73 / 461
73 ウキョー鳥に起こされる日常
しおりを挟む
『ウッキョー!ウッキョー!』
ウキョー鳥の鳴き声で目を覚ます日常が始まってしまった。仕事とはいえ、あのウキョー鳥に起こされない朝は清々しい朝だった。
「やっぱり、ウキョー鳥をブッ殺す」
「クスッ。朝から物騒な事を言っているな。アンジュ」
ルディも起きていたようだ。そのルディはクスクスと笑いながら、私の額に口づけをしてきた。
ウキョー鳥はやっぱり神父様から許可を取って、絞め殺すべきだと思う。
さて、今日は何をして過ごそうか。どうせ開店休業状態の第13部隊に仕事なんて割り振られていないだろう。
昨日は食事が終わったら私はファルに連行され、自分の部屋に戻ってきたのだ。
あの後、ルディと侍従との間で何が話し合われたかはわからないが、きっと第13部隊に仕事が無いのは変わりないだろう。
「アンジュ。昨日事はフリーデンハイドは問題視しないと言っていた。しかし、本当は許されないことだからな。あと、今日は王城に出向かなければならなくなった」
侍従は上官だからね。謹慎とか罰は受ける覚悟はしていたよ。
···ん?王城?
「あの聖女を聖女として承認するらしい」
まぁ、妥当でしょう。現に西の辺境の常闇を封じたのを目撃されているのだから。
あれ?王城?
「ルディ。私は王城に入るなと言われているから、転移の腕輪が発動してしまうよ?」
私はあの白銀の王から王城には入ることを禁じられているため、お留守番をしなければならない。留守番は大いに構わない。しかし、王城は勿論聖騎士団の敷地外にあるため、転移の腕輪が反応してしまうはずなのだ。
「ああ、それは転移の発動を阻害する物があるから問題ない」
え?そんなものがあるの!あるのならさっさと手に入れるべきだった。
「アンジュ。阻害する物も互いの魔力を込めないと駄目な物だから、その辺に売っているわけじゃない」
「人の心を読まないでくれる?」
「別に読めるわけじゃない。アンジュがわかりやすいだけだ。それに使い捨てだから頻繁には使用できない」
くー!残念だ。転移の腕輪がなければ、もっと自由に行動ができるはずなのに···と、言うことは、今日は自由行動!!!
「アンジュ。今日は部屋から出なくていい」
「何故に!!」
「アンジュを自由にすると、直ぐに何処かへふらふらと行くだろう?」
「毎回言うけどそんなにフラフラしていない!強いて言うなら、ウキョー鳥をぶちのめしに行きたい」
未だに『ウッキョー!ウッキョー!』と耳を劈くような鳴き声が響き渡っている。あれは一度シメるべきだと思う。
「はぁ、あれはリュミエール神父の物だから手を出してはいけない」
ここには居ない神父様の権力があり過ぎる。やはり一度直談判をすべきだろう。
「わかった。ウキョー鳥は神父様に文句を言ってから、シメることにする」
私は渋々諦めることにした。
うっ!ルディ!何故に諦めた私を絞めにきたのだ。毎回思うけど、力加減を間違ってない?
抗議の意味を込めてルディをバシバシ叩いてみるけど、緩めてくれる様子がない。
「昨日、フリーデンハイドから聞いたのだが、例の聖女が奇跡を起こしたらしい」
まぁ、聖女なのだから、それぐらいできるのでしょう。それが、どうしたの?
「一昨日の夜に輝く聖獣を操って、雷雲を呼び雨を降らして雲を消し去ったと言っていた」
あれ?雷雲と雨?どこかで覚えがあるような?
「それを見た者たちが聖女の祝福なんて言っているらしい」
痛い痛い痛い!ちょっと力が強いよ!
