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本編
6話 私に二つ名があったのですか
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男はクスト・ナヴァルと名乗りました。そして、私は第6師団詰所の応接室にいます。
「団長がご迷惑をお掛けしまして申し訳ありませんでした。もう本当にこの2週間の団長の行動が目に余るものがありまして、困っていたのです。」
そう話すのは第6師団の副師団長のルジオーネと名乗った青い髪の狼獣人です。
2週間前といえばここに来たぐらいじゃないですか。その当の師団長はなぜかロープで巻かれ、副師団長の隣に座らされています。
「2週間前に俺の番がいた、といって一軒のアパートメントから離れなくなり、仕事に引きずって行ってもいつのまにか消えているし。一週間前ぐらいから番が部屋から全然出てこない、どうすればいいかなんて相談されましたし。今日に至ってはドア蹴破っていいかなんて言うしまつで、人様の家のドアは蹴破ってはいけないと、いいきかせたのですが、借金の取り立て訪問になってしまって、申し訳ございません。」
これはストーカーの上司に対する愚痴ですよね。
「ご苦労様です。」
「それでですね。ダメ上司を引き取っていただきたいのですが」
「慎んでお断り致します。ストーカーはいりません。」
「なあ。本当に番がわからないのか?」
団長さんにそう尋ねられ、視線を向けますがお隣の副団長さんの青い髪に黒を混ぜた青黒い髪に三角の耳が出ており、目付きの悪い黒い目が私を見ています。なぜか、髪と同じ色の尻尾がすごい勢いで振られていますが・・・。
「同じ血族ですか?」
そう言ったら師団長さんは項垂れてしまいました。
「従兄弟になります。よくわかりましたね。顔つきが全然違うので、従兄弟だとは誰も思わないのですよ。」
確かに、副師団長さんの方がイケメンですね。目がぱっちり二重で青い目がキレイですね。
「ルジオーネを見んじゃねぇ。」
「まぁ、番がわからないのだから、仕方がないのではないですか?あのじい様も『番なんてさっぱりわからんって言ったら、ばあさんにボコボコにされた』と言っておりましたから」
確かに、何も分からないですね。
「ですので、仕事に支障をきたしていますので、引き取っていただきたいのです。」
何がですのでなのですか!そっちが本音じゃないですか。仕事をしないやつは邪魔だから面倒を見てくれということですか。
「私は私で面倒ごとを抱えているので、お断りしたいです。」
「相談していただければ、対処させてもらいますよ。」
引き取ってくれるならという条件が付くのですよね。メリットとデメリットを考えますが、そもそもつがいというものがわからない。好きなだけ物を作っていましたから、一般的知識が片寄りすぎています。
「私にはつがいというものがわかりません。私はただもの作りをしたいだけなんですよ。しかし、私の名前を出して売り出すと、とある公爵家に連行される可能性があるのです。その団長さんを引き取れば、自由に物を作ることはできますか?誰にも強要されず、自分の好きなものを」
「コルバート家のお嬢さんの作る魔道具は誰でも欲しがるものですからね。」
「私、家名は名乗った記憶はありませんが?」
「こんな師団長でも公爵家の当主ですからね。番だって叫び出したときから、どこの誰かぐらい把握しようと動きますよね。でも、結局引きこもっててわからなかったのですが、あの、捕獲用の網とか、変わった形の飛び道具とか、イアール山脈で魔物を駆逐していた人族の特徴と似ていましたので、カマをかけてみました。」
え。私隣国までそんなに噂をされていたの?
「マジで!すげー。あのコルバートの魔女が番なのか。」
何その怪しい二つ名。
「ですので、団長の番としてナヴァル家に来てもらえれば、他国の公爵とてそうそう手は出せませんよ。」
もうサウザール公爵の名に怯えなくていいの?
「よろしくお願いします。」
「団長がご迷惑をお掛けしまして申し訳ありませんでした。もう本当にこの2週間の団長の行動が目に余るものがありまして、困っていたのです。」
そう話すのは第6師団の副師団長のルジオーネと名乗った青い髪の狼獣人です。
2週間前といえばここに来たぐらいじゃないですか。その当の師団長はなぜかロープで巻かれ、副師団長の隣に座らされています。
「2週間前に俺の番がいた、といって一軒のアパートメントから離れなくなり、仕事に引きずって行ってもいつのまにか消えているし。一週間前ぐらいから番が部屋から全然出てこない、どうすればいいかなんて相談されましたし。今日に至ってはドア蹴破っていいかなんて言うしまつで、人様の家のドアは蹴破ってはいけないと、いいきかせたのですが、借金の取り立て訪問になってしまって、申し訳ございません。」
これはストーカーの上司に対する愚痴ですよね。
「ご苦労様です。」
「それでですね。ダメ上司を引き取っていただきたいのですが」
「慎んでお断り致します。ストーカーはいりません。」
「なあ。本当に番がわからないのか?」
団長さんにそう尋ねられ、視線を向けますがお隣の副団長さんの青い髪に黒を混ぜた青黒い髪に三角の耳が出ており、目付きの悪い黒い目が私を見ています。なぜか、髪と同じ色の尻尾がすごい勢いで振られていますが・・・。
「同じ血族ですか?」
そう言ったら師団長さんは項垂れてしまいました。
「従兄弟になります。よくわかりましたね。顔つきが全然違うので、従兄弟だとは誰も思わないのですよ。」
確かに、副師団長さんの方がイケメンですね。目がぱっちり二重で青い目がキレイですね。
「ルジオーネを見んじゃねぇ。」
「まぁ、番がわからないのだから、仕方がないのではないですか?あのじい様も『番なんてさっぱりわからんって言ったら、ばあさんにボコボコにされた』と言っておりましたから」
確かに、何も分からないですね。
「ですので、仕事に支障をきたしていますので、引き取っていただきたいのです。」
何がですのでなのですか!そっちが本音じゃないですか。仕事をしないやつは邪魔だから面倒を見てくれということですか。
「私は私で面倒ごとを抱えているので、お断りしたいです。」
「相談していただければ、対処させてもらいますよ。」
引き取ってくれるならという条件が付くのですよね。メリットとデメリットを考えますが、そもそもつがいというものがわからない。好きなだけ物を作っていましたから、一般的知識が片寄りすぎています。
「私にはつがいというものがわかりません。私はただもの作りをしたいだけなんですよ。しかし、私の名前を出して売り出すと、とある公爵家に連行される可能性があるのです。その団長さんを引き取れば、自由に物を作ることはできますか?誰にも強要されず、自分の好きなものを」
「コルバート家のお嬢さんの作る魔道具は誰でも欲しがるものですからね。」
「私、家名は名乗った記憶はありませんが?」
「こんな師団長でも公爵家の当主ですからね。番だって叫び出したときから、どこの誰かぐらい把握しようと動きますよね。でも、結局引きこもっててわからなかったのですが、あの、捕獲用の網とか、変わった形の飛び道具とか、イアール山脈で魔物を駆逐していた人族の特徴と似ていましたので、カマをかけてみました。」
え。私隣国までそんなに噂をされていたの?
「マジで!すげー。あのコルバートの魔女が番なのか。」
何その怪しい二つ名。
「ですので、団長の番としてナヴァル家に来てもらえれば、他国の公爵とてそうそう手は出せませんよ。」
もうサウザール公爵の名に怯えなくていいの?
「よろしくお願いします。」
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