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24章-1 魔の大陸-魔女への依頼
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「そうのようなつもりでは無かったのですが、申し訳ございません」
セルヴァンはシェリーに頭を下げる。
「我々はミゲルロディア様をお迎えする準備をさせていただきます。シェリーミディア様が魔の大陸に行ってご無事に戻って来られることを女神様にお祈り申し上げます」
そう言って、セルヴァンは部屋を出ていくため踵を返したところで、何かとぶつかったように立ち止まった。
「痛ーい!もう!急に動かないでよ!」
開け放たれていた扉から勢いよく入っていてセルヴァンにぶつかって来たのは、桜色の髪に黒い瞳を持った少女だった。
「セルヴァン!姉って言うのが来ているのはこの部屋よね!」
数ヶ月前に見た顔が、シェリーの目に映った。その少女を見た瞬間、シェリーの表情が無くなる。元から表情筋が機能していなかったが、能面のように何も感情が読み取れない姿となった。
そして、その後ろに双子の少女である妹の二人もいる。
「エリー様、メイ様、コトハ様。お部屋にお戻りください」
「セルヴァン。うるさい。勉強、勉強って、もう飽きた」
エリーと呼ばれた少女は腰に手を当てて偉そうに言っている。恐らく教える側も相当苦労していそうだ。
「姉はどこ!ああ、そこにいたの」
シェリーを見つけ、妹を二人を引き連れエリーはシェリーの前に来た。
「今更、何をしにきたの?母さんがここのお姫様だってわかって慌てて来たの?あんたなんて····」
エリーは言葉を止めた。いや、言葉を口から発せされないようだった。歯の根が合わず、ガチガチと歯が鳴っていた。
「相変わらず。癪に障る」
カイルから低い声と冷気をまとった魔力が漏れ出ていた。
「この子供は何を言っているのでしょうか?」
スーウェンはビアンカがこの国の姫君であることは誰しも知っていることだと言うのにと、冷たい視線を向ける。
「なぁ?このシェリーに変なことを言っているクソガキはなんだ?」
オルクスがイライラとした感じで言葉を放つ。
「姉と言っている事は妹なのか?確かに似ていると言われれば似ているが」
リオンは呆れたような視線を向ける。己も兄弟は多いが弟達からこの様な態度で接しられようものなら、周りの者が許さないだろう。
「エリー。その態度は直せと言っていたのに」
祖父が健在の頃はグレイと従兄弟である上の2人、ユウマとエリーとは幾度か会ったことがあったが、幼い頃から横柄な態度の二人には注意をいていた。しかし、あのナオフミの所為で直るものも直らなかったようだ。
「申し訳ございません。シェリーミディア様。直ぐに「うるさーい!!」」
頭を下げて謝罪をするセルヴァンの言葉を遮り、エリーが叫び声を上げる。
「うるさい!うるさい!あんたの所為でしょ!父さんも母さんも帰って来ないのは!」
エリーはシェリーのツガイ達とセルヴァンの言葉を振り切り、先程の横柄な態度から一転、シェリーに威嚇するように睨みるける。
確かにシェリーが言ったことが発端かもしれないが、元々はナオフミが引き起こしたことだ。己がしでかした事の後始末は己でするべきではないのだろうか。
「はぁ。それは以前に「うるさい!だいたいあんたが悪いのでしょ!」」
シェリーの言葉までエリーは遮ってうるさいと言う。
「ここの城に来たのは良いのだけど、勉強、勉強ってうるさいし、兄ちゃんはあんたが連れて行ってしまったし、父さんも母さんも居ないし、あんたの所為でみんなバラバラになってしまったの!全部全部あんたが悪い!」
エリーはシェリーに指をさし、悪いと言い切る。その姿にシェリーは、目尻がピクリと動く。そして、セルヴァンに視線を向け目線だけで、そこの三人を部屋の外に出すように指示をした。
人の話を遮り、話を聞こうともしないものに、話す言葉などないといういふうに。
その視線を受けたセルヴァンは、シェリーに頭を下げ、エリーの腕を掴む。
「エリー様、部屋に戻りますよ」
声を掛けて部屋の外に連れ出そうとしているセルヴァンの動きが突然ブリキのおもちゃのようにぎこちなくなった。
シェリーはその姿にカツカツと靴の音を響かせて、3人の少女の元に近づいて行き、2人の少女を目線を合わし、かがみ込む。
「魔眼を相手に使うのなら、使われる側がどういう状態になるか知らなければならない」
そう言ってシェリーのピンクの瞳が揺らめいた。そう、双子の少女の2人はシェリーと同じ色の瞳の色を持っていた。ラースの魔眼だ。
