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497 絶望の中に希望はありますか?
「遅くなりました」
ヘビ共が床でさめざめと泣いているところに、緑龍が戻ってきた。
皆のワイバーンの世話をお願いしていたので、遅いということはないと思う。
「これは、何が起こったのでしょうか?」
「色々だね」
「リューさん。お疲れさまでした。もう少し待てば夕食らしいのですけど、何か用意したほうがいいかしら?」
リザ姉は私が緑龍と呼んでいるから、『リュー』と呼んでいるらしい。
言葉がわかるようになってから、ときどき話しているのを見かけることがある。
酒吞たちには話しかけないことを見ると、天神の屋敷で共に行動していたから、話しやすいのだろう。
ただ、雑談ではなく、必要なことしか話していないので、仲がいいというわけではないのだと思う。
「大丈夫です。それよりもその子鬼は冥府の使いではありませんか?」
緑龍まで知っているということは、かなり有名な鬼らしい。
私は全く知らなかったけどね。
「黒白無常って言われたね」
「どうして、そのようなモノが……それも子鬼の姿でいるのです」
そう言えば、緑龍には話していなかったよね。でも、話してドン引きされる気もしないでもない。
だって、死んで世界に食われた出涸らしが、今子鬼たちが食べている石だなんて嫌すぎるよね。
「うーん、聞きたい?」
「それはどういう意味の問いですか?」
「知らないままで心の安寧を保つのと、真実を知って絶望するのと」
「まさか!それでこのようなことに!」
緑龍が青嵐と月影を指して言ってきた。
それは違うよ。
彼らは元々石だったから、復活した時点でそのことは知っている。
「それは、私に隠し事をしていたから、注意しただけだよ」
「あの?絶望の中に希望はありますか?」
「ないね」
これははっきりと言える。世界そのものをどうにかしない限りは無理だ。
常闇を完全に閉じたとしても、世界が力を求めれば、新たな常闇が開くだろうからね。
「そう言われると、考えるところですが、いつの間にかカラスまで増えているので、知っておくべきなのでしょう」
『それがしは、八咫烏であります!』
カラスなのにカラスではないと言っている鳥は、子鬼たちがむさぼり食っている石のおこぼれをついばんでいる。
といっても、石をくちばしで割ってから、食べようとしているので、子鬼たちほどたべてはいない。
「まぁ、そこに座りなよ。リザ姉。緑龍のお茶を淹れてきてくれない?」
ファル専用のソファーを指して言う。
私がお茶を淹れてもいいのだけど、魔王様に捕獲されていて動けないのだ。
「というわけでね。これを食べると力が得られるらしいんだよね」
私は左手の指輪の石を指し示した。
「「主様~!それは我々なので食べないでください!」」
床でさめざめと泣いていたヘビ共が叫び声を上げた。
いや、食べないよ。
「元の場所に未練などありませんが、死しても世界に食べられるということですか」
やはり、そっちのほうが気になったんだね。死にかけているとわかれば、世界は鎖で印をつけちゃうから、逃れられることはないだろうね。
「だから、今は子鬼たちに食べてもらっているのだけど、一日でそれほど力になるのかわからない。リトでも半月かかったからね」
酒吞と茨木に身ぐるみを剥がされて、ツチノコもどきになって床に伸びていた。
あれはきっとこっそりと石を持ってきたのに、全部取られて拗ねているのだと思う。
「今、思ったら異形の数が増えすぎていない?」
「今更だ」
ルディに言われてしまった。
今更と言われたらそうなのだけどね。
「やっぱり、カラスはいらなかったかも」
『なんですと!』
「戦えるわけじゃなさそうだし」
『それがしは、アマテラス様の使いでありまする!』
戦力にならないと言っているんだよ。
何故に、このカラスを渡されたのかさっぱりわからない。
嫌がらせなのだろうか。
「八咫烏は太陽に住むと聞きますが、ここにいても問題ないのでしょうか?」
「さぁ?自称だからわからないよ」
緑龍にこの場所にいても問題ないのかと言われたけど、太陽の中と同じ環境なんて無理だからね。
「そう言えば、緑龍には聞いてなかったけど、これだけは譲れないということはある?」
緑龍には確認していなかったと、思い出した。酒吞と茨木には聞いていたからね。
「その言葉の意味がわからないのですが」
「うーん。緑龍はここに突然来たよね。共存する上で、必要なことだね。酒吞は酒が欲しいという要望を出しているよ」
「翠」
ん?スイ?