「アンジュが精霊を使って行ったことを、あの聖女は自分の手柄のように言っていたらしい。アンジュの魔力を奪っただけでなく、嘘まで平気でつく女が、聖女だなんて俺は認めないからな!」
「ルディ。痛い。力強すぎ」
あ、力が緩んだ。やっと息がまともに吸える。ウキョー鳥をシメると言ったバツだろうか。私がしめ殺されかけた。
でも、あの聖女の子はどうして、やってもいないことを、自分でしたって言ったのだろう。そんな嘘はすぐにバレるのに。
もう一度やってと言われたらどうするつもりなのだろう。
でも···それでも、彼女には聖女でいてもらわないと私が困る。切実に困る。
「ルディ。別に私はいいと思うよ?」
「何故だ!」
うっ!なんだか、私が怒られているみたい。
「だって、嘘をついてまで力を示したいっていうことは、聖女の役目をやる気満々ってことでしょ?そんな人にこそやってもらわないとね。私は絶対に嫌だから」
聖女の役目の本質をわかっているのか知らないけれど、私は聖女なんてモノは御免被りたい。
「そうか、それなら対外的には認めてやってもいいが、俺は絶対にアレを聖女だなんて認めない」
まぁ、それは個人の意見だからね。人に合わせることはない。あ!そうだ。今のうちに聞いておこう。
「ねぇ、そう言えば。この前、聖騎士団の敷地に侵入してきたキルクスの子たちって何処で治療を受けているの?」
バニーのお見舞いぐらいは行っておきたい。
「アンジュ。そんなことに答えたら、絶対にそこに行く気だろ?今日は部屋から出るなと言った事をもう忘れたのか?」
わ···忘れてはないよ?だけど、散歩ぐらいは許してもらえるかな?
私はごまかすように、へらりと笑った。
ウキョー鳥の鳴き声で目を覚ます日常が始まってしまった。仕事とはいえ、あのウキョー鳥に起こされない朝は清々しい朝だった。
「やっぱり、ウキョー鳥をブッ殺す」
「クスッ。朝から物騒な事を言っているな。アンジュ」
ルディも起きていたようだ。そのルディはクスクスと笑いながら、私の額に口づけをしてきた。
ウキョー鳥はやっぱり神父様から許可を取って、絞め殺すべきだと思う。
さて、今日は何をして過ごそうか。どうせ開店休業状態の第13部隊に仕事なんて割り振られていないだろう。
昨日は食事が終わったら私はファルに連行され、自分の部屋に戻ってきたのだ。
あの後、ルディと侍従との間で何が話し合われたかはわからないが、きっと第13部隊に仕事が無いのは変わりないだろう。
「アンジュ。昨日事はフリーデンハイドは問題視しないと言っていた。しかし、本当は許されないことだからな。あと、今日は王城に出向かなければならなくなった」
侍従は上官だからね。謹慎とか罰は受ける覚悟はしていたよ。
···ん?王城?
「あの聖女を聖女として承認するらしい」
まぁ、妥当でしょう。現に西の辺境の常闇を封じたのを目撃されているのだから。
あれ?王城?
「ルディ。私は王城に入るなと言われているから、転移の腕輪が発動してしまうよ?」
私はあの白銀の王から王城には入ることを禁じられているため、お留守番をしなければならない。留守番は大いに構わない。しかし、王城は勿論聖騎士団の敷地外にあるため、転移の腕輪が反応してしまうはずなのだ。
「ああ、それは転移の発動を阻害する物があるから問題ない」
え?そんなものがあるの!あるのならさっさと手に入れるべきだった。
「アンジュ。阻害する物も互いの魔力を込めないと駄目な物だから、その辺に売っているわけじゃない」
「人の心を読まないでくれる?」
「別に読めるわけじゃない。アンジュがわかりやすいだけだ。それに使い捨てだから頻繁には使用できない」
くー!残念だ。転移の腕輪がなければ、もっと自由に行動ができるはずなのに···と、言うことは、今日は自由行動!!!
「アンジュ。今日は部屋から出なくていい」
「何故に!!」
「アンジュを自由にすると、直ぐに何処かへふらふらと行くだろう?」
「毎回言うけどそんなにフラフラしていない!強いて言うなら、ウキョー鳥をぶちのめしに行きたい」
未だに『ウッキョー!ウッキョー!』と耳を劈くような鳴き声が響き渡っている。あれは一度シメるべきだと思う。
「はぁ、あれはリュミエール神父の物だから手を出してはいけない」
ここには居ない神父様の権力があり過ぎる。やはり一度直談判をすべきだろう。
「わかった。ウキョー鳥は神父様に文句を言ってから、シメることにする」
私は渋々諦めることにした。
うっ!ルディ!何故に諦めた私を絞めにきたのだ。毎回思うけど、力加減を間違ってない?
抗議の意味を込めてルディをバシバシ叩いてみるけど、緩めてくれる様子がない。
「昨日、フリーデンハイドから聞いたのだが、例の聖女が奇跡を起こしたらしい」
まぁ、聖女なのだから、それぐらいできるのでしょう。それが、どうしたの?