双子の少女は姉を守る為に魔眼を使ったようだが、4つの目から攻撃されたセルヴァンはいくら耐性を持っていようが、流石に影響を受けてしまったようだ。
セルヴァンはシェリーに頭を下げる。
「我々はミゲルロディア様をお迎えする準備をさせていただきます。シェリーミディア様が魔の大陸に行ってご無事に戻って来られることを女神様にお祈り申し上げます」
そう言って、セルヴァンは部屋を出ていくため踵を返したところで、何かとぶつかったように立ち止まった。
「痛ーい!もう!急に動かないでよ!」
開け放たれていた扉から勢いよく入っていてセルヴァンにぶつかって来たのは、桜色の髪に黒い瞳を持った少女だった。
「セルヴァン!姉って言うのが来ているのはこの部屋よね!」
数ヶ月前に見た顔が、シェリーの目に映った。その少女を見た瞬間、シェリーの表情が無くなる。元から表情筋が機能していなかったが、能面のように何も感情が読み取れない姿となった。
そして、その後ろに双子の少女である妹の二人もいる。
「エリー様、メイ様、コトハ様。お部屋にお戻りください」
「セルヴァン。うるさい。勉強、勉強って、もう飽きた」
エリーと呼ばれた少女は腰に手を当てて偉そうに言っている。恐らく教える側も相当苦労していそうだ。
「姉はどこ!ああ、そこにいたの」
シェリーを見つけ、妹を二人を引き連れエリーはシェリーの前に来た。
「今更、何をしにきたの?母さんがここのお姫様だってわかって慌てて来たの?あんたなんて····」
エリーは言葉を止めた。いや、言葉を口から発せされないようだった。歯の根が合わず、ガチガチと歯が鳴っていた。
「相変わらず。癪に障る」
カイルから低い声と冷気をまとった魔力が漏れ出ていた。
「この子供は何を言っているのでしょうか?」
スーウェンはビアンカがこの国の姫君であることは誰しも知っていることだと言うのにと、冷たい視線を向ける。
「なぁ?このシェリーに変なことを言っているクソガキはなんだ?」
オルクスがイライラとした感じで言葉を放つ。
「姉と言っている事は妹なのか?確かに似ていると言われれば似ているが」
リオンは呆れたような視線を向ける。己も兄弟は多いが弟達からこの様な態度で接しられようものなら、周りの者が許さないだろう。
「エリー。その態度は直せと言っていたのに」
祖父が健在の頃はグレイと従兄弟である上の2人、ユウマとエリーとは幾度か会ったことがあったが、幼い頃から横柄な態度の二人には注意をいていた。しかし、あのナオフミの所為で直るものも直らなかったようだ。
「申し訳ございません。シェリーミディア様。直ぐに「うるさーい!!」」
頭を下げて謝罪をするセルヴァンの言葉を遮り、エリーが叫び声を上げる。
「うるさい!うるさい!あんたの所為でしょ!父さんも母さんも帰って来ないのは!」
エリーはシェリーのツガイ達とセルヴァンの言葉を振り切り、先程の横柄な態度から一転、シェリーに威嚇するように睨みるける。
確かにシェリーが言ったことが発端かもしれないが、元々はナオフミが引き起こしたことだ。己がしでかした事の後始末は己でするべきではないのだろうか。
「はぁ。それは以前に「うるさい!だいたいあんたが悪いのでしょ!」」
シェリーの言葉までエリーは遮ってうるさいと言う。
「ここの城に来たのは良いのだけど、勉強、勉強ってうるさいし、兄ちゃんはあんたが連れて行ってしまったし、父さんも母さんも居ないし、あんたの所為でみんなバラバラになってしまったの!全部全部あんたが悪い!」
エリーはシェリーに指をさし、悪いと言い切る。その姿にシェリーは、目尻がピクリと動く。そして、セルヴァンに視線を向け目線だけで、そこの三人を部屋の外に出すように指示をした。
人の話を遮り、話を聞こうともしないものに、話す言葉などないといういふうに。
その視線を受けたセルヴァンは、シェリーに頭を下げ、エリーの腕を掴む。
「エリー様、部屋に戻りますよ」
声を掛けて部屋の外に連れ出そうとしているセルヴァンの動きが突然ブリキのおもちゃのようにぎこちなくなった。
シェリーはその姿にカツカツと靴の音を響かせて、3人の少女の元に近づいて行き、2人の少女を目線を合わし、かがみ込む。
「魔眼を相手に使うのなら、使われる側がどういう状態になるか知らなければならない」
そう言ってシェリーのピンクの瞳が揺らめいた。そう、双子の少女の2人はシェリーと同じ色の瞳の色を持っていた。ラースの魔眼だ。
双子の少女は姉を守る為に魔眼を使ったようだが、4つの目から攻撃されたセルヴァンはいくら耐性を持っていようが、流石に影響を受けてしまったようだ。
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