「呼び名です。緑龍は種族名なので」
「え?名前を言ってもいいわけ?」
「はい。字ですから」
あー、幼名とか字とかそういう違いがわからないわ。
ヘビ共が床でさめざめと泣いているところに、緑龍が戻ってきた。
皆のワイバーンの世話をお願いしていたので、遅いということはないと思う。
「これは、何が起こったのでしょうか?」
「色々だね」
「リューさん。お疲れさまでした。もう少し待てば夕食らしいのですけど、何か用意したほうがいいかしら?」
リザ姉は私が緑龍と呼んでいるから、『リュー』と呼んでいるらしい。
言葉がわかるようになってから、ときどき話しているのを見かけることがある。
酒吞たちには話しかけないことを見ると、天神の屋敷で共に行動していたから、話しやすいのだろう。
ただ、雑談ではなく、必要なことしか話していないので、仲がいいというわけではないのだと思う。
「大丈夫です。それよりもその子鬼は冥府の使いではありませんか?」
緑龍まで知っているということは、かなり有名な鬼らしい。
私は全く知らなかったけどね。
「黒白無常って言われたね」
「どうして、そのようなモノが……それも子鬼の姿でいるのです」
そう言えば、緑龍には話していなかったよね。でも、話してドン引きされる気もしないでもない。
だって、死んで世界に食われた出涸らしが、今子鬼たちが食べている石だなんて嫌すぎるよね。
「うーん、聞きたい?」
「それはどういう意味の問いですか?」
「知らないままで心の安寧を保つのと、真実を知って絶望するのと」
「まさか!それでこのようなことに!」
緑龍が青嵐と月影を指して言ってきた。
それは違うよ。
彼らは元々石だったから、復活した時点でそのことは知っている。
「それは、私に隠し事をしていたから、注意しただけだよ」
「あの?絶望の中に希望はありますか?」
「ないね」
これははっきりと言える。世界そのものをどうにかしない限りは無理だ。
常闇を完全に閉じたとしても、世界が力を求めれば、新たな常闇が開くだろうからね。
「そう言われると、考えるところですが、いつの間にかカラスまで増えているので、知っておくべきなのでしょう」
『それがしは、八咫烏であります!』
カラスなのにカラスではないと言っている鳥は、子鬼たちがむさぼり食っている石のおこぼれをついばんでいる。
といっても、石をくちばしで割ってから、食べようとしているので、子鬼たちほどたべてはいない。
「まぁ、そこに座りなよ。リザ姉。緑龍のお茶を淹れてきてくれない?」
ファル専用のソファーを指して言う。
私がお茶を淹れてもいいのだけど、魔王様に捕獲されていて動けないのだ。
「というわけでね。これを食べると力が得られるらしいんだよね」
私は左手の指輪の石を指し示した。
「「主様~!それは我々なので食べないでください!」」
床でさめざめと泣いていたヘビ共が叫び声を上げた。
いや、食べないよ。
「元の場所に未練などありませんが、死しても世界に食べられるということですか」
やはり、そっちのほうが気になったんだね。死にかけているとわかれば、世界は鎖で印をつけちゃうから、逃れられることはないだろうね。
「だから、今は子鬼たちに食べてもらっているのだけど、一日でそれほど力になるのかわからない。リトでも半月かかったからね」
酒吞と茨木に身ぐるみを剥がされて、ツチノコもどきになって床に伸びていた。
あれはきっとこっそりと石を持ってきたのに、全部取られて拗ねているのだと思う。
「今、思ったら異形の数が増えすぎていない?」
「今更だ」
ルディに言われてしまった。
今更と言われたらそうなのだけどね。
「やっぱり、カラスはいらなかったかも」
『なんですと!』
「戦えるわけじゃなさそうだし」
『それがしは、アマテラス様の使いでありまする!』
戦力にならないと言っているんだよ。
何故に、このカラスを渡されたのかさっぱりわからない。
嫌がらせなのだろうか。
「八咫烏は太陽に住むと聞きますが、ここにいても問題ないのでしょうか?」
「さぁ?自称だからわからないよ」
緑龍にこの場所にいても問題ないのかと言われたけど、太陽の中と同じ環境なんて無理だからね。
「そう言えば、緑龍には聞いてなかったけど、これだけは譲れないということはある?」
緑龍には確認していなかったと、思い出した。酒吞と茨木には聞いていたからね。
「その言葉の意味がわからないのですが」
「うーん。緑龍はここに突然来たよね。共存する上で、必要なことだね。酒吞は酒が欲しいという要望を出しているよ」
「翠」
ん?スイ?
「呼び名です。緑龍は種族名なので」
「え?名前を言ってもいいわけ?」
「はい。字ですから」
あー、幼名とか字とかそういう違いがわからないわ。
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