「一昨日の夜に輝く聖獣を操って、雷雲を呼び雨を降らして雲を消し去ったと言っていた」
あれ?雷雲と雨?どこかで覚えがあるような?
「それを見た者たちが聖女の祝福なんて言っているらしい」
痛い痛い痛い!ちょっと力が強いよ!
「アンジュが精霊を使って行ったことを、あの聖女は自分の手柄のように言っていたらしい。アンジュの魔力を奪っただけでなく、嘘まで平気でつく女が、聖女だなんて俺は認めないからな!」
「ルディ。痛い。力強すぎ」
あ、力が緩んだ。やっと息がまともに吸える。ウキョー鳥をシメると言ったバツだろうか。私がしめ殺されかけた。
でも、あの聖女の子はどうして、やってもいないことを、自分でしたって言ったのだろう。そんな嘘はすぐにバレるのに。
もう一度やってと言われたらどうするつもりなのだろう。
でも···それでも、彼女には聖女でいてもらわないと私が困る。切実に困る。
「ルディ。別に私はいいと思うよ?」
「何故だ!」
うっ!なんだか、私が怒られているみたい。
「だって、嘘をついてまで力を示したいっていうことは、聖女の役目をやる気満々ってことでしょ?そんな人にこそやってもらわないとね。私は絶対に嫌だから」
聖女の役目の本質をわかっているのか知らないけれど、私は聖女なんてモノは御免被りたい。
「そうか、それなら対外的には認めてやってもいいが、俺は絶対にアレを聖女だなんて認めない」
まぁ、それは個人の意見だからね。人に合わせることはない。あ!そうだ。今のうちに聞いておこう。
「ねぇ、そう言えば。この前、聖騎士団の敷地に侵入してきたキルクスの子たちって何処で治療を受けているの?」
バニーのお見舞いぐらいは行っておきたい。
「アンジュ。そんなことに答えたら、絶対にそこに行く気だろ?今日は部屋から出るなと言った事をもう忘れたのか?」
わ···忘れてはないよ?だけど、散歩ぐらいは許してもらえるかな?
私はごまかすように、へらりと笑った。
23
あなたにおすすめの小説
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】小公爵様の裏の顔をわたしだけが知っている
おのまとぺ
恋愛
公爵令息ルシアン・ド・ラ・パウルはいつだって王国の令嬢たちの噂の的。見目麗しさもさることながら、その立ち居振る舞いの上品さ、物腰の穏やかさに女たちは熱い眼差しを向ける。
しかし、彼の裏の顔を知る者は居ない。
男爵家の次女マリベルを除いて。
◇素直になれない男女のすったもんだ
◇腐った令嬢が登場したりします
◇50話完結予定
2025.2.14
タイトルを変更しました。(完結済みなのにすみません、ずっとモヤモヤしていたので……!)
【完結】すり替わられた小間使い令嬢は、元婚約者に恋をする
白雨 音
恋愛
公爵令嬢オーロラの罪は、雇われのエバが罰を受ける、
12歳の時からの日常だった。
恨みを持つエバは、オーロラの14歳の誕生日、魔力を使い入れ換わりを果たす。
それ以来、オーロラはエバ、エバはオーロラとして暮らす事に…。
ガッカリな婚約者と思っていたオーロラの婚約者は、《エバ》には何故か優しい。
『自分を許してくれれば、元の姿に戻してくれる』と信じて待つが、
魔法学校に上がっても、入れ換わったままで___
(※転生ものではありません) ※完結しました
転生貧乏令嬢メイドは見なかった!
seo
恋愛
血筋だけ特殊なファニー・イエッセル・クリスタラーは、名前や身元を偽りメイド業に勤しんでいた。何もないただ広いだけの領地はそれだけでお金がかかり、古い屋敷も修繕費がいくらあっても足りない。
いつものようにお茶会の給仕に携わった彼女は、令息たちの会話に耳を疑う。ある女性を誰が口説き落とせるかの賭けをしていた。その対象は彼女だった。絶対こいつらに関わらない。そんな決意は虚しく、親しくなれるように手筈を整えろと脅され断りきれなかった。抵抗はしたものの身分の壁は高く、メイドとしても令嬢としても賭けの舞台に上がることに。
これは前世の記憶を持つ貧乏な令嬢が、見なかったことにしたかったのに巻き込まれ、自分の存在を見なかったことにしない人たちと出会った物語。
#逆ハー風なところあり
#他サイトさまでも掲載しています(作者名2文字違いもあり)
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる