない。
魔の者となったリアンにとって神域は驚異となるはずだ。
11
